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2019年1月6日日曜日

武漢の麻雀(省略なし版)

中国各地のローカルルールの中でも個人的に気に入っている武漢の麻雀です.以前に書いたルール紹介は,なぜか他のローカルルールに比べ閲覧数が極端に少ないので,バリエーションの紹介を控え気味にし,また基本的な麻雀のルールを省略しないで書き下しました.メインで紹介するルールは,厳密にいえば「紅中發財頼子槓」です.

道具

136枚の麻雀牌(パイ,またははい).1から9の筒子(この語の中国音はトンヅだが日本語では餅子の中国音ピンヅで呼ばれる),1から9の策子(ソーヅ),1から9の萬子(ワンヅ)の3種類の数牌と東(トン)南(ナン)西(中国音はシーだが習慣的にシャーと呼ばれる)北(ペイ),中(チュン),發(はつ,中国音で呼ばれることはまれ),白(はく,たまに中国名のパイパンも使われる)の字牌からなり,すべての牌が4枚ずつある.
サイコロ2つ.
紙幣・硬貨(を模したもの)を1人あたりの事前に決めた分量(例500単位)×4.

席決め

任意の1人,例えば年長者ではない人が,東南西北を各1枚ずつ抜き取り,裏向きにしてよく混ぜる.この中から1人1枚ずつ好きな牌を取る.東を引いた人はサイコロ2つを振る.自分を1として反時計回りに2つの目の合計まで数えた位置の席に着席する(右隣りが2,向かいが3,左隣りが4,1巡して自分に戻ってきて5のように数える).他の3人は,反時計回りに東南西北の順になるように着席する.
電動卓では,東南西北を1枚ずつ集めるのが面倒なので,次の方法で東南西北を決めてもよい.全員が,自分の前の山から牌を1枚引き,引いた牌の数字が大きい順に東南西北とする.字牌は数牌より下で,上から順に東南西北中發白とする.数が同じなら上から順に筒,索,萬として種類を比べる.同じ牌を引いた人がいる場合,同じ牌を引いた人だけが,もう1枚自分の山から牌を引いて,同点だった人の間の順番を決める.

手の開始

4人で牌を伏せてよく混ぜたら,牌の山を築く. 各人が,机の縁に沿って横17枚の裏向きの牌の列を2列作る.2列の牌を中央に向けて押し出し,自分に近い列を遠い列の上に乗せる. 人によっては,右手側を左手側より前になるように斜めに押し出す.

親

最初の親は東の人が務める.それ以後は,親が4周して席替えし直すまでは,親が上がるか流局したら親を変えず,親以外の人が上がったら親の右隣りの人が次の親となる.

牌を配る(配牌)

親が2つのサイコロを振る.親を1として反時計回りに2つの目の合計まで数えた席の人が,自分の山を右端を1として右から左へ2つの出目のうち小さい方まで数え,最後に数えた位置と,その次の間に切れ目を作る.切れ目の時計回り側が山の先頭,反時計回り側が山の末尾になる.山はゲームの進行とは逆方向の時計回りに使うことに注意する.また,牌を1枚ずつ取るときは,先頭からでも末尾からでも,上の牌を下の牌より先に取る.親から順に山の先頭から2列4枚の牌を取ることを3回繰り返し,12枚の牌を取る.ついで,親から順に山の先頭から牌を1枚ずつとる.最後に親が山の先頭から1枚牌を取る(全員が1枚ずつ取るときにこの1枚を一緒に先にとる方が普通).
牌は,横1列に並べ,背を相手側に向けて縦向きに起こし,自分以外の人に見えないようにする.

頼子(ライツ)

牌を配り終えたら,山の先頭の牌を表向きにし,山の末尾の近くに全員に見えるようにのせる.この牌は頼子皮(ライツピー)という.頼子皮が筒子,策子,萬子なら,同じ種類で数が1つ大きい牌が頼子,9のときは1,字牌なら,東南西北中發白の順で次の牌,白のときは戻って東が頼子になる.中と發は頼子になれないので,頼子皮が北か中のときは,白が頼子になる.日本のドラのルールに慣れている人は,東南西北と中發白を分けないことと,中發白の順番が日本と逆なことに注意する.
頼子は,上がった手の中に限り,中發以外の何にでも化けられるワイルドカードである.

ゲームの目的

ゲームの目的は上がること.上がるには,カン以外でさらした牌と手の牌に以下のいずれかを加えて頭(あたま)と4メンツを作る.
  • ツモ順かカンの補充で山から引いた牌
  • 他人が捨てた牌
  • ポンにカンで足そうとした牌
ここで
  • 頭は同じ牌2枚
  • メンツは順子(シュンツ)か刻子(コーツ)のいずれか.なお4枚のカンは,ルール上3枚の刻子とカン1枚が一緒になったものとして扱う
  • 順子は同じ種類で数字が続きの牌3枚,例えば3索4索5索.9と1は続きでない
  • 刻子は同じ牌3枚,例えば北北北
例外的な上がり方や上がりの他の条件は,後で説明する.

進行

順番の行動

親から始めて,反時計回りに順番がくる.順番はツモ順ともいう.ツモ順には,手に14枚の牌がある親の最初のツモ順でない限り,山の先頭から1枚牌を引く(ツモ).この牌で上がれないか,上がりたくない場合,牌を手の中に入れ,手から不要な牌を1枚捨てる.捨て牌は,何を捨てたか全員に分かるように表向きに置いた後,誰がいつ何を捨てたか覚えていなければ分からないように,机の中央近くに乱雑に集められた中に押し出す.中,發,頼子を捨てたときは,机の中央でなく,自分がチー・ポン・カンした牌の置き場に移す.これは,捨てた中,發,頼子を点数計算でカンと同じように扱うからである.

チー

手の中の牌2枚と左隣りの人が捨てた牌で順子になる場合,チーと発声することで順子を作れる.チーを言ったら手の中の不要な牌を1枚捨て,手の中の牌2枚を表向きにして,左隣りの人が捨てた牌と合わせて3枚をさらす.牌をさらす場所は,手の左側,あるいは右側,あるいは手の背中側のうち使いやすい1個所を選び,一度選んだ場所は変えない.なお牌をさらすとき,誰からどの牌をもらったかは示さない.チーのあと,ツモ順はチーした人の右隣りに移る.チーした順子から牌を手に戻せない.チーした順子に牌を付け加えられない.チーした順子から牌を捨てられない.頼子入りのチーはできない.捨てられた頼子はチーできない.

ポン

手の中に中,發以外の同じ牌が2枚あり,他の3人の誰かがそれと同じ牌を捨てた場合,ポンと発声することで刻子を作れる.ポンを言ったら手の中の不要な牌を1枚捨て,手の中の牌2枚を表向きにして,捨てられた牌と合わせて3枚をさらす.なお牌をさらすとき,誰からどの牌をもらったかは示さない.ポンのあと,ツモ順はポンした人の右隣りに移る.ポンされた牌を捨てた人とポンした人の間の人のツモ順は飛ばされる.同じ捨て牌にチーとポンがあった場合,ポンが勝つ.ポンした刻子から牌を手に戻せない.ポンした刻子から牌を捨てられない.頼子入りのポンはできない.捨てられた頼子はポンできない.

カン

カン(槓)には4通りある.
(1)紅中槓(ホンチュンカン),發財槓(ファーツァイカン),頼子槓(ライツカン).自分の番に,手の中に中,發,頼子があれば(山から引いた牌でもそうでなくてもよい),カンと発声し,この1枚を表向きにさらす.
(2)暗槓(アンカン).自分の番に,手の中に中,發以外の同じ牌が4枚あるとき(うち1枚は山から引いた牌でもそうでなくてもよい),カンと発声し,この4枚を伏せてさらす.この4枚は手が終わったとき表にする.
(3)明槓(ミンカン)その1.手の中に中,發以外の同じ牌が3枚あり,他の3人の誰かがそれと同じ牌を捨てた場合,カンと発声し,手の中の牌3枚を表向きにし,捨てられた牌と合わせて4枚をさらす.なお牌をさらすとき,誰からどの牌をもらったかは示さない.
(4)明槓(ミンカン)その2.自分の番にポンでさらした牌と同じ牌が手にあるとき(普通は山から引いた牌だがそうでなくてもよい),カンと発声し,その牌をポンに加えてさらす.
(1)から(4)のどの場合も,カンをさらしたら,山の末尾から牌を1枚引いて手の枚数を戻してから,不要牌を1枚捨てる.カンのあと,ツモ順はカンした人の右隣りに移る.(3)のときカンされた牌を捨てた人とカンした人の間の人のツモ順は飛ばされる.同じ捨て牌にチーと(3)のカンがあった場合,カンが勝つ.カンから牌を手に戻せない.カンから牌を捨てられない.頼子入りの4枚カンはできない.捨てられた頼子はカンできない.

上がり

手の牌とチー・ポンした牌に,
  • ツモ順かカンの補充で山から引いた牌(ツモ上がりという)
  • 他人が捨てた牌(振り込みまたは放銃という)
  • ポンにカンで足そうとした牌(チャンカンという)
のどれかを加えると上がれる場合,上がりを意味する発声とともに,手の牌を倒して公開することで上がれる.ツモのときツモ牌は手に入れないで,手のそばに表向きにして置く.振り込み上がりは,チー・ポン・カンに勝つ.手の勝者は1人だけで,振り込みかチャンカンで同じ牌に対して2人以上が上がりを宣言した場合,上がり牌を捨てた人かカンを試みた人から一番ツモ順が近い人の上がりとなる.上がったら,支払いを行い,次の手を始める.なお,フリテンやそれに類する制限はないので,上がり牌を捨てていても見逃しても,ツモ順が来るか飛ばされるのを待たずに,振り込みでもチャンカンでも上がれる.
上がるには,次の条件をすべて満たさなければならない.
  • 中と發がない.中と發は,すべてカンするか捨てる
  • 1つ以上開口(チー,ポンまたは明槓)する.たとえツモ上がりでも,4メンツと頭が不要な風一色,将一色でも,開口なしに上がろうとしたら反則である
  • 風一色か将一色でなければ,手の牌,カン以外のさらした牌ともう1枚(待ちという)で頭(あたま)と4メンツを作る
  • 一部の役を除き頭は,2か5か8でなければならない.頭にこの制約がある場合,頼子2枚の頭は,頼子の額面が2か5か8でないと認められない.2か5か8と頼子の組は正当な頭である
  • 役がない場合,頼子が1枚か0枚.頼子を額面通りに使ってもこの制限からは逃れられない.頼子が2枚以上あり役がないなら,余分な頼子をカンするか捨てなけば上がれない
  • 誰からもらう点数も16点以上ある.これを16点しばりとも4番(ファン)しばりともいう.この4番は16点の同義語で,役があるときにも4番を要求するわけではない.

また頼子を使った上がり方には,次のような制限がある.
  • 刻子4つが完成していて残りが頼子1枚で頭を待つ場合のように任意の牌で上がれる手は,ツモ(カンの補充牌を含む)でしか上がれない
  • 捨てられた頼子では振り込み上がりできない.頼子入りのメンツを頼子でない捨て牌で完成させて上がることはできる

海底撈と流局

山は頼子皮と(頼子皮を含めないで数えて)10枚を使わずに残す.山の残りが14枚になったら海底撈(ハイティラオ)といい,全員が順番に1枚ずつ山から牌を引き,それで上がれなかったら牌を捨てない.最後の順番の人だけでなく,4人全員が海底撈になったら牌を捨てない.また海底撈になったらカンはできない.4人とも海底撈で上がれなかったら流局(荒荘,ファンチャン)である.流局では,点数の受け渡しはなく,親を変えずに次の手を始める.

上がりの支払い

包(パオ,責任払い)が成立しない限り,上がらなかった3人が,それぞれ,上がった人に支払う.払う額は,上がった人と自分の番数(ファンすう)を足した回数だけ役の点数を2倍した結果を10(1分という)または20(5厘という)で割って1の位へ四捨六入した結果である.例えば小胡の7番だと1分なら128÷10=12.8で13,5厘なら128÷20=6.4で6を払う.なお,ファンは日本では飜の字を当てるが,中国語では,旧字体を使う香港でも番と書く.
役の点数は
  • 小胡(シャオホー):1.役のない上がり
  • 大胡(ターホー):役1つにつき10
  • なお胡の字は正しくは和だが,和は普通にはホー(hu)と読めないので,胡や糊の字を当てることが圧倒的に多い.
役は,次の通り.
  • 風一色(フォンイーソー):カンを除くすべての牌が字牌.頭も4メンツも不要だが開口は必要.額面が字牌でない頼子があってよい.
  • 将一色(チャンイーソー):カンを除くすべての牌が2か5か8.頭も4メンツも不要だが開口は必要.額面が2,5,8でない頼子があってよい.
  • 清一色(チンイーソー):カンを除くすべての牌が1種類の数牌.頭は258でなくてよい.額面の種類が異なる頼子があってよい.
  • 碰碰胡(ポンポンホー):対対胡(トイトイホー)の俗称.4つのメンツがすべて刻子.頭は258でなくてよい.
  • 槓上開(カンシャンカイ):カンで山の末尾から引いた牌で,4メンツと258の頭の形で上がる.このとき対対胡などの役があれば,4メンツと258の頭でなくても上がれるが,槓上開の役は成立しない.
  • 海底撈(ハイティラオ):海底撈の牌で4メンツと258の頭の形で上がる.このとき対対胡などの役があれば,4メンツと258の頭でなくても上がれるが,海底撈の役は成立しない.
  • 搶槓(チャンカン):ポンに付け加えてカンしようとした牌で4メンツと258の頭の形で上がる.このとき対対胡などの役があれば,4メンツと258の頭でなくても上がれるが,搶槓の役は成立しない.
  • 全求人(チェンチウレン):4つのメンツをチーかポンし,258の頭の振り込みで上がる.このとき対対胡などの役があれば,258の頭でなくても上がれるが,全求人の役は成立しない.
番数は,払う人と上がった人の該当するものをすべて加える
(1)全員につく番
  • 開口:1番.ポン,チーしていたら,ポン・チーの数を問わず1番
  • 紅中槓,發財槓:1枚につき1番.捨てた中發にもカンと同様に番がつく
  • 明槓:1つにつき1番.搶槓されたカンは未成立なのでこの番はつかない
  • 頼子槓:1枚につき2番.捨てた頼子にもカンと同様に番がつく
  • 暗槓:1つにつき2番
  • 荘家(おや):親なら小胡では1番,大胡では0番
(2)上がられた人だけにつく番
  • 放冲(ふりこみ):振り込み上がりの上がり牌を捨てた人は,小胡では1番,大胡では半番(1.5倍)
(3)上がった人だけにつく番
  • 自摸(ツモ):ツモ上がりで上がった場合,小胡では1番,槓上開と海底撈では0番,他の大胡では半番(1.5倍)
  • 硬胡(インホー):1番.カン以外の頼子が1枚もないか額面通りに使った手.黑的(ヘイダ)ともいう
例1
A: 親,開口,發財槓1回
B: 放銃,開口
C: 開口,紅中槓1回,頼子槓1回
D: 上がり,小胡,硬胡,開口
とすると,
AからD
  1(小胡)x2(Dの硬胡)x2(Dの開口)x2(Aの親)x2(Aの開口)x2(Aの發財槓)=32
BからD
  1(小胡)x2(Dの硬胡)x2(Dの開口)x2(Bの放銃)x2(Bの開口)=16
CからD
  1(小胡)x2(Dの硬胡)x2(Dの開口)x2(Cの開口)x2(Cの紅中槓1つ)x4(Cの頼子槓1つ)=64

例2
A: 開口
B: 親,開口
C: 開口,發財槓1回,碰碰胡,槓上開,自摸
D: 開口,紅中槓2回
AからC
[10(碰碰胡)x1.5(自摸)+10(槓上開)x1(自摸)]x2(Cの開口)x2(Cの發財槓)x2(Aの開口)=200
BからC
[10(碰碰胡)x1.5(自摸)+10(槓上開)x1(自摸)]x2(Cの開口)x2(Cの發財槓)x1(大胡なので親の倍なし)x2(Bの開口)=200
DからC
[10(碰碰胡)x1.5(自摸)+10(槓上開)x1(自摸)]x2(Cの開口)x2(Cの發財槓)x2(Dの開口)x4(Dの紅中槓)=800→封頂400

封頂(フォンティン)

点数の上限を封頂という.封頂以上の点はすべて封頂になる.比較的よく使う封頂は400点である.封頂の点数は常に変わらないが,上がらなかった3人の点数や開口状態によって払う点は次のように変わる.
  • 金頂(チンティン):3人全員が封頂の場合.400点でなく500点を払う.風一色は無条件で金頂にする人がいる
  • 陽光頂(ヤンカンティン)または光明頂(カンミンティン):金頂のとき開口していない人.500点でなく600点を払う
  • 三陽開泰(サンヤンカイタイ):3人全員が陽光頂の場合.600点でなく800点(封頂の倍)を払う

包

次の人は,3人分の支払いを1人で肩代わりする.
  • 3開口以上ある清一色の3つ目の開口をポン・チーされた人
  • 搶槓された人
  • 聴牌(テンパイ)してないで全求人に振り込んだ人.聴牌は,振り込みかツモで上がれる手のこと.上がりの条件を満たさない手は聴牌でない.チャンカンか槓上開でないと上がれない手は聴牌でない.全求人が成立しなければ包にならないので,258の振込みに限られる

反則

大相公(ターシャンコン),小相公(シャオシャンコン).手の牌が多すぎ(大相公),少なすぎ(小相公)の人は,その手の間ゲームに参加し続けるが,上がれない.
自分のツモ順でないのにツモるか間違った場所の牌をツモった人は,その手の間ゲームに参加し続けるが,上がれない.
間違った上がり(チョンボ)は,上がろうとした手の点を逆方向に払う.

バリエーション

  • 七皮四頼(チーピースーライ):頼子皮とその1つ前の牌を中發のように扱い,中發は他の字牌と同様に扱う.例えば,頼子皮が5策なら45策,東なら白と東がカン専用牌になる.本文のルールよりカン専用牌が1枚少なくなるが,それほど大きな違いは感じられない.むしろ,使いづらい牌が頼子皮により変わることに慣れが必要である
  • 紅中頼子槓(ホンチュンライツカン):紅中發財頼子槓のもとのルール.中だけが槓牌で,發は他の字牌と同様に扱う.8点(3番)しばり,封頂300,金頂400,陽光頂500,三陽600
  • 口口番(コウコウファン):開口1つにつき1番を与える.それに対し,本文のように,開口したら,開口数を問わずに1番にするのは開口番(カイコウファン)という.32点(5番)しばり,封頂600,金頂800,陽光頂1000,三陽1200

2018年11月7日水曜日

厦門と泉州の麻雀

牌の並べ方と配牌のしかたが独特です.点数が倍々計算でなく掛け算なのも特徴的です.非常にシンプルなのに,符点相当の点があることで,上がり方が特定の有利なパターンに偏らないなど,バランスのとれたゲームだと思います.花牌は好みが分かれるところだと思いますが,底を変えることで,花牌の点数への影響を変えることもできます.

(2018.11.7)バリエーションと反則の節を追加しました.
(2018.9.20)泉州の点数計算の情報をほぼ完全な内容に差し替えました.金牌表示の決め方の別法を追記しました.底を引き上げるオプションの例示を増やしました.
(2018.9.19)死んだリンクを差し替えました.また,配牌と補花の手順を詳細化しました.
(2015.12.17)次の3点を修正しました.
  • 金牌表示に花牌が出たときは元に戻して振り直す
  • 白は金牌表示の額面の代わりになれるのではなく,常に代わりになる.字牌の捨て牌のルールから白への言及を外す
  • 游金の周に他の3人に振込み上がりを認める人もいる

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹を足した144枚.サイコロ2つ.日本の麻雀牌を使うなら,赤5筒などの赤牌4枚を梅蘭菊竹の代わりにする.

親

最初の親は,仮親がサイコロ2つを振って決めます.後は,親が上がるか流局したら連荘,子が上がったら親の下家(右隣)が親です.

配牌

4人で8枚2段の山4つからなる内側の山と,20枚1段の山4つからなる外側の山を組み上げます.各人が,テーブルの自分の縁に沿ってうつ伏せの牌横8枚の列を4列作ります.ついで,両手に2枚ずつの牌をうつ伏せにして持ち,縁から2列めの両脇につけます.この12枚になった列を中央よりの2列とともに押出したら,前から2列めの8枚を最前列の8枚の上にのせます.最後に,縁に残った8枚を左右両手で4枚ずつハの字型になるように持ち,12枚の列の両端に付けます.曲げた両端と中の12枚に役割の違いはありません.横20枚の山をテーブルに収めるように両端を曲げていると考えてください.
見たことがないものを言葉で説明してもわかりづらいので,下手な図を書いてみました.

配牌は,内側の山を使います.親がサイコロ2つを振り,親ではなく出目の位置の人が,上下2枚の牌をひと組として,4つの山それぞれの右端から数えて最初の1〜2組目4枚,その下家が3〜4組目,対面が5〜6組目,上家が最後の2組を取り,各人が16枚の牌を手にします.次いで1〜2組目を取った人がサイコロ2つを振り,出目の位置の人がハの字の右端を1として時計周りに数えた位置で牌の山を分けます.このとき切れ目は作りづらいので,末尾の牌をもう1つ手前の牌の上に載せます.切れ目から時計周りにツモ牌を取り,反時計回りにカンと花牌の補充牌を取ります.親は,最初のツモ牌を手牌に加えて手牌を17枚にします.
参考に配牌と進行中のゲームの写真があるリンクをいくつかあげます.

補花

全員が手牌の花牌をすべてさらしたら,親から順に,さらしたのと同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充した牌に花牌があるときは,すぐにさらし,他の全員の番を待ってから,補充します.これを,全員の手から花牌がなくなるまで続けます.

開金

補花が終わったら,山の切れ目の席の人がサイコロ2つを振り,牌の山の末尾を1として出目だけ数えた位置の牌を表向きにします.この牌が金牌表示です.金牌表示は,ゲームに使いません.カンと花牌の補充では,金牌表示を飛ばします.金牌表示と同じ牌3枚が金牌です.金牌は,花牌以外の何の代わりにもなる万能牌です.また白は金牌の額面の牌になります.例えば,金牌表示が2萬なら,他の3枚の2萬が金牌,白は2萬になります.金牌表示に花牌が出たら,裏返しに戻し,山を分けた人は,もう一度サイコロを振ります.
補花が終わったときの山の末尾を親がめくって金牌表示を決める人もいます.このとき花牌が出たら親のものとしてさらし,次の牌をめくります.

進行

字牌が捨てられたとき,同じ牌が対子や暗刻になっていない人は,できる限りすぐにその牌を捨てなければなりません(跟打).そのような牌が複数手にあるときは,捨て牌をその中から選びます.捨て損ねた牌が残っているときは,先に捨てます.
捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかないとわからないように,中央に乱雑に置きます.
山から花牌を引いたら,さらして山の末尾から補充します.
上家からチー,他の3人からポン・カンできます.生牌に関連した包や同じ人から3回チー・ポンした場合の包はないので,誰からどの牌をもらったかは示しません.
金牌が捨てられたら,あとで説明する双游,三游であるかないかに関わらず,4人全員とも,金牌を捨てた人の順番が来るまで,チー・ポン(明槓も)・振り込み上がりができません.
捨てられた金牌は,チー・ポン・カンできません.捨てられた金牌では上がれません.
金牌入りのチー・ポン・カンはできません.上がるときは,金牌入りの面子(頭は不可)を捨て牌で完成できます.
山の残りが金牌表示を含めて16枚になって誰も上がらなければ,臭荘(流局)です.

上がり

チー・ポン・カンも含めた手牌と山から引いた牌か捨て牌で2枚の同じ牌(頭,現地では雀)と5組の面子ができれば上がりです.
2人以上同時の上がりは認めません.上がり牌を捨てた人から一番順番が近い人の上がりです(頭ハネ).
振り聴はありません.

点数

どんな上がり方でも,上がった人以外の3人が,それぞれ上がった人に点を払います.点数は(底+水)×倍数です.
底は,親の上がりと子の上がりへの親の支払いには親の底2,子の上がりへの子の支払いには子の底1を使います.親の底は,流局を含む連荘のたびに2倍し,親が変わったら2に戻します.子の底は変わりません.
水は,符点のようなものです.数牌は19牌も含みます.
    数牌  字牌 
明刻0水1水
暗刻1水2水
明槓2水3水
暗槓3水4水

  • 花牌,金牌1枚1水
  • 春夏秋冬1組花牌4枚4水の代わりに8水
  • 梅蘭菊竹1組花牌4枚4水の代わりに8水
  • 花牌8枚16水.春夏秋冬の8水と梅蘭菊竹の8水で16水で,ボーナスはつかない.

倍数は上がり方で決まります.
  • 平胡(×1).捨て牌で上がる.
  • 自摸(×2).山から引いた牌か,カン・花牌の補充で上がる.搶槓も点数は自摸扱い.
  • 游金(×4).金牌の単騎待ち自摸上がり.この形は何でも上がれるが,振り込みでは上がれない.
  • 双游(×8).金牌を捨てて,次のツモ順に游金で上がる.次のツモ順にカンできるときはカンしてから游金で上がってよい.捨てた金牌には水はつかない.
  • 三游(×12).双游で金牌をツモるか,金牌で代用させていた牌をツモることで浮いた金牌を捨てて,次のツモ順に游金で上がる.捨てた金牌には水はつかない.
  • 三金倒(×3).配牌(補花を含む)が済んだ後,または流局直前に手牌に3枚金牌があれば,他の牌が上がれる形でなくても上がれる.配牌後の補花が済んだときの三金倒は,点数は游金扱い(×4).
  • 搶金(×4).開金のとき,親は1枚不要牌を捨てた手,子は手牌そのままに金牌表示を加えれば上がれる場合.この金牌表示は万能牌で金牌の水も付く.
  • 天胡(×4).親の補花完了,開金後の手牌が上がりだった場合.三金倒では天胡にならない.三金倒,搶金に勝つ.

泉州では,厦門と点数計算が少し異なります.
  • 親の連荘時の底は,連荘ごとに1増やす.1でなく「1×上がり方の倍」増やす人もいる.
  • 加槓の水は明槓でなく暗刻と同じ.また,明刻の水を暗刻と同じにする人がいる.
  • 花牌を4枚(8枚)揃えたときの水のボーナスはなく,それぞれ4水,8水となる.
  • 上がり方の倍は,平胡1倍,自摸2倍,游金3倍,双游6倍,三游9倍,三金倒3倍.搶金,天胡はない.また,花牌を8枚集めたら,手牌の形に関係なく直ちに3倍の上がり.

反則

  • 大相公(多牌),小相公(少牌)は上がり放棄です.
  • ツモ,チー,ポン,カンを間違えたら上がり放棄です.
  • チョンボ(間違った上がり)は,3人それぞれから正しい上がりならもらえた点を逆向きに払い,その手を終わらせます.このとき親は交代しませんが,連荘数は増えません.双游,三游中にチョンボした場合,チョンボした人は,チョンボの支払いのほかに,双游,三游した人がもらえたはずの点を1人で払います.

バリエーション

  • 手に金牌があるときは,振り込みあがりできないとする人が多いです.
  • 金牌を捨てた周に,それ以外の3人に振込み上がりを認める人も多いです.
  • 上がりやポンを見逃したとき,順番が来るか飛ばされるまで,同じ牌での上がりやポンはできないとする人がいます.
  • 底全体を5倍(親10,子5),8倍(親16,子8)など,一定倍する人がいます.こうすると,点数が水の影響を受けにくくなります.
  • 金牌が手に3枚ある人は,三金倒あるいは游金・双游・三游でなければ上がれないとする人がいます.
  • 双游,三游以外で金牌を捨てたら,上がり放棄とする人がいます.

2018年10月6日土曜日

武漢の「紅中頼子槓」麻雀

ルール名は,ホンチュン・ライツカンと読みます.得点計算がユニークで,「頼子(ライツ)」というワイルドカードがある麻雀です.高い手を目指す人は高いリスクを負う公平なインフレシステムが魅力です.ワイルドカードは一般的には「混(ホン)」,北京では「混兒(ホワール)」と呼ばれ,ワイルドカードを使うルールは,北京や浙江・福建・江西省各地などにも分布しています.なお,頼子は癩子と表記する方が多いかもしれませんが,画数も多く,字義も良くないのであえてこうします.

主な参考資料は,「武漢麻將紅中頼子槓超詳細入門教程」です.この資料は,「紅中頼子槓」のインフレ版「紅中發財頼子槓」を解説しているので,上限の点数,大役複合時の点数は他の資料も参考にしました.

道具

麻雀牌136枚.萬子,索子,筒子と東南西北白發中.花牌は使いません.
サイコロ2つ.

席決め

伝統的な方法と,電動卓向けの新しい方法があります.
伝統的な方法は,東南西北1枚ずつ4枚を伏せてよく混ぜ,1人1枚ずつ好きな牌を取ります.東を引いた人がサイコロ2つを振って出た目の合計の席が東の席です.反時計回りに東南西北の順になるように席を変えます.
新しい方法は,自分の目の前の山から牌を1枚とり,数字の大きい順に東南西北にします.字牌は数牌より下で,上から順に東南西北中發白です.数が同じ場合,種類を比べます.上から筒,索,萬の順です.同じ牌を引いた人は,もう1枚自分の山から牌を引いて,同じように比べ,同点だった人の間の順位を決めます.東がサイコロを振る以降は伝統的な方法と同じです.

配牌

サイコロは2つで,牌を取り始める山は2つの目の合計で決めますが,山を分ける位置は,合計でなく小さな方の目だけを使います.例えば,2-5なら,合計の7にあたる親の対面が,小さい方の目が2なので右から2列目と3列目の間に切れ目を作り,親は3列目と4列目を取ります.親がチョンチョンして残った下段の牌を表向きにし,牌の山の上にのせます.山の末尾近くに置くことが多いですが,カン補充牌を多く使うルールなので,特にどこに置くという決まりはなく,全員に頼子が何か分かればよいです.この牌が「頼子」表示牌です.この牌が数牌なら,同じ種類で数が1つ大きい牌,9のときは1,字牌なら,東南西北中發白の順で次の牌,白のときは戻って東が頼子です.風と三元牌を分けないことと,三元牌の順番が日本語と逆なことに気をつけてください.なお中は決して頼子になれないので,表示牌が北のときは,發が頼子です.(決め方が似ている頼子があるので書いていませんでしたが念のため.ドラはありません)

進行

最初の親は,席ぎめで東になった人です.流局か親が上がると連荘です.子が上がると,親の下家(右隣)が次の親です.流局するのは,牌の山を使い切って誰も上がらなかったときだけです.
1回のゲームは,親4周(一荘戦)です.続けるときは,席決めからやり直します.
参考までに,“一分(点0.1元)”のレートで“紅中發財頼子槓”の開口飜の一荘戦を行うと,普通の勝敗は200〜300元,荒れると1000元近くになります.一荘戦を3回すると,普通は500元前後,荒れると800元から1200元,おとなしいと200元前後です.
捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかないと分からないように,机の中央に乱雑に置きます.
チー・ポン・カンした牌と,1枚でカンするか捨てた中・頼子は,左手側の隅から1列または何列かに分けて並べます.自分に面した縁に沿って並べる人もいます.
チー・ポン・カンで,誰からどの牌をもらったかは示しません.
カンを何回しても,流局になりません.

暗槓は4枚を伏せてさらし,手が終わったときに公開します.
中は,ポンも4枚揃えてのカンもできません.中が手にあるか山から引いたら,1枚でカンのようにさらし,山の末尾から補充牌を引けます.また,中を捨てても構いません.カンしても,捨てても,紅中槓となります.
頼子は,中を除くどんな牌の代わりにもなります.頼子を含むメンツは,チー・ポン・カンできません.上がるときは頼子入りのメンツや頭を捨て牌で完成できますが,捨てられた頼子では上がれません.また頼子は,中と同じように1枚でカンできます.頼子を捨てても構いません.カンしても捨てても頼子槓となります.
牌の山が残り14枚(7列)になったら,1人1回1枚ずつ,順に山からツモるだけで,牌を捨てません.このときカンはできません.牌の山が残り10枚になっても誰も上がらなければ,流局です.これ以外の流局はありません.
武漢での10000人麻雀大会の写真も参考にしてください.中だけでなく發もカンしている人がいるので,“紅中發財頼子槓”であることがわかります.また,牌をさらす場所が人によって違うこと,頼子表示牌を山の中の牌を表に返して決めている卓が1つあるなど,作法の細かい違いにも気づけると思います.

上がり

上がるには,次の条件を満たす必要があります.
  • 手に中がなく,あった中はすべてカンするか捨ててある.
  • 少なくとも1つ“開口(カイコウ)”している.“開口”は,食い,泣きのことで,チー・ポンまたは明槓のどれでもよい.暗槓,紅中,頼子のカンは開口に数えない.
  • 風一色でも将一色でもない場合,4つのメンツと1つの頭がある.
  • 対対胡,風一色,将一色,清一色のどれでもない場合,頭が2か5か8.頼子2枚の頭は,額面が2,5,8でなければ認められない.頼子1枚の単騎で,任意の2,5,8を待つのは,認められる.
  • 小胡の場合,手にある頼子が1枚か0枚.このとき額面どおりで使っている頼子は数え,カンしている頼子は数えない.小胡を聴牌した手に頼子が1枚あって,頼子をツモったら,上がれる手を維持するためには,どちらか1枚を捨てるかカンしなければならない.
  • 上がる人と他の3人それぞれの間の点数が,あらかじめ決めた下限,例えば8点や16点以上なければ上がりを認めないことが多い.8点,16点でなく3飜,4飜ということもあり,この場合,大胡なら,これらの飜数がなくても上がれる (4飜は16点の同義語なので,大胡なら10点と開口で少なくとも20点はある).後述する紅中發財頼子槓や口口番では,さらに高い32点 (5飜) 縛りがあり,この場合,大胡でも点数に気を付ける必要があるが,実際は損失を抑えるために,どれだけ開口と槓牌を増やさないか気にしなければならないことの方が多い.

対対胡での頼子の単騎待ちのように,どんな牌でも上がれる待ちは,自摸か搶槓(チャンカン)でしか上がれません.
上がり牌を見逃した場合,自分のツモ順を待たないでも上がれます.なお,日本以外のほとんどのルールと同じく,上がり牌を自分で捨てていても振り込みで上がれます(振り聴なし)
同じ捨て牌で2人以上が同時に上がることを認めません.この場合,捨て牌を捨てた人から順番が一番近い人の上がりとなります(頭ハネ).

点数計算

包でなければ,上がった人以外の3人が,それぞれ上がった人に点を払います.支払う点数は,基礎点(起翻)を自分の飜数と上がった人の飜数を合わせた回数だけ2倍した点です.スコアカード,ポーカーチップや点棒の類は使わず1手ごとに精算するので,一分(点0.1)なら10分の1,五厘なら20分の1し,小数点以下を四捨六入した額を現金や現金に見立てたトランプのカードで受け渡しします.
1人あたりの支払い点数には上限(封頂,フォンティン)があり,点数計算の結果が上限以上なら,上限の点を払います.
普通の上限は,
  • 封頂 300点
  • 3人全員が封頂の場合は金頂(チンティン)といい,400点負けにします.
  • 金頂のとき開口していない人は陽光頂(ヤンクワンティン),光明頂(クワンミンティン)などといい,500点負けにします.
  • 3人全員が陽光頂のときは三陽(サンヤン)といい,600点負けにします.

基礎点

  • 小胡(シャオホー):1点
  • 大胡(ターホー):上がった手で該当するもの1つにつき10点

小胡(シャオホー)

  • 平胡または屁胡(ピーホー).大胡でない手.

大胡(ターホー)

  • 碰碰胡: 対対胡(和)です.頭に2,5,8以外の牌も使えます.
  • 風一色(フォンイーソー):風か發か白だけの手.このとき,中と頼子のカンは手に含めないで判定します.14枚がこの条件を満たし1開口あれば,4面子も1雀頭も不要で,風發白の何でも上がれます.他の一色役でもそうですが,化けた頼子を混ぜて構いません.
  • 将一色(チャンイーソー):2,5,8だけの手.このとき,中と頼子のカンは手に含めないで判定します.14枚がこの条件を満たし1開口あれば,4面子も1雀頭も不要で,258の何でも上がれます.
  • 清一色(チンイーソー):数牌1種類だけの手です.このとき,中と頼子のカンは手に含めないで判定します.頭に2,5,8以外の牌も使えます.
  • 海底撈: 山の最後の10枚を除いた最後の4枚の牌どれかでのツモ上がり.繰り返しになりますが,山の最後の4枚は,ツモるだけで,捨てません.また,この牌ではカンできません.このとき碰碰胡などが成立すれば頭が何でも上がれますが,頭が2,5,8でなければ海底撈の役は成立しません.海底撈はツモを含む役なので,ツモの半飜は数えません.
  • 槓上開: カンの補充牌でのツモ上がり.頼子と紅中のカンでの補充を含みます.このとき碰碰胡などが成立すれば頭が何でも上がれますが,頭が2,5,8でなければ,槓上開の役は成立しません.槓上開はツモを含む役なので,ツモの半飜は数えません.
  • 搶槓(チャンカン):ポンに牌を付け加えるカンが上がり牌のとき,その牌であがること.このとき碰碰胡などが成立すれば頭が何でも上がれますが,頭が2,5,8でなければ,搶槓の役は成立しません.
  • 全求人(チェンチウレン):4つ開口しての,裸単騎の振り込み上がり.4開口なので,暗槓すると作れません.このとき碰碰胡などが成立すれば頭が何でも上がれますが,頭が2,5,8でなければ,全求人の役は成立しません.

飜数

基礎点に次のうち上がった人と支払う人の該当する項目をすべて掛け合わせます.
上がりにも支払いにも適用される倍は,自分が上がったときにもらう点を増やすだけでなく,上がられたときの支払も増やします.

(1)上がった人払う人双方の分を数える

  • 開口(カイコウ):1飜(x2) .チー,ポン,明槓.開口が1つ以上あれば1飜.
  • 暗槓,頼子槓:1つにつき2飜(x4).頼子はカンしても捨てても頼子槓になる.
  • 明槓,紅中槓:1つにつき1飜(x2).中はカンしても捨てても紅中槓になる.チャンカンされた槓は成立していないので数えない.
  • 荘家: 小胡なら1飜(x2),大胡なら0飜(x1)

(2)上がった人の分だけを数える

  • 硬胡(インホー): 1飜(x2).頼子が1枚もないか,あってもカンしたか,額面通りに使った手.
  • ツモ: 小胡なら1飜(x2),大胡なら半飜(x1.5).槓上開・海底撈は,ツモを含んだ役なので,この飜はつかない.

(3)払う人の分だけを数える

  • 放銃者:小胡なら1飜(x2),大胡なら半飜(x1.5)

例

A: 親,開口
B: 放銃,開口
C: 開口,紅中槓1回,頼子槓1回
D: 上がり,小胡,硬胡,開口
とすると,
AからDへ
  1(基本点)x2(Dの硬胡)x2(Dの開口)x2(Aの親)x2(Aの開口)=16
BからDへ
  1(基本点)x2(Dの硬胡)x2(Dの開口)x2(Bの放銃)x2(Bの開口)=16
CからDへ
  1(基本点)x2(Dの硬胡)x2(Dの開口)x2(Cの開口)x2(Cの紅中槓1つ)x4(Cの頼子槓1つ)=64
で,Dは16+16+64=96点を得ます.

包

包の人は,全員分の点数を1人で肩代わりします.
  • 聴牌していないで,全求人を放銃したら包です.上がりの条件を満たしていない手は聴牌とみなしません.チャンカンか槓上開でないと上がれない手は聴牌ではありません.全求人が成立しなければ包にならないので,将(258)の振込みに限定されます.
  • 3開口以上ある清一色の3つめの開口を泣かせた人は包です.
  • 搶槓された人は包です.

荆州?麻雀(紅中頼子槓の三麻)

三国志でおなじみの荊州のルールとして掲載されていた3人向けバージョンです.荊州は紅中頼子槓の流行地域から少し外れているので,本当に現地で知名度のあるルールなのかわかりませんが,よくできていると思うので,ここに紹介します.4人ルールとの違いだけ書きます.
  • 数牌1種類の1〜9(例えば萬子すべて)と東を除いた96枚を使い,16枚2段の山を作る
  • 後述の發を槓牌にするオプションや口口飜は使わない
  • 8点縛りだが,敗者全員でなく少なくとも1人が縛りを満たせば上がれる
  • 大胡の海底撈はない.したがって最後のツモに関する特別なルールはなく(カンできる,不要牌を捨てる),残り10枚で流局
  • 大胡でも自摸,放銃は1飜
  • 三麻なので手が高くなりやすいが,封頂は変えずに封頂300,金頂400.
  • 風一色と将一色は無条件で金頂

バリエーション

槓牌を増やす.次のように,カンすれば2倍になる牌の枚数を増やす人がいます.
  • 紅中發財頼子槓といって,發も中と同じように扱うルールは広く遊ばれています.
  • 皮子(ピーツ,痞子とも書く)槓.中・發ではなく,頼子表示牌と1つ下の牌を“皮子”として,中のように扱う人もいます.中・發は皮子でない限り普通の牌です.
これらの場合,縛りは16点(4飜)以上が多く,封頂も上げます.
  • 封頂400点
  • 金頂500点
  • 陽光頂600点
  • 三陽700点または800点

口口飜(コウコウファン).開口(チー,ポン,明槓)1つにつき1飜(x2)を与えます.これに対し,開口がいくつでも1飜なのは“開口飜(カイコウファン)”といいます.“口口飜”では,更に封頂を上げ,封頂600,金頂800,陽光頂1000,三陽1200が多いです.

大胡の基礎点
大胡が複合したときの基礎点を,2つなら20,3つなら40とする人もいます.
風一色,将一色,清一色の基礎点を15点にする人(地域?)がいます.奇数で半飜計算はしづらいので,自摸と放銃はプラス5点の20点から倍々計算します.

包.将一色,風一色に清一色と同様の包を認める人もいます.

更新履歴

(2015.8.25)サイコロの使い方が違うので書き加えました.「頼子」,「飜」の文字づかいを揃えました.上限を整理しました.
(2015.9.8)飜しばり,上限のバリエーション,一色役の包,痞子について書き加えました.
(2015.9.9)全求人の頭の制限について加筆し,全求人の包は258の振り込みでしか成り立ち得ないと書き直しました.点数計算の硬胡の定義で頼子を捨てると認められないと書いてあった誤りを修正しました.上がりのしばりは,飜でなく点数の下限設定に修正しました.小胡の頼子の枚数にはカンした頼子も含まれることを追記しました.食い,泣きを意味する言葉に“開門”と“開口”の両方を使っていたのを“開口”に統一しました.
(2015.12.22)対々胡の頼子単騎のように何でも上がれる待ちは自摸でしか上がれないことを書き加えました.席決めと初めの親の決め方を補足しました.大胡のうち手の形ではなく,上がり方である槓上開,搶槓,海底撈は全求人と同じように頭が258でないと認められないと修正しました.
(2016.3.11)頭が258でなければならない手で,頼子単騎で258を待てるのは全求人だけではないので,全求人だけにあったこの説明の重複を削りました.
(2016.3.14)何でも上がれる手はツモ以外にチャンカンでも上がれることを書き加えました.一色役と小胡の制限で,カンした中と頼子は除いて考えることを明記し,2枚以上頼子があるときは余分な頼子を捨てないと小胡で上がれないとしていたのを改めました.
(2016.3.19)一色役に頼子を混ぜて良いことを明記しました.痞子の表記を皮子に変えました.全求人の258に関するルール記述を他の役に合わせました.
(2016.3.23)主な参考資料に従い,頼子はカンしても捨てても2飜を基本形にするとともに,頼子槓の飜数のバリエーションについて書き加えました.槓上開ではツモの半飜は付かないと改めました.チャンカンされた槓は不成立であることを追記しました.
(2016.3.24)捨て牌は乱雑に置くこと,さらした牌と捨てた中・頼子は左側の隅に置くことを明記しました.
(2016.3.26)金頂の記述が上限の引き上げにも読めたので改めました.海底撈も槓上開と同じくツモを含む役なので,ツモの飜が付かないことを追記しました.
(2016.3.28)包の規則でチャンカンか槓上開の助けを借りないと上がれない手は聴牌とみなさないことを書き加えました.
(2016.3.31)封頂の違いや口口翻の記述をバリエーションに移動しました.
(2016.4.2)頼子表示牌の置き場所について書き忘れていたので,補足しました.
(2016.4.4)中と頼子の使い方に点数計算の記述が混ざっていたのを削除しました.
(2018.9.24)海底撈などの成立条件の説明を誤解の余地が少ないように書き直しました(頭が自由な手なら,258以外の頭だとこれらの役は成立しないが,上がることは可能).
(2018.9.29)荊州?(紅中頼子槓エリアではないので当地で遊ばれているのかどうか怪しいが,ルールそのものは良い三麻アレンジなので)の三麻ルールを追記しました.
(2018.10.1)各種の封頂(満貫)の記述をすべて基本ルールに移動しました.高い縛りだと大胡も縛りの対象になることを追記しました.
(2018.10.4)ドラがないことと,何回カンしても流局しないことを追記しました.
(2018.10.6)点数計算の概要が飜数をかけるとなっていたのを,飜数の回数2倍すると正確な表現に改めました.大胡の基礎点のバリエーションを追加しました(鄂州のもの)
(2018.12.10)皮子の記述を七皮四頼のルールに従って固定槓牌なしに修正しました.実際に牌で遊ぶことを前提にしたルール記述で頼子槓の飜数を2にしていないものがないので,頼子槓の飜数のバリエーションを削除しました.

2018年10月2日火曜日

卡五星 (湖北省北西部の麻雀)

湖北省大悟県で2007年ごろに随県のルールに手を加えて作られ2009年の春節時期に同省北西部に急速に広まった新しいルールです.中国の民間ルールは,書籍やゲーム機で覚えるのではなく,大富豪のように人づてに教わるゲームなので,このようなことが起こります.

必要なもの

人数:3人.4人のときは,前の手で上がった人が抜けている人と交代する
道具:136枚の麻雀牌から数牌1種(何でもよい)と東南西北を除いた84枚
サイコロ2つ

事前の取り決め

レート:最大の上がりが最小の8倍であることを念頭に決めます.そうは言っても,日本には小額紙幣がないので,雰囲気を出すためには,子供銀行券を用意するとよいと思います.
ゲームの長さ: 親のメリットは順番が早いことだけなので,あらかじめ決めた時間か手数が過ぎたらゲームを終わりにできます.

手の開始

各人14枚2段の山を作ります.
最初の親はサイコロで決めます.あとは前の手で上がった人が親です.2人同時に上がった手の次は,振り込んだ人が親です.流局は連荘します.
親がサイコロ2つを振り,2つの目の合計で,配牌を始める山と位置を決めます.手牌は13枚です(親は最初のツモを合わせた14枚を取ることを含め変わらない).ドラやワイルドカードのように山の牌を表向きにして決める特殊牌はありません.

手の進行

捨て牌は誰が何を捨てたか覚えておかないとわからないように,乱雑に捨てます.
チーはできません.
1手の中のカンの回数に制限はありません.
ポンして捨て牌する間には暗槓できません.
手に暗刻があるときは捨て牌で直ちに明槓しなければなりません.手の2枚でポンして後から残りの1枚でカンすることは認められません.

カンの支払い

カンしたら直ちに支払いを行います.これは,上がりや流局には関係なく受け取れるので,これらの場合に返す必要はありません.
  • 手にある暗刻でカンしたときは,牌を捨てた人からレート×2
  • ポン済みの牌にカンしたときは,他の2人からレート×1ずつ
  • 暗槓のときは,他の2人からレート×2ずつ
  • カン補充牌かカンの捨て牌でカンが連続した場合,2連続なら2倍,3連続なら4倍と,連続のたびにカンの点を2倍にします.

上がり

手牌に自摸,捨て牌,カン補充牌か搶槓を加えると4メンツと雀頭か,7つの対子が完成するなら上がれます.(念のため…チーはできませんが順子を捨て牌で完成させて上がれます)
何の倍もつかない手は,平胡(ピンフー)あるいは屁胡(ピーフー)と呼ばれ,自摸でしか上がれないとするのが普通です.
七対を除き,ポン・カンして作れなくなったり価値が下がる役はありません(亮倒もできます).
振り聴はありません.
上がり牌を見逃した場合,自分のツモ順が来るか飛ばされるまでは,見逃した手より高い手でなければ上がれません.

流局

牌の山を1枚残らず使い切って誰も上がらなければ,流局です.最後のツモでも,上がれなけば牌を捨てます.
カン補充牌がなくなった状態ではカンできません.

上がりの支払い

ツモ上がり(カン補充牌での上がりを含む)は,上がらなかった2人がそれぞれ,振り込み上がり(搶槓を含む)は振り込んだ人が,レートを上がり手にあるすべての役の飜数だけ2倍した額を上がった人に払います.なので,ツモ上がりだと振り込みの2倍の金額を得られます.
複数の採点が可能な場合,手が高くなる方を選びます.
多くの地区で,上限は3飜(8倍)でそれを超える場合はすべて3飜として扱います.双龍七対だけ特別扱いして16倍を支払うとする人もいます.

1飜(×2)

  • 碰碰胡.対々和
  • 明四帰一.ポンした牌と同じ牌での上がり.清一色以上の役があるときは,4枚目が上がり牌でなくてもよい
  • 卡五星(カーウーシン).5のカンチャンでの上がり
  • 槓上開花.カン補充牌での上がり.常にツモ扱い.カンの補充牌でのカンが連続した場合,カンの回数だけ飜が付く
  • 槓上炮.カンの捨て牌での上がり.カンの点と異なり,カンが何回連続した後でも,槓上開花の倍は複合しない
  • 搶槓
  • 亮倒(リャンタオ).聴牌した手を公開しての上がり.手すべてを公開するところと,待ちの部分だけを公開するところがある.公開後は,待ちを変えることもツモった牌と手牌を入れ替えることもできない.流局したら,手で最初に亮倒した人は,他の2人にレート×1ずつ払う.亮倒に振り込んだら,ツモ扱いで,振り込んだ人の責任払い
  • 海底撈.山の最後の牌でのツモ上がり.最後の捨て牌での振り込みには倍はない

2飜(×4)

  • 清一色
  • 七対
  • 小三元
  • 暗四帰一.暗刻や対子と順子中の1枚など手の中の3枚と同じ牌での上がり.清一色以上の役があるときは,4枚目が上がり牌でなくてもよい
  • 手把一(ショウパーイー).裸単騎

3飜(×8)

  • 大三元
  • 龍七対.同じ牌4枚で2組の対子を作った七対.暗四帰一と複合しない.杭州や北京の「豪華七対(豪七)」と同じ

4飜(×16)

  • 双龍七対.同じ牌4枚2組で4組の対子を作った七対子.暗四帰一と複合しない

2018年9月27日木曜日

杭州の麻雀

大会にも使われる杭州一帯の正式ルールです.“財神”と包がらみの細かい規定を除けば,ギャンブルゲームのように簡素です.第一印象はほとんど役がない淡々としたゲームに見えますが,ワイルドカードを使った役と,そのために手を組み替えることに慣れると,ツキに乗った親の破壊力に驚かされると思います.
主な情報源は浙江大学の杭州麻雀大会の規則と,辺鋒という杭州のゲーム会社によるルールです.
なお,浙江省は符点計算だけでなくサイド計算も残す,場風や平和1飜も認めない(これらは古い麻雀にはなかったらしい)など超保守的ルールの宝庫なのに,省都杭州のルールは,逆方向に突き抜けているのが興味深いです.

(2015.10.29)一般的な麻雀のルールを省略しないで通して記述するように書き直しました.
(2015.12.3)上がりのあと,全員が手を公開することと,点数の有限責任について書き加えました.
(2018.9.24)七対と他の役との複合関係を修正しました(財神なしで必ず2倍.爆頭系とは複合しない?)
(2018.9.25)財神表示の山の位置を訂正しました.七対と爆頭などの複合を認める記事や動画が多いので,七対の複合関係に関する制限を削除しました(なので財神ありの七対をツモったら財神とペアを組む牌を捨てて次の周に爆頭も付けて上がらないと損です)
(2018.9.27)画像資料を再確認し,財神表示の決め方を元に戻しました.
(2018.9.28)槓爆などを独立した役でなく槓開と他の役の組み合わせの略称と分かるようにしました.財神なしの七対の一般的な役名清七対を追記しました.
(2018.10.7)振り込み上がりの場合の包の規則を加筆しました.
(2018.10.8)主要なバリエーションを追加しました.
(2018.10.10)バリエーションを追加し,包のさまざまなオプションをバリエーションに移動しました.
(2018.10.14)対人戦とゲームサイトの規則を比較し,3組泣いたときの包はもともと自摸上がり用で,バリエーションとして振り込みにも適用する人がいると整理しました.
(2018.10.20)点数の動きがおとなしいと誤解されかねない前書きを書き換えました.

道具

麻雀牌136枚,サイコロ2つ.

取り決め

はじめにゲームの時間とレートを決めます.数時間遊ぶ場合,1時間程度を目安に,席ぎめし直します.また,各プレイヤーが持つ紙幣に見立てたトランプのカードやチップの枚数を決めます.よく使われるのは40点,50点,100点などです.この点数が負けの最大値です.手の点に満貫の規定がないので,この取り決めを絶対に忘れないでください.持ち点がゼロになった人は,何も払わなくてよく,上がれば,何のペナルティもなく点をもらえます.払えなかった点は,上がった人の損となり,他の人が肩代わりする必要も後で返す必要もありません.

席決め

これが正しいという方法はなく,人により少しずつ違います.4人が好きな席に座ります.東南西北を各1枚取り出し,伏せてよく混ぜます.サイコロを振った人を1として,反時計回りに,2つの目の合計だけ数えます.サイコロで人や位置を決める数え方は,他の場合も,これと同じです.サイコロの目の位置の人から順に,反時計回りに,混ぜた4つの牌を1つずつとります.4枚を横一列に並べ,両脇に偶数と奇数の牌を置いて,取り始める位置を決めることもあります.サイコロを使わずに4人が思い思いに取ることもあります.東を手にした人は,そのまま座り続けるか,適切な方法で東に決めた席に座ります.あとは,反時計回りに,東南西北の順になるように,座りなおします.

手の開始

全員で協力して,すべての牌を伏せてよく混ぜ,1人あたり,17枚2段の伏せられた牌の山を作ります.テーブルの上に布を置いて遊ぶことが多いので,手元で作った牌の山を押し出さないで,はじめから山を作る位置に下の段の牌を並べ,その上に上の段の牌を少しずつ載せてかまいません.

親

最初の親は,東の席の人がサイコロ2つを振って決めるか,全員でサイコロを振って,一番大きな目を出した人にします.あとは,前の手で上がった人が親です.前の手が流局だったときは,親を変えません.親を続けて務めること,普通の麻雀用語の連荘(レンチャン)を,杭州では“牢荘”(ラオツヮン)といいます.“老荘”と書くこともあります.他の人から変わったばかり,あるいはゲームの最初の親は“1牢”,2手続けての親は“2牢”,3手続けての親は“3牢”といいます.

配牌

親は,サイコロ2つを牌の山に囲まれた中で振ります.2つの目の合計の席の人は,自分の目の前の山を,右端を1として,右から左に,2つの目の合計まで数え,その列と次の列の間を少し空けます.牌の山は,他のゲームの進行とは逆に,この切れ目から時計回りに使います.切れ目の時計回り側が山の先頭,反時計回り側が末尾です.先頭から1枚ずつ牌を取るときは,上,下,次の列の上の順番で取ります.末尾から牌を取るときは,杭州では,他所と異なり,下,(下が先に取られて下になった)上,次の列の下の順番に取ります.親から順番に,反時計回りに,牌の山を,先頭から2列4枚ずつ取ります.これを3周行って,1人12枚を牌を手にしたら,親は,牌の山の先頭の上の段の1列目と3列目の2枚を取り,手の枚数を14枚にします.親の右隣の人は,1列目の下の段,親の向かいは2列目の上の段,親の左隣は,2列目の下の段を取ります.これで,子3人は,それぞれ13枚の牌を手にします.

財神

財神(ざいじん,ざいしん,ツァイシェン,杭州話だとゼーゼン)は,上がりの手の中に限り,何の牌にも化けられる万能牌です.配牌を終えたら,配牌で山を分けた人の右隣りの人の山の末尾を1として,先頭に向かって,配牌のとき親が出した2つの目の合計まで数え,その列の上段の牌を表に返します.この牌は,財神表示で,その下段にある牌ともどもゲームには使いません.財神表示と同じ牌3枚が財神になります.白は,白ではなく,財神表示と同じ牌として扱います.例えば,財神表示が3索なら,残りの3枚の3索が財神で,白は3索になります.

手の進行

全員が牌を取り終えたら,横一列に並べた牌を,自分だけが見えるように起こします.
誰かが上がるか流局するまで,親から始めて,反時計回りに,順番に,上がりを目指して,以下を繰り返します.
牌を1枚余分に手にしている親の最初の番を除いて,牌の山の先頭から牌を1枚手に入れます.上がっていなければ,あるいは,上がりたくなければ,手の牌から,不要な牌を1枚捨てます.捨て牌は,自分の前,牌の山の内側に,捨てた順に並べて置きます.参考までに,中国各地には,香港映画で見かけるように,中央に乱雑に置くルールが多く,杭州のようにきれいに並べるのは,少数派だと思います.

上がり型

上がるには,手の牌とさらした牌に山から引いた牌か捨て牌1枚を合わせて,対子1つ(頭という)と4つの面子,あるいは7組の対子を作ります.
対子は同じ牌2枚です.面子は,順子か刻子か槓子です.順子は,3萬4萬5萬のように,同じ種類で数が続いた牌3枚です.1と9はつながらないので,8索9索1索は順子になりません.刻子は,7筒7筒7筒,中中中のような同じ牌3枚です.槓子はカンしてさらした同じ牌4枚です.同じ牌が4枚あっても,カンしなければ槓子になりません.

チー・ポン・カン

チー.手の中の牌2枚と,上家(左隣の人)が捨てた牌が順子になるとき,“チー”(杭州話では“チョッ”)と発声すると,山から牌を引く代わりに,捨て牌と2枚の手牌で順子を作れます.チーした人は,不要な牌を1枚捨て,手の中の2枚の牌を手牌から少し離れた左側に表向きにさらし,捨て牌を横向きにして2枚の左側に置きます.牌を横向きにおくのは,最後に説明する包(パオ)の規則のためです.次の順番は,チーした人の下家(右隣の人)になります.手から財神を出してチーはできません.捨てられた財神はチーできません.なお,白は財神表示の代わりで,特別な万能牌ではないので,白を財神表示の代わりにしてのチーはできます.
ポン.手の中の牌2枚と,他の3人の誰かが捨てた牌が刻子になるとき,“ポン”(杭州話も同じ)と発声すると,間の順番の人を飛ばして,山から牌を引く代わりに,捨て牌と2枚の手牌で刻子を作れます.ポンした人は,不要な牌を1枚捨て,手の中の2枚の牌をチーと同じようにさらし,右隣か左隣からポンしたときは捨て牌を横向きにし,2枚のそれぞれ右端,左端に置きます.対面(向かい)からポンしたときは1枚も横にしないで3枚を並べてさらします.次の順番は,ポンした人の下家(右隣の人)になります.チーとポンが同時に言われたときは,ポンが優先で,チーはできません.手から財神を出してポンはできません.捨てられた財神はポンできません.なお,白はポンできます.
カン.3通りの方法があります.(1)暗槓.自分の番に手の中に同じ牌が4枚あるとき,“カン”(杭州話も同じ)と発声し,4枚を伏せてさらし(手が終わったら見せる),山の末尾から牌を1枚補充し,不要牌を1枚捨てます.(2)補槓.自分の番に,自分がポンしている牌を山から引いたとき,あるいは,すでに手の内にあるとき,“カン”と発声し,この1枚をポンしている牌に付け加えてさらし,山の末尾から牌を1枚補充し,不要牌を1枚捨てます.(3)直槓.手の中に同じ牌が3枚あり,他の3人の誰かがもう1枚を捨てたとき,“カン”と発声すると,間の人の順番を飛ばして,捨て牌と3枚の手牌で槓子を作れます.4枚をポン同様に捨て牌をもらった人がわかるようにさらし,山の末尾から牌を1枚補充し,不要牌を1枚捨てます.チーとカンが同時に言われたときは,カンが優先で,チーはできません.財神が入ったカンはできません.どのカンでも,次の順番は,カンした人の下家(右隣の人)です.また,杭州ルールでは,カンの補充牌を取るとき,山の末尾の上ではなく下の牌を先にとります.
ポンできる牌を見逃したら,自分の順番が来るまで,見逃した牌はポンできないとする人がいます.ポンやカンで順番が飛ばされた場合,順番が来たものとみなします.

上がり

順番で,あるいはカンの補充で山から引いた牌で上がれる場合,この牌を手に入れないで卓上に置き,上がりを意味する発声(杭州話では“hu”)とともに手を公開して上がれます.これをツモ(自摸)上がりといいます.3牢(3連荘)以上の場合に限り,親なら子,子なら親の捨て牌か拉槓(ラーカン)でも上がれます.捨て牌での上がりを振込み上がりといい,振り込むことを放銃(中国語だと放冲,点炮)といいます.拉槓は,チャンカンのことで,捨てられたら上がれる牌を,他の人が,ポンした牌に付け加えるカンしたときです.
まとめると,1牢と2牢では,ツモでしか上がれません.3牢以上ならツモの他に,振込みと拉槓でも上がれますが,振込みと拉槓は,親子間でしか認められず,子どうしの振込みと拉槓はできません.
上がりのとき,上がった人だけでなく,全員が手を公開します.
捨てられた財神では上がれません.振込み上がりは,チー,ポン,カンより優先されます.親の捨て牌で2人以上の子が上がりを宣言したら,親に順番の近い子が優先され,他の子の上がりは認められません.
上がれる牌を見逃したら,自分の順番が来るまで,見逃した牌では上がれないとする人がいます.ポンやカンで順番が飛ばされた場合,順番が来たものとみなします.
財飄でないのに財神を捨てたら上がり放棄とする人がいます.これを認める場合も,白は,財神表示と同じ牌扱いなので,捨てても上がり牌の見逃し以外の制限を受けません.
上がったら,その手は終わりです.上がり方に応じた点数を受け渡し,次の手をはじめます.

流局

牌の山は,必ず財神表示とその下の牌を含めた10列20枚を使わないで残します.それまでに誰も上がらなければ流局です.流局したら,点数の受け渡しはなしに,次の手をはじめます.

点数

ツモ上がりは,他の3人が1点ずつを,振込み上がりは,振り込んだ人が1点を上がった人に払います.受け取りか支払いが親の場合,1牢なら2倍,2牢なら4倍,3牢以上なら8倍にします.したがって,
  • 1牢.親のツモなら,子3人が2点ずつ.子のツモなら,親は2点,子2人は1点ずつ.
  • 2牢.親のツモなら,子3人が4点ずつ.子のツモなら,親は4点,子2人は1点ずつ.
  • 3牢以上.親のツモなら,子3人が8点ずつ.子のツモなら,親は8点,子2人は1点ずつ.親から子,子から親への振込みでは,振り込んだ人が上がった人に8点.

次の上がり方では,この点に所定の倍がつきます.

  • 爆頭(パオトウ,杭州話だとバオドー,ドーの母音はOウムラウトの音).2倍.暴頭とも書く.敲響(チャオシャン)とも言う.財神の単騎待ち(1枚で頭・対子になるのを待つこと)です.何でも上がれる形ですが,この場合に限り,3牢以上でもツモ上がりしかできません.なお,この形に構えるときの捨て牌と財神で頭(か対子)が完成しているので,爆頭などを狙うには,必ず上がりを崩す必要があります.逆にいうと,財神ありの手でツモ上がる前に,爆頭などを狙えないか考える必要があります.
  • 財飄(ツァイピャオ,杭ゼーピャオ).1回に付き2倍,必ず爆頭の2倍も付くので,財飄で4倍と考えてもよい.財神を捨てて次のツモで爆頭で上がります.ツモ上がりの前にカンかもう1周の財飄をはさめます.財神が捨てられたら,他の3人は,1周の間,チー・ポン・明槓・振込み上がりはできません.暗槓とツモ上がりはできます.財飄中の人に,つぎのツモを待つだけでなく,チー・ポン・明槓を認める人がいます.チー・ポンが許されるのは,手の中で財神で代替していた牌をチー・ポンで浮かせられる場合だけで,浮いた財神を捨てて,もう1周財飄を続けます.
  • 双飄(シュアンピャオ,杭スヮンピャオ).財飄2回と爆頭で8倍.両飄ともいう.財飄中に,ツモかカンの補充で財神を浮かせるか得て,それを捨ててもう1周財飄を回して上がります.財飄と財飄の間にカンがあっても,双飄です.財飄中のチー・ポンを認めるなら,チー・ポンで浮かせた財神を捨てても双飄です.
  • 槓開(カンカイ,杭カンケー).1回につき2倍.カンの補充牌での上がりです.常にツモ上がりとして扱います.カンが連続したら,連続した回数2倍します.カンとカンの間に財飄があっても,カンが連続しているとみなします.何でも上がれる爆頭・財飄との組み合わせでできることが多いので,次のような略称があります.
    • 槓爆(カンパオ,杭カンバオ).槓開+爆頭
    • 槓飄(カンピャオ).槓開+財飄
    • 飄槓(ピャオカン).財飄+槓開
  • 七対(チートゥイ,杭チェットゥイ).2倍.対子7組での上がりです.財神がないときは清七対といい,さらに2倍して4倍になります.3牢の振り込み上がりでは清七対の追加の2倍を認めない人も多いです.
  • 豪華(ハオホァ,杭ガウワー).1組につき2倍.同じ牌4枚で対子2組を作った七対です.カンしてはなりません.4枚に財神を入れられません.
  • 拉槓(ラーカン).2倍.ポンした牌へのカンが待ち牌の場合です.振込み上がりの一種なので,3牢以上で,親子間でないとできません.2牢で認める人もいます.爆頭では拉槓できません.点数はツモ上がりと同じですが,拉槓された人が包のように1人で払います.

一番高い手は,三牢四槓両飄の1024点です.三連荘以上でカン4回と財飄2回を続けての上がりなので,理論的な可能性に過ぎません.

包

三攤(タン,杭テー)の包.同じ手の間に,AがBに3回以上チー・ポンされたら,AとBの間には,その手が終わるまで,包の関係ができます.さらし方で誰からチー・ポン・カンしたか分かるので,置き方が同じ組が3組あると,その人と3組の牌が指す席の人の間に包が成立するとひと目で分かります.Bがツモで上がったら,Bへのすべての支払いをAが肩代わりして払います(承包).Aがツモで上がったら,Aへのすべての支払いを2倍にしてBが肩代わりして払います(反承包).上がった人に複数の包の関係があるときは,すべての包の相手から,承包か反承包の点を丸ごともらえます.例えば,AとBが互いに3回以上チー・ポンしているときは,A,Bともに,相手から,承包と反承包の両方の点をもらえるので,手に入る点数が3倍になります.

罰則

大相公,小相公.捨て忘れやカンのミスで手牌が多すぎ(大相公),少なすぎ(小相公)の人は,その手が終わるまで上がり放棄です.
チョンボ.上がれない手で上がったら,上がろうとした虚偽の上がりの点数を全員に払います.その手が終わるまで上がり放棄にして,手を続ける人もいます.

バリエーション

三攤の包に関する食いの制限.三攤の包は親子間だけでしか成立してはならない,つまり子同士で包が成立するような食いをしてはならないという人がいます.チー3回はダメだがポンが混ざるならよく,その場合は子の間の包も成立するという人がいます.2牢まではよく,3牢のときだけどちらかの制限をかける人もいます.2牢以上で制限する人もいます.包の規則の混乱を防ぐため,いつでも親子を問わず誰も同じ人から3つ以上泣いてはいけないとする人もいます.

振り込みのときの包.3牢の振り込みのとき,ツモ上がりと同じように三攤の包を適用し,振り込んだ人だけでなく承包(反承包)の人も上がった人に支払うとする人がいます(同じプレイヤーなら支払いが2倍か3倍になる).

財飄後半場の包.財飄の周に財飄している人にチー・ポン・カンされた人は,チー・ポン・カン以後の分の点を1人で肩代わりして払うとする人がいます.この場合,チー・ポン・カンより前の分の点は,3人で払います.

白板財神.自動卓を使う場合に,財神表示をめくらないで白を固定財神にする人がいます.これは財神をわかりやすくするためではなく,高い手のもとである財神を4枚に増やす目的で行われます.

ツモのみ.主に財神を増やすのに併せて,3牢でもツモでしか上がれないとする人がいます.

十風.手の始めから10枚連続で字牌を捨てるとツモ,11枚なら爆頭相当の上がりにする人がいます.10枚で爆頭という人もいる,食われたらどうするか,財飄したらどうなるかは定説がありません.生のゲームで見たことがないという人がおり,オンラインゲーム専用のルールかもしれません.

いきなり3牢.サイコロの目がゾロ目や一定の数以上のとき,3牢にする人がいます.オンラインゲームのオプションです.

2016年2月11日木曜日

陝西の麻雀

深圳と同じぐらいシンプルなルールに,偶然頼りの「馬」ではなく,「炮子(パオツ)」という賭け点制を加えて,心理戦の要素を増したゲームです.

道具

136枚の麻雀牌,花牌は使いません.サイコロ2つ.

席決め

いろいろな方法があります.
  • 着席したままで,年長者などがサイコロ2つを振って東を決める.
  • 全員がサイコロ2つを振り,目の大きい順に東南西北に座る.東の席は東になった人の席にするか,あるいはサイコロなどで決める.
  • 東南西北各1枚計4枚を伏せて混ぜ,年長者などがサイコロ2つを振って出た目の席の人から順に反時計回りに1枚ずつ引く.東の席は前の方法と同じ.

親

最初の親は東の席の人,後は流局か親が上がったら連荘(親を続ける),子が上がったら,親の下家(右隣り)が次の親です.

配牌など

ひとり当たり横17枚2段の牌の山を築きます.

親がサイコロ2つを振り,目の位置の人は,親の目と自分がもう一度サイコロ2つを振って出した目の合計で牌の山を分けます(2度振り).

親は14枚,子は13枚の手牌を取ります.

進行の特記事項

手を見てから親が最初の捨て牌を捨てるまでの間に,全員が炮子(パオツ)を宣言します.炮子は最低0点,最高4点です.

上家からチー,誰からでもポン・カンできます.

カンの補充牌の取り方が独特で,牌の山の末尾が上下2枚あるとき,暗カンなら下の段,明カンなら上の段を先に使います.

捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかないと分からないように,乱雑に置きます.同様の理由で,誰から何を食ったか示しません.

使わずに残す牌の枚数は,カンの回数によって大きく違います.山の残りがこの枚数になって誰も上がらなければ,流局です.
  • 1つもカンがないときと3つ以上のときは13列(26枚)
  • カンが1つのときは7列(14枚)
  • カンが2つのときは8列(16枚)

上がり

頭と4メンツがあれば,何でも上がれます.他の不規則な上がり型を認める人もいます.
振り聴,縛りなどはありません.漏胡(上がり牌を見逃したら自分の番が来るまで上がれない)のルールを求める人もいます.
同じ捨て牌で2人以上が上がりのときは,頭ハネです.

上がり手の点数

振り込み,ツモ,搶槓,槓開(カンカイ,カンの補充牌での上がり)のどの上がり方でも,上がった人に,他の3人が点を払います.点を払う人か受け取る人が親なら2点,子なら1点です.ツモ(槓開,搶槓も含む)は点を2倍にします.
また,上がった人に,上がった人の炮子と自分の炮子を足した点を払います.ツモ(槓開,搶槓を含む)のときは,この点も2倍にします.炮子の点には親子の違いはありません.

カンの点数

カンしたら,その場ですぐにカンの点を受け渡しします.この点は上がれなくても,その後で反則しても返す必要はありません.
  • 暗槓は,他の3人から2点ずつ
  • ポンに牌を足すカンは,他の3人から1点ずつ
  • 捨て牌を食ってのカンは,捨てた人から2点

2015年11月27日金曜日

揚州の麻雀

揚州は長江をはさんで南京の対岸から少し東にずれた位置にあり,炒飯と古来から美人の出身地として有名な都市です.
順子系の役が非常に充実したルールです.

道具

花牌なしの136枚の麻雀牌とサイコロ2つ.

親

親が上がれば連荘,子が上がるか流局したら,親の右隣が次の親です.流局でも連荘する地域もあります.1回のゲームは,親を4周します.8周する地域もあります.

配牌

サイコロは2つの1度振りです.山を分ける位置は,合計でなく,小さい方の目を使います.手牌は13枚です.親は配牌で14枚の牌を取ります.

進行


  • チー・ポン・カンできます.
  • 上がるには4面子と頭があり,点数が最低限以上ある手でなければなりません.最低点には,13番,18番,7番などがあります.
  • 上がりを見逃したら,自分の番が来るまで,上がれません.ただし,裸単騎で,自分で上がれる牌を捨てた同巡に上がることは認められます.
  • 2人以上同時に上がれます.
  • 誰かが上がるか,山を1枚も残さずに使い切ったら手は終わります.誰も上がらなかった手は,流局です.


点数

上がり手の点数は,上がり手にあるすべての役の番数(ファンすう)を合計したものです.三副同(三色同順)のときの斉相(二色同順)のように,番数がより高い役に必ず含まれる役の番数は付けられません.なお番数は倍々計算しません.例えば,4番の点は1番の点の4倍,8番は8倍です.

  • 振り込んだ人は,手の点の2倍を払い,他の2人は何も払いません.搶槓(チャンカン)は放銃扱いです.
  • 自摸のときは,他の3人全員が,それぞれ,手の点を払います.

役には,1~2番の小番(シャオファン,小役)とそれより大きい大番(ターファン,大役)があります.
上がれる最低限の点は,最小の大番である一板(イーパン,イーペーコーのこと)の番数あるいは一板の番数+3番に設定します.

役

大番の点数は人により違います.新しいルールほど,点としばりが高くなる傾向があります.点が高すぎると感じるなら,一板3,混4,清16,風清と鋼板を32にして,3番しばりにするといいと思います.

●小番(1~2番)

  • 門風(1番).自分の風の刻子(槓子も含む,以下の字牌の刻子についても同様)
  • 圏風(1番).場の風の刻子
  • 紅中・發財・白皮(1番).中,發,白の刻子.
  • 独吊(トゥーティァオ)・丫子(ヤーツ)・辺張(1番).単騎・カンチャン・ペンチャン待ち
  • 自摸(1番).山から引いた牌で上がる.
  • 門清(1番).チー・ポン・明槓のない
  • 欠一(チュエイー,1番).字牌がなく,数牌1種類を欠く
  • 断幺(1番).1・9・字牌がない
  • 老少(ラオシャオ,1番).同じ数牌の順子123と789がある.例123筒789筒.
  • 斉相(チーシャン,1番).数牌2種類で同じ大きさの順子がある.例567索567筒.
  • 連副(レンフー,1番).数牌1種類で6枚続きの順子がある.例345萬678萬.
  • 平胡(1番).順子が4組ある.字牌がないことを求める人もいる.
  • 幺頭(1番).字牌がない手で1・9の頭.
  • 子格(ツーコー,1番).暗刻.“招”ともいう.
  • 明槓(1番)
  • 暗槓(2番)

なお,搶槓,カンの補充牌での上がり,海底牌での上がりに付く番数はありません.

●最低の大番=混一色の約2/3(13番しばりなら10番,18番しばりなら15番,7番しばりなら7番)

  • 一板(イーパン).同じ順子が2つある.


●混一色(13番しばりなら15番,18番しばりなら20番,7番しばりなら10番)と同じ

  • 混一色.数牌1種類と字牌だけしかない.
  • 一条龍.数牌1種類の1~9による順子3つがある.
  • 三副同(サンフートン).数牌3種類の大きさが同じ順子が3つある.斉相は付かない.
  • 対対胡.刻子(槓子でもよい)が4つある.
  • 双飄(シュアンピャオ).老少の斉相.老少と斉相は付かない.例123萬789萬123策789策
  • 双連双喜(シュアンレン・シュアンシー).双飄に含める人もいる.連副の斉相.連副と斉相は付かない.例345筒678筒345索678索

●混一色の2倍~2.5倍(13番しばりなら30番,18番しばりなら50番,7番しばりなら20番)

  • 双板板(シュアンパンパン).一板が2組ある.一板は付かない.
  • 四副同(スーフートン).数牌3種類の大きさが同じ順子が4つある.三副同,一板,斉相は付かない.例345筒345筒345策345萬.


●清一色=混一色の4倍(13番しばりなら60番,18番しばりなら80番,7番しばりなら40番)と同じ

  • 清一色.数牌1種類以外何もない.
  • 鉄板(ティエパン).同じ順子が3つある.一板は付かない.
  • 双板双喜.斉相の双板板.一板,双板板,斉相は付かない.
  • 双板双連.連副の双板板.一板,双板板,連副は付かない.
  • 双板双飄,双板双老.老少の双板板.一板,双板板,老少は付かない.


●清一色のN倍

  • 風清(フォンチン,清一色の4倍).字牌だけしかない.対対和は付かない.
  • 鋼板(カンパン,清一色の8倍).同じ順子が4つある.一板,鉄板は付かない.


複合役

18番しばりでは,次の複合役に,構成要素の和ではない点数を与えます.

  • 板龍 50=15(一板)+20(龍)+15(板龍)
  • 混龍 50=20(混)+20(龍)+10(混龍)
  • 混対対 50=20(混)+20(対対)+10(混対対)
  • 混板龍 80=20(混)+15(一板)+20(龍)+15(板龍)+10(混龍)
  • 清龍 130=80(清)+20(龍)+30(清龍)
  • 清対対 130=80(清)+20(対対)+30(清対対)
  • 清板龍 160=80(清)+15(一板)+20(龍)+15(板龍)+30(清龍)


包

清一色だけに包の規則があります.包は,責任払いのことで,包になった人は,上がった人への支払いを1人ですべて肩代わりします.清一色狙いの下家に3つめの副露をチーされた人は包で,この清一色を1人で責任払いします.また,上家から同じ種類の牌を3回チーしたら,必ず清一色を狙わなければなりません.

円子(ユアンツ)

これを採用するなら,持ち点がなくなった人からは上がれません.2人そうなったら,直ちにゲームを終えます.同時上がりで破産する場合,近い人が優先的に点をもらえます.これにより点をもらい損ねても,親は連荘できます.

2015年11月17日火曜日

浙江義烏の麻雀

少しセリ上げのような要素のある点数システムが魅力的なゲームです.浙江・福建全域に共通の特徴として,ワイルドカードがあります.あと,この地域に比較的よく見られるワイルドカードの使い方を主とした役の体系が主で,中国の他の地域や杭州でも優遇されている七対子がカス手なのは興味深いです.

道具

136枚の麻雀牌,サイコロ2つ.

親

親が上がったら連荘,子が上がったら親の右隣に交代します.流局の場合,親を続けます.

配牌

親がサイコロ2つを振り,2度目のサイコロを振る人と,財神表示の牌を決めます.財神表示は,サイコロの目の席の人が,自分の山の右端を1として右から左に目だけ数えた位置の上段の牌です.この牌を表向きにし,また,サイコロ2つを振って,財神表示の次を1として出た目だけ数えた列と次の列の間に切れ目を作ります.この切れ目から時計回りに牌の山を使います.
手牌は13枚です.親だけ最初は14枚の牌を手にします.

進行

財神表示牌はゲームに使いません.財神表示と同じ3枚の牌は財神です.財神は何の代わりにもなる万能牌です.白は,白でなく,財神表示と同じ牌になります.
チー・ポン・カンできます.
捨てられた財神は,チー・ポン・カンできません.財神入りのチー・ポン・カンはできません.
白は財神表示牌なので,チー・ポン・カンに含められます.

上がり

次のどれかで上がれます

  • 頭と4メンツ
  • 対子7組.なお同じ牌4枚で対子2組を作ってもボーナスはない.このときカンはできない.
  • 14枚に対子,搭子(両面,カンチャン,ペンチャンの2枚),順子,刻子,槓子が1組もない

上がり方は

  • 捨て牌で上がる(振り込み,放銃などという).同じ捨て牌で2人以上上がれるときは,上がり牌を捨てた人に一番順番が近い人の上がりです(頭ハネ)
  • 山から引いた牌で上がる(自摸という)
  • ポンに牌を足すカンを奪う(搶槓という)
  • カンの補充牌で上がる(自摸の一種,槓上開花という)

上がり方には,次の制限があります.

  • 2枚財神がある人は,放銃では上がれません.
  • 財飄があった手では,全員,放銃では上がれません.
  • 3枚財神がある人は,爆頭か槓開でしか上がれません.
  • 双飄があった手では,全員,爆頭か槓開でしか上がれません.

また,捨てられた財神では上がれません.

流局

山の残りが17列(じゅうなな,山1人分丸ごとです)になって誰も上がらなければ流局です.ただし,単飄なら残り7列,双飄なら残り3列になるまで続けます.

点数

上がった人に他の3人が点を払います.点は,基礎点に払う人と受け取る人の買子と2人の間の下子を加えた点に手の形による倍数をかけたものです.下子は2倍します.

基礎点は,子は5点,親は7点です.

買子.手を始める前に,買子できます.買子すると,上がったときにもらえる点の基礎点が2点上がる代わりに,自分が払う点の基礎点も2点上がります.連荘中は買子を取り消せず,追加もできません.親が交代すると,買子を取り消せます.

下子.親が上がった後,次の手を始める前に,子は,下子できます.下子は,自分と親の間の点のやり取りの基礎点を引き上げます.連荘中は下子を取り消せません.親が交代すると,下子は取り消されます.下子は,直前の親の上がりで決まり,平胡なら1子,自摸か搶槓なら2子,財神頭か開槓なら4子,単飄なら8子,双飄なら16子です.基礎点は下子の2倍増えます.連荘を続ける度に下子が2倍になるとする人がいます.

上がり方の倍は次の通りです.

  • 平胡.上がり牌を捨てた人だけ2倍,他の2人は基礎点.他に何もない振り込み上がり.親子間でしか認めない人もいる.
  • 自摸.2倍.
  • 搶槓胡.自摸と同じ.
  • 財神頭.自摸も含めて4倍.財神の単騎待ち.何でも上がれるが,自摸でしか上がれない.
  • 開槓胡.自摸も含めて4倍.カンの補充牌での上がり.
  • 単飄.自摸,財神頭も含めて8倍.財神が2枚以上ある手で,財神を捨てて,財神頭で上がる.捨てた直後の番に上がれなくてもよい.
  • 双飄.自摸,財神頭,財飄も含めて16倍.財神が3枚ある手で,財神を2回続けて捨てて,財神頭で上がる.捨てた直後の番に上がれなくてもよい.失敗したら,他の3人に財神頭相当を払う.

2015年11月4日水曜日

温州の麻雀

浙江省の南端にある温州は,不動産投資を代表とした商才と全く通じない方言で有名な地域です.ミカンは当地の名産でなかったりします.麻雀は,北隣の台州南部から福建省全域と同じように16枚です.県部(馬站鎮,龍港など)は符点・サイドありの複雑な点数計算をしますが,市部のルールは杭州や厦門とも共通した上がり方より連荘の比重が高いシンプルなものです.

(2018.11.21)4連荘での親の上がりは,席の決め直しから,親の交代に改めました.
(2015.11.6)財神の決め方を修正しました.点数計算の説明で,基数と倍数が逆になっていたのを修正しました.字牌の捨て方を書き直しました.財神銭について書き加えました.
(2015.11.5)硬牌関連の一貫しない記述を修正しました.牌を2段に積む人もいることを書き加えました.財神を末尾から7組目の内側(上)にしている例が見当たらないので,サイコロを使う決め方以外を削除しました.

道具

花牌なしの136枚の麻雀牌,サイコロ2つ.牌17枚分より長さのある細長い板4枚(牌尺.なくてもよい).

席決め

年少者などが,東南西北各1枚を取り出し,伏せてよく混ぜます.年長者などが,サイコロ2つを振り,振った人を1として反時計回りに2つの目の合計だけ数えた位置を東にします.もう一度サイコロ2つを振り,目の合計の位置の人から反時計回りに,混ぜられた4枚の牌を1枚ずつ取ります.先に決めた東の席から,反時計回りに東南西北となるように座り直します.

牌の山の作り方

すべての牌を伏せて,4人で協力してよく混ぜ,各人が17枚2列に並べます.2つの列は重ねません.内側が上の段,外側が下の段にそれぞれ対応します.牌の列は,1人に1枚ずつある定規より細長い板に沿うように置き,4人分が正方形になるように,整然と並べます.辺の左端は左隣の人の列の端,右端は自分の列の端になるように噛み合わせます.自動卓を使う場合など,他の地域のように2段に重ねることもあります .

親決め

最初の親は東の席の人です.後は,親が上がれば連荘,子が上がれば親の右隣が次の親です.流局したら,誰もカンしなかった場合,親の倍数を変えないで連荘(4連荘のときも),誰かがカンしたら,親の右隣が次の親です.

配牌

親がサイコロ2つを振ります.目の位置の人も,サイコロ2つを振ります.1度目の目の人は,目の前の牌を右端を1として,内外どちらかの列を時計回りに2人の目の合計だけ数えたら,その位置の内外2枚と次の組との間にすき間をあけます.目の合計が17より大きいときは,左隣の人の牌を続けて数えます.他のゲームの進行と異なり,牌の山は,時計周りに使います.親から順に,すき間から時計回りに2組4枚ずつ牌を16枚取ります.親だけはそのあと,次の内側の牌を1枚取って17枚にします.

財神

全員が牌を取り終わったら,2度目にサイコロを振った人が,自分の山の内側の列を,右端を1として時計回りに親が出した目まで数えた位置の牌を表向きにします.例えば,親が8,(親から8数えた席である)親の左隣が6を出したら,財神は,親の左隣の人の列の右から8枚目,牌を取り始めるのは,8+6=14の次なので,右から15枚目(左から3枚目)です.配牌のときに財神表示牌をうつ向けのまま取り除けて,配牌後に,表向きにして元の位置に収めても構いません.この牌と同じ牌3枚が財神です.財神は何にでも化けられる万能牌です.財神表示が白でないときは,白は財神表示と同じ牌になります.例えば,財神表示が2万なら,それ以外の2万3枚が財神,白は2万になります.

進行の特記事項

対子や刻子になっていない字牌があるときは,数牌より先に捨てなければなりません.
すでに捨てられた字牌が対子や刻子になっていなければ,他の字牌と数牌より先に捨てなければなりません.
捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかないと分からないように,乱雑に捨てます.
チー・ポン・カンできます.
捨て牌と同じ理由で,誰からポン・カンしたか示しません.
ポンを見逃したら,同じ一巡のうちに同じ牌をポンできないとする人がいます.
財神入りのチー・ポン・カンはできません.白は化けるのではなく財神表示そのものなので,チー・ポン・カンできます.
手牌に財神しかない場合を除き,財神を捨てられません.

上がり

上がるには,
  • 頭と5面子
  • 八対.対子8組+任意の1枚.任意の1枚が対子と同じでもよい.同じ牌4枚で対子2組を作っても,他の地域のようなボーナス点はない.
  • 財神3枚であとはめちゃくちゃ
のどれかでなければなりません.
財神の単騎待ちは,ツモでしか上がれません.
上がる人は,常に1人です.2人以上が同時に上がりの発声をした場合,上がり牌を捨てた人から一番順番の近い人の上がりで,他の人は上がりと認められません(頭ハネ).ただし,双翻はこのルールに打ち勝ちます.双翻どうしは,頭ハネになります.

流局

山が残り16枚になって誰も上がらなければ,流局です.財神表示が16枚の外にある場合,財神表示の直前に到達した場合も流局です.

点数

上がった人以外の3人は,それぞれ,上がった人に点を払います.子から子へは1枚,子から親と親から子は,事前に“2468”,“3579”などのように決めます.よく使う“2468”なら,親になってすぐの手は2枚,2連荘は4枚,3連荘は6枚,4連荘は8枚です.4連荘で親が上がったら,次の手は,下家に親を交代します.これらの点を軟牌なら1倍(そのまま),硬牌なら2倍,双翻なら4倍します.

軟牌

  • 下記のどれにも当てはまらない上がりです.財神を化けさせての振り込み上がりです.

硬牌

  • ツモ上がり(カンの補充牌での上がりは常にツモ扱い)
  • 財神がないか,財神を額面どおりに使った上がり.白は財神表示の代わりなので,財神と白で頭か暗刻を作ってもよい.白を財神表示の代わりに使わないことを要求する人もいる.
  • チャンカン
  • 軟八対.財神を化けさせた八対
  • 財神3枚残りめちゃくちゃ.この形で天胡・地胡はできない.

双翻

  • 硬八対.財神がない八対か財神を額面どおりに使った八対.財神2枚をペアにした八対とペアでない1枚に財神を使った八対も含む.
  • 三財神.財神が3枚あり,頭と5面子,あるいは,八対の形をしている手.
  • 天胡.親の配牌での上がり.
  • 地胡.親の第1打牌での子の上がり.
  • 単吊.裸単騎.財神の裸単騎は,“全求神”とも呼ばれる.全求と全球[全世界の意味]を掛けている.
双翻に対対胡を含める人がいます.

財神銭(財神のボーナス)

上がっても上がらなくても,手が終わったときに,財神を持っている人は,1つにつき1枚などあらかじめ決めた点を,他の3人からもらいます.

2015年10月24日土曜日

台湾の16枚麻雀 (台灣十六張麻將)

台湾の16枚麻雀は,一目で分かる違いがあり,地理的にも近いので,わざわざここで書くこともないほど知名度の高い海外ルールだと思いますが,故意に無視していると受け取られないように,書いておきます.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の花牌8枚を入れた144枚の麻雀牌.サイコロ3つ.特に南部には花牌を使わない地域もあります.

席決め

初めは好きなように座ります.東南西北各1枚ずつの4枚を伏せてよく混ぜます.年長者などがサイコロ3つを振ります.サイコロを振った人を1として,反時計回りに3つの目の合計まで数えた位置の席を東の席にします.また,この席の人から順に,混ぜた4枚の牌を1枚ずつ取ります.東を引いた人が東の席,あとは反時計回りに南,西,北の順になるように座り直します.

親

最初の親は,東の席に座った人がサイコロ3つを1度振って決めます.親が上がったときと,流局のときは,連荘します.子が上がったときは,親の下家(右隣)が次の親です.一荘戦を行います.

配牌

各自18列2段の牌の山を作り,右端が左端より前になるように斜めにして,4人の山をくっつけます.親が,サイコロ3つを振り,3つの目の合計の席の人の山を,目の合計だけ残して,牌を取り始めます.最初の親だけは例外的に,親でなく仮の東の人が降った親決めの目で,牌を取り始める山と位置も決める人が多いです.

4人が4枚ずつ4回牌を取ったら,親が1枚だけ山の次の牌を取ります.これで,親の牌が17枚,子が16枚になります.ドラや福建省で一般的な金(混,財神)のように牌を表向きにして決める特殊牌はありません.

補花(ぷーほぁ)

配牌に花牌がある人は,親から順番に,花牌をすべてさらし,同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充した牌に花牌があったら,同じように,手から花牌がなくなるまで繰り返してから,次の人に順番を譲ります.

進行の特記事項

  • 自分の風と花牌の方位は,配牌のサイコロの目が当たった人(例えば,親が14を出したら,親の右隣)を東とするのが普通です.親をいつも東にする人も少なからずいます.
  • 山から花牌を引いたら,さらして,山の末尾から牌を補充します.
  • 上家からチー,他の3人誰からでもポン・カンできます.
  • チー・ポンして捨て牌を捨てる前にカンしてはならないという人がいます.
  • チー・ポンしたとき,食った牌と同じ牌を捨ててはならないという人がいます.捨てた牌と同じ牌を同一周内に食ってはならないという人がいます.
  • 上がるには,チー・ポン・カンした牌と手牌に,山から引いた牌か捨て牌で,頭と5つの面子を作ります.
  • 上がり牌を見逃したら,ツモ順が来るまで,振り込みでは上がれません.
  • 牌の山が残り16枚になって誰も上がらなければ流局です.残す牌の枚数は,16枚固定の他に,カンのたびに1枚増やす,残さず使い切るなどがあります.
  • 海底牌のツモを拒んで下家に譲れるとする人がいます.この場合,海底牌をツモって上がれなければ,そのまま捨てなければなりません.全員が海底牌を拒んだら流局です.

点数

振り込みのときは振り込んだ人が,ツモのときは上がった人以外の3人が,“底+上がり手の台数×レート”を上がった人に払います.ツモは振り込みの3倍以上になります.日本でリーチ,一発,ドラ,裏ドラで点数が何倍にもなるのが当然だと思われているのと同じように,ツモが高いのは麻雀にとって本質的なことだと受け止められています.底は事前に決めます.台の2〜4倍にすることが多いようです.例えば,“底50台20”なら,50+20×台を払います.

台が付く手と台数は,香港や広東のように満貫役があるので,多めです.人や地方によって細かい違いがあるので,何を認め何台か,事前に決めてください.
  • 荘家と連荘・拉荘.親が上がってもらう点だけでなく,親が払う点にも付きます.荘家は無条件に1台付きます.連荘と拉荘は,いつも一緒に付きます.どちらも台数は連荘した回数と同じで,例えば,二連荘なら1,三連荘なら2です.この3つを合わせると,親になったばかりなら,荘家だけで連荘と拉荘はないので1台,二連荘なら荘家と“連1拉1”で3台,三連荘なら荘家と“連2拉2”で5台のようになります.
  • 宣告聴牌,1台.単に聴牌とも眼牌ともいう.聴牌を宣言して,宣言後手を変えないで上がる.補花,加槓,待ちを変えない暗槓はできる.なお門前は不要.
  • 自摸,1台.ツモあがり.
  • 門清,1台.チー・ポン・明槓しないで上がる.振り込みでも自摸でもよいが,自摸の場合,門清自摸3台となる.
  • 三元台,1台.三元牌の刻子か槓子1つにつき1台.
  • 圏風台,1台.場の風の刻子か槓子.
  • 門風台,1台.自分の風の刻子か槓子.親が東とは限らないことに注意.
  • 花牌,1台.自分の花牌1枚につき1台.東は春と梅,南は夏と蘭,西は秋と菊,北は冬と竹が,それぞれ自分の花牌です.親が東と限らないことに注意.
  • 花槓,2台.自分の花牌1台の代わりに2台.
  • 辺張,1台.唯一の待ちがペンチャンのときだけ付く.
  • 中洞,1台.唯一の待ちがカンチャンのときだけ付く.
  • 単吊,1台.唯一の待ちが単騎のときだけ付く.
  • 搶槓,1台.
  • 槓上開花,1台.自摸も必ず付く.
  • 海底撈月,1台.ツモだけに認める人とツモも振り込みも1台を認める人がいる.
  • 全求人,2台.裸単騎の振り込み上がり.必ず単吊だが,単吊1台も付く.
  • 平胡,2台.字牌なし,花牌なし,全部順子の振り込み上がり.待ちのなかに単騎,カンチャン,ペンチャンがあったら,両面で上がっても認められない.なお門前は不要.
  • 門清自摸,3台.門清と自摸は複合しない.
  • 三暗刻,2台.3台にする人もいる.
  • 地聴,4台.最初の捨て牌での宣告聴牌.手を変えてはならない.門清と聴牌の台は付かない.自摸は1台でなく門清自摸のように不求で2台付く.子が配牌で聴牌していた場合,最初のツモの前に宣告聴牌したら天聴8台とする人がいる.
  • 対対胡,4台.
  • 混一色,4台.
  • 小三元,4台.三元牌の2台は付かない.
  • 配牌花胡,4台.配牌と補花を終えて七搶一か八仙過海なら,親は配牌で,子は最初のツモで手牌を17枚にした時点で上がり.必ず七搶一か八仙過海の8台も付く.
  • 四暗刻,5台.4台や6台にする人もいる.
  • 五暗刻,8台.
  • 清一色,8台.
  • 大三元,8台.三元牌の3台は付かない.
  • 小四喜,8台.4台にする人もいる.自分の風と場の風の台があれば付く.
  • 字一色,8台.16台にする人もいる.対対胡は付かない.
  • 七搶一,8台.1人で花牌を7枚集め,もう1枚の花牌を別の人が引いたとき.あるいは花牌を6枚集めていて,もう1枚の花牌は別の人がさらしていたときに,7枚目の花牌を引いたとき.手の形に関係なく,7枚集めた人の上がりで,もう1枚を引いた人の振り込み扱い.
  • 八仙過海,8台.1人で花牌を8枚集めたとき.手の形に関係なく,8枚集めた人の上がりで,自摸扱い.
  • 大四喜,16台.8台にする人もいる.自分の風と場の風の台は付かない.
  • 地胡,16台.親の最初の捨て牌でのあがり.
  • 天胡,24台.16台にする人もいる.

2015年10月21日水曜日

寧波の麻雀

著者が知る限り,普通に使われる縛りが一番高いルールです.隣町の奉化も同じ4台しばりですが,奉化には上がれば無条件に付く1台とワイルドカードがあってもなくても付く1台があります.ワイルドカードがあっても縛りがきついので,集中力を要するスピードゲームにはなりづらく,上海や香港やリーチ麻雀のようなゆったりした流局が多い麻雀です.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の花牌8枚がある144枚の麻雀牌
サイコロ2つ

親

席を決めたら,東の人がサイコロ2つを振って最初の親を決めます.あとは,一荘戦を終えるまで,親が上がるか流局したら親を変えず,子が上がったら親の下家(右隣)が親になります.

配牌と百搭

親がサイコロ2つを1度振って,牌を取り始める山,取り始める位置と百搭表示の位置を決めます.2つの目の合計の人の山を,大きい方の目だけ残して,牌を取り始めます.配牌を終えたら,牌の山の末尾を1として,反時計回りに小さい方の目だけ数えた位置の牌を表向きにします.これが百搭表示です.大きい目と小さい目の使い方を逆にする人もいます.

百搭表示はゲームに使いません.ツモかカンの補充が百搭表示まできたら,百搭表示を飛び越して次の牌を使います.百搭表示と同じ牌3枚が百搭(パイター,財神ともいう)です.百搭は,花牌以外の何の代わりにもなる万能牌です.百搭表示が花牌の場合,春夏秋冬のどれかなら他の3枚,梅蘭菊竹のどれかなら他の3枚が,それぞれ百搭になります.百搭になった花牌は,花牌の力を失うので,1枚でさらせません.

補花

百搭を決めたら,親から順に反時計回りに,手牌の花牌をすべてさらし,さらしたのと同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充で花牌を引いたら,他の人の順番を待たずに,その場ですぐにさらして補充します.手牌に花牌がなくなったら,次の人が,同じように,花牌をさらします.

進行

花牌をツモったら,配牌の後と同じようにさらし,山の末尾から補充します.
上家からチー,他の人誰からでもポン・カンできます.
チー・ポンしたとき,チー・ポンでもらった牌と同じ牌は捨てられません.大吊のときは,捨てて構いません.
チー・ポンして牌を捨てる前にカンできません.
捨てられた百搭をチー・ポン・カンできません.捨てられた百搭では上がれません.
百搭入りのチー・ポン・カンはできません.
百搭入りの面子は振り込みで完成させて上がれます.百搭の単騎待ちは,自摸でないと上がれません.
上がるには,4台以上必要です.
2人以上同時には上がれません.同じ捨て牌に2人以上が上がりを宣言したら,上がり牌を捨てた人から一番順番が近い人の上がりです.
百搭表示以外の牌を全部使い切って誰も上がらなければ,流局です.

点数

ツモであがったら,他の3人から,それぞれ手の点数をもらいます.
振り込みであがったら,振り込んだ人から,手の点数の2倍をもらいます.
点数は台(タイ)で数えます.台にレートをかけた点を受け渡します.倍々計算はしません.

  • 自摸1台
  • 辺張1台
  • 嵌張1台
  • 単吊1台 単騎待ち
  • 対倒1台 シャンポン待ち
  • 三元牌の刻子1台
  • 自分の風の刻子1台
  • 場の風の刻子1台
  • 位花1台 自分の風と合う花牌.東は春と梅,南は夏と蘭,西は秋と菊,北は冬と竹.
  • 平胡1台 4面子が全部順子で頭がポンで台がつく字牌ではない手.待ちや門前の制限はない
  • 大吊(車)1台 裸単騎.必ず単吊1台も付く
  • 槓上開花1台 常に自摸扱い
  • 海底撈月1台 必ず自摸1台も付く
  • 硬胡1台 百搭がないか,百搭を額面通りに使った手
  • 対対胡2台
  • 混一色2台
  • 四花2台 春夏秋冬または梅蘭菊竹を揃える.位花1台は付かない
  • 三搭(三財神)3台 この3台は4台しばりには含めない
  • 清一色4台
  • 字一色4台
  • 八花6台 四花2台,位花1台は付かない
  • 地胡6台
  • 天胡8台


点数の特例と包


  • 拉槓(ラーカン,チャンカンのこと)には自摸がつき,かつ拉槓された人は,点数の5倍をあがった人に払います.他の2人は何も払いません.
  • 大明槓で槓上開花された人は,点数の5倍をあがった人に払います.他の2人はそれぞれ点数×1を払います.
  • 同じ手のうちにAがBから3つチー・ポン・カンすると,AとBは互いに包の関係になります.包の相手が自摸であがったら,点数の5倍を払い,他の2人は何も払いません.包の相手が振り込みであがったら,点数の2倍を払い,振り込んだ人も点数の2倍を払います.
  • 槓上開花の5倍払いと包が両方成り立つ場合,包の点しかもらえません.

2015年10月12日月曜日

福州の麻雀

(2015.10.16)開金で花牌が出たときの扱い,金雀が頭ハネに勝つこと,金龍はオプションであること,点数計算が多様なことを書き加えました.
(2015.11.16)上がり方で倍数を変えない場合の点数計算は,上がり方のボーナス点に2倍がかからないように修正しました.
(2015.11.17)点数計算を書き直しました.連荘回数の2倍でなく回数そのものを底に加えるよう修正しました.

道具

数牌と東南西北と中の128枚または136枚に春夏秋冬,梅欄菊竹を足した144枚.サイコロ2つ.
128枚の場合,字牌20枚が花牌,144枚の場合,字牌と春夏秋冬,梅蘭菊竹の計36枚が花牌になります.

親

最初の親は,仮親がサイコロ2つを振って決めます.後は,親が上がったら連荘,子が上がるか流局したら親の下家(右隣)が親です.

配牌

親が2つのサイコロを1度振って,2つの目の合計で,牌を取り始める山と山を分ける位置の両方を決めます.4枚ずつ4周で16枚の手牌を取り,親はもう1枚取って17枚にします.

補花と開金

親から順に,手牌の花牌をすべてさらし,さらしたのと同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.花牌は128枚なら東南西北と中,144枚なら東南西北,中發白,春夏秋冬,梅蘭菊竹です.補充した牌に花牌があるときは,すぐにさらして補充しないで,一周して自分の番が来るのを待ちます.全員の手が数牌だけになるまで,これを繰り返します.手から花牌がなくなったら,次の補充牌を表向きにし,牌の山の末尾から9列目の上に置きます.この牌はゲームに使いませんが,同じ牌3枚が金牌になります.金牌は,花牌以外のどんな牌の代わりにもなる万能牌です.金牌表示が花牌のときは,親がさらした花牌にして,また末尾の牌をめくり直します.

進行

上家からチー,誰からでもポン・カンできます.
山から花牌(字牌,144枚使うなら春夏秋冬,梅蘭菊竹も)を引いたときは,開局前と同じように,さらして,山の末尾から補充します.
金牌を捨ててもよいですが,金牌を捨てた人は,自摸でしか上がれません.捨てられた金牌は,チー・ポン・カンできません.また捨てられた金牌では上がれません.
チー・ポン・カンした牌を合わせた手牌とツモった牌か捨て牌で,頭と5組の面子ができたら上がりです.
同じ捨て牌で2人以上が上がれるときは,上がり牌を捨てた人から一番順番が近い人の上がりです.(頭ハネ)
山の残りが18枚になっても誰も上がらなかったら,流局です.残す枚数は,手の始めは18枚ですが,明槓のたびに1枚,暗槓のたびに2枚増えます.同じ花牌を4枚さらしたときも,暗槓と同じように2枚増やします.春夏秋冬の4枚,梅蘭菊竹の4枚も同じ花牌です.使える牌の終わりが変わったら,金牌表示牌の位置も動かします.
使える牌が残り4枚になったら,4人で順番にツモるだけで,捨てません.カンもできません.

点数計算

捨て牌でもツモでも,上がった人以外の3人が上がった人に点を払います.
底は,1点,3点,5点など,事前に決めます.底が大きいほど,花の多少で点数が変わりづらくなります.
花はさらした花牌,手にある金牌,カンに付く点です.

  • 金牌・花牌1枚1点
  • 明槓1組1点
  • 暗槓1組2点

同じ花牌4枚をさらしたら,暗槓とみなします.春夏秋冬の4枚,梅蘭菊竹の4枚も同じ花牌です.
連荘時は,親が上がったときと,親からの支払いのとき,連荘回数を底に加えます.1度目の連荘(二連荘)なら1点,2度目の連荘(三連荘)なら2点のようになります.

方法1:(底+花)×倍数+ボーナス

倍数は,放銃なら1,自摸なら2です.搶槓も自摸として扱います.上がり方でボーナス点を変えます.ボーナスは,複合しません.手に当てはまる一番高いものが付きます.

  • 花(と金)が1枚だけでカンがない上がり,15点.
  • 花も金もカンもない上がり,30点.
  • 搶金,30点.親は第1打牌で金牌で上がれる形になった場合,子は配牌で金牌で上がれる場合.自摸上がり扱いです.金牌を万能牌として扱って構いません.子の搶金は,捨て牌を伴わないので,親の搶金に勝ちます.
  • 天胡・地胡,30点.地胡は親の第1打牌での子の上がり.天胡は子の搶金に勝ちます.
  • 三金倒,40点.手に金牌が3枚あるとき.自摸上がり扱いです.手が上がりの条件を満たしていなくても上がれます.
  • 金雀,60点.頭が金牌2枚のとき.頭ハネに勝ちます.
  • 金龍,120点.手にある3枚の金牌を暗刻として使い,上がりの条件を満たす上がり.


方法2:(底+花)×倍数

暗算力が高くないと使いづらい方法ですが,整然としています.
上がり方で倍数を変えます.

  • 自摸.2倍.搶槓も自摸扱い.
  • 三金倒.3倍.
  • 金雀.4倍.
  • 搶金.5倍.
  • 金龍.6倍.

2015年10月4日日曜日

江西南昌の麻雀

異色な字牌の順子が目につきますが,そのおかげで不要牌が少なく,ワイルドカードの多さと相まって,16枚ルールのようにいつも手が進んでいるスピード感があります.点数体系が似ている北京ルールを加速した感じもあります.

(2015.10.4)搶槓は,徳国での加点も含めツモ扱いであることを追記しました.十三爛で字牌のチーはできないことを明記しました.
(2016.1.20)全体的に修正しました.特に,流局は原則連荘,捨て牌の精を数えるとしていたのを数えない,山を残さず使うとしていたのを17列残すと,それぞれ改めました.
(2016.1.21)暗カンの作法を追記しました.カンの補充と精表示について補足しました.
(2016.1.26)槓開はいつもツモ扱いであることを強調しました.またが槓開がツモでないかのように受け取れる精釣の記述も修正しました.

道具

136枚の麻雀牌.サイコロ2つ.

親

最初の親は,年長者や仮親がサイコロ2つを1度振って決めます.後は,子が上がったときは親の下家(右隣)が次の親,親が上がったときと流局では親が引き続き次の親を務めます.例外的に,抄荘(4人の最初の捨て牌が同じとき)なら,親が上がっても流局でも,親の下家に親が移ります.

配牌と精(チン)

親が2つのサイコロを1度振って2つの目の合計で取り始めの山を決め,その位置の人がもう一度サイコロ2つを1度振り,2人の目の合計で残す列の数を決めます.
親が14枚,子が13枚の牌を取ったら,親が2つのサイコロを振り,牌の山の末尾を1として,反時計回りに目の数だけ数えた位置の上段の牌を表向きにします.この牌と同じ牌が正精,1つ大きい牌が副精で,どちらも,何の代わりにもなるワイルドカードです.例えば,表になったのが2萬なら,正精は2萬,副精は3萬,9索なら,9索と1索,風牌は東南西北東,三元牌は,中發白中の順です.

進行

  • 抄荘(チャオチュアン).手の最初の1周に,4人全員が同じ牌を捨てたら,抄荘になります.抄荘のときも,上がりか流局になるまで普通に打ち続けます.
  • 字牌の順子.三元牌各1枚(“中發白”),同じ風牌がない風牌3枚(例えば“東西北”)でも順子を作れます.字牌の順子もチーできます.
  • 捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかなければ分からないように,乱雑に捨てます.
  • チー・ポン・カンできます.チー・ポン・カンを誰からもらったかは,示す必要はありません.
  • 暗カンは4枚を伏せて出し,そのうち1枚を表向きにします.
  • カンの補充牌を引くとき,精表示まで来たら,飛ばさないで精表示を使うとする人がいます.ただし,カンが多いこと自体まれなので,こう書きながら,精のカンは副精だけ,精は7枚とするなど,一貫しない扱いが目立ちます.
  • 精は捨てたら,額面どおりの牌になります.
  • 精入りのチー・ポン・カンでは,精は額面どおりです.
  • 上がりで完成する面子または頭の精は,化けられます.
  • 牌の山は,17列残します.カンの補充で1枚だけになった列も1列と数える(最後の牌を常に下段にする)人と常に34枚残す人がいます.
  • 棄先不胡後.上がり牌を見逃したら,自分の順番が来るまで上がれません.ポンの見逃しの後の同じ牌のポンも,同じように制限する人がいます.
  • 頭ハネ.上がりはいつも1人です.同じ捨て牌で2人以上が上がれるときは,捨て牌を捨てた人に一番順番の近い人の上がりです.
  • 上がり.手牌と食った牌とツモあるいは捨て牌で,4面子と頭,対子7組あるいは14不搭(字牌の順子は無視して)になれば,上がれます.

上がりの点数

ツモでも振り込みでも,上がらなかった3人が,それぞれ上がった人に点を払います.次のうち当てはまるものすべての回数1点を2倍します.
  • 荘家(チュアンチャ,おや).親が払う点,もらう点どちらも2倍します.
  • 自摸.ツモで上がった人に払う点は2倍にします.
  • 点炮.振り込んだ人が払う点は2倍にします.
  • 搶槓(チャンカン).ポンに牌を足すカンが上がり牌だったとき.自摸の倍は付きませんが,自摸扱いで,チャンカンされた人に振込みの倍は付きません.チャンカンされた人のカンは不成立です.
  • 槓開.カンで補充した牌での上がり.常にツモ扱いで,自摸の倍も付きます.
  • 大七対.対対和のことなので,ポンできます.
  • 小七対.七対子.門前専用.暗槓も不可.同じ牌4枚で2対子にしても,北京や杭州のような豪華の倍は付きません.
  • 十三爛(シーサンラン).14枚の中に,同じ牌が2枚以上なく,数牌は14萬のように間が2枚以上離れている上がり型.門前専用.字牌のチーをしてはなりません.
  • 七星(チーシン).十三爛で7種類の字牌が1枚ずつある手.7枚の字牌は精でないか,精を額面どおり使わなければなりません.必ず十三爛も付きます.
  • 徳国.精が1枚もないか,すべて額面どおりに使った手.徳国自体の2倍も含むすべての2倍をかけた後,ツモと搶槓への支払い,振り込んだ人からの支払いには5点を加えす.なお,徳国は,ドイツの中国語表記です.
  • 徳中徳.徳国で他の3人に精がない場合.必ず徳国も付きます.徳国の5点増しも付きます.
  • 精釣(チンティャオ).精の単騎待ちツモ.必ず自摸も付きます.精の単騎は何でも上がれますが,徳国でない限り,ツモで上がらなければなりません.ツモで上がらない限り,精釣の倍は付きません.徳国でツモった場合,徳国も精釣も(自摸も)付きます.

例:
子の58萬,169策,7筒,東南西北,中發白に別の子が4筒を振り込んだ場合.誰も精がなかったとすると,
  • 親:1×2(七星)×2(十三爛)×2(徳中徳)×2(徳国)×2(荘家)=32
  • 振り込んだ子:1×2(七星)×2(十三爛)×2(徳中徳)×2(徳国)×2(点炮)+5(徳国への振り込み)=37
  • 振り込まなかった子:1×2(七星)×2(十三爛)×2(徳中徳)×2(徳国)=16
をそれぞれ上がった人に払います.

上がり点には,次の例外があります.
  • 天胡,地胡.天胡は親の配牌での上がり.地胡は,親の第一打牌での子の上がり.他の3人は,20点ずつ払う.親の倍,ツモの倍,振り込みの倍は付きません.

カンの点

上がりの点とは別に計算します.上がった人も上がらなかった人ももらえます.親の倍はつきません.
  • 明槓.他の3人から1組につき1点ずつ.
  • 暗槓.他の3人から1組につき2点ずつ.

精の点

上がりの点とは別に計算します.上がった人も上がらなかった人ももらえます.親の倍はつきません.
チー・ポン・カンした牌を含む手の中の精を次のように採点した結果を,他の3人から,それぞれもらいます.
  • 正精.1枚2点
  • 副精.1枚1点.
  • 冲関.精の点が5点以上のときは,次のようにします.
    5:5×2=10
    6:6×3=18
    7:7×4=28
    8:8×5=40
    9:9×6=54
    10:10×7=70
  • 覇王.4人のうち1人しか精がないとき,覇王といい,精の点を2倍にします.
  • 槓精.精をカンしたら,他の精の点とは別に,他の3人から10点ずつもらえます.この10点には,覇王や冲関の倍は付きません.この10点は,冲関の判定には含めません.また,このカンには,カンの点は付きません.4枚の精の点を,精の点として普通に計算できます.

その他

  • 抄荘のときは,親から他の3人に5点ずつ払います.
  • 流局したら,親に他の3人に5点ずつ払わせる人がいます.

2015年10月2日金曜日

山東済南の麻雀

蘇州,無錫,南京など江蘇省に多い符点に似ているがインフレ度の低い“花”で点数を数えるルールの北限だと思います.花は,上海の現代ルール“清混碰”にも少し姿を止めています.

道具

花牌8枚を加えた144枚.サイコロ2つ.

親

最初の親は,仮東がサイコロを1度振るなどして決めます.後は,前の手で上がった人が次の親です.流局の場合,前の手の親の下家(右隣)が次の親です.

開門

親が2つのサイコロを1度振ります.2つの目の合計で山を決め,2つのうち小さい方の目で,山を分ける位置を決めます.手牌は13枚です.親は始めに14枚の牌を取ります.

進行

配牌が済んだら,親から順番に,手のすべての花牌をさらし,同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充牌に花牌があったら,手に花牌がなくなるまで同じようにさらして補充たら,次の人の順番になります.全員が花牌をさらしてから,親は最初の捨て牌を捨てます.
チー・ポン・カンできます.
花牌をツモったら,さらして,山の末尾から牌を補充します.
明楼(ミンロウ).聴牌したとき,手を公開すると,上がったときの点を2倍にできます.このとき,手を変えることはできません.また,ツモ上がりしかできません.明楼のひとが振り込んだときも,点を2倍にします.
山の残りが6列になったら,荒荘(ホァンチュアン,流局)です.上下2枚でなく下の1枚だけの列も1列と数えます.荒荘のときは,次の手の点数が2倍になります.2手荒荘が続いたら次の手は4倍,3手なら8倍と倍々に増えます.上限は5連続以上の32倍です.
上がるには,頭が2か5か8でなければなりません.
2人以上同時には上がれません.この場合,上がり牌を捨てた人から一番順番の近い人の上がりになります(頭ハネ).同時の上がりを認める人もいます.

点数

ツモ上がりなら,他の3人がそれぞれ上がった人に手の点数を払います.振り込みなら,振り込んだ人が上がった人に手の点数を払い,他の2人は何も払いません.
手の点数は,“(底+花)×番数”に明楼と荒荘の倍をかけて計算します.底は1点です.

花は,以下の合計です.上がりで完成した刻子は数えません.

  • 花牌.1枚1花.
  • 字牌.刻子1組1花,明槓1組2花,暗槓1組3花.
  • 数牌.明槓1組1花,暗槓1組2花.


番数は手の形を見ます.符点相当の点の比重が高い点数体系の常として,役は少ないです.
  • 平胡または推倒胡.1番.以下のどれにも当てはまらない手.
  • 碰碰胡.2番.対対胡.
  • 混一色.2番.
  • 一条龍.2番.一気通貫.
  • 槓開.2番.カンか花牌の補充牌での上がり.常にツモ扱いです.
  • 清一色.5番.


包


  • 3口の包.AがBから3組チー・ポン・カンしたら,AまたはBが上がったとき,もう1人がすべての支払いを肩代わりします.
  • 搶槓(チャンカン).点はツモですが,搶槓された人が1人で3人分を払います.
  • 槓爆(包餃子).捨て牌をカンされてその補充牌で上がられたら,カンされた人は,1人で3人分の点を払います.


その他

跟荘(ケンチャン).1周目に全員が同じ牌を捨てたら,親はあらかじめ決めた点を,他の3人に払います.2周続いたら2倍にします.

2015年10月1日木曜日

湖南長沙の麻雀

カンの補充牌のルールや「鳥」など,日本のローカルルールにも似たギャンブル要素を強調したゲームです.

道具

風と中發白を除いた108枚.サイコロ2つ.

親

最初の親は,東の席の人がサイコロを1度振るなどして決めます.その後は,前の手で上がった人,流局の場合,海底牌をつかんだ人が次の親です.同時に2人以上上がったときは,振り込んだ人,配牌で2人以上上がったときは,鳥にあたった人が次の親です.誰も海底牌を取らなかったときは,最初に海底牌を取るか取らないか選べた人,海底牌が補充に使われてしまったときは,海底牌を補充に使った人を次の親にします.

開門と配牌

親が2つのサイコロを1度振り,2つの目の合計の位置の山を,小さい方の目だけで分けて,牌を取り始めます.例えば2-5なら,合計は7なので対面の山で,小さい目は2なので2列目と3列目の間に切れ目を作り,親は3列目と4列目を取ります.手牌は13枚です(親は14枚取る).

進行

配牌に特別な上がり型があります.
チー・ポン・カンできます.
暗槓でも4枚を表向きにしてさらします.
2人以上同時に上がれます.
上がりを見逃したら,自分のツモ順まで,見逃した牌では,上がれません.

カンの補充牌

聴牌していれば,カンの補充牌を引くとき,末尾から引くか,サイコロで引く牌を決めるか選べます.サイコロを使うなら,牌の山の末尾を1として時計回りに出目だけ数えた列の一番上の牌(上段,上段がなければ下段)を引きます.サイコロは普通は2つですが,山の残りが12列未満なら1つにしてもよく,6列未満なら必ず1つにします.牌の山が目だけ残っていない場合,末尾から一番遠い列を引きます.サイコロを使ったら,その手の終わりまで,手を変えられません.待ちを変えない暗槓とポンした牌への槓はできます.サイコロを使わないと,補充牌での上がりは普通のツモ上がりで槓上開花になりませんが,上がれなかったとき,捨て牌を自由に選べ,捨て牌で振り込んでも槓上炮にならず,手を自由に変えられます.

海底牌

牌の山を1枚も残さないで使い切ったら流局です.最後の1枚の牌は海底牌といいます.海底牌はツモるか拒むか選べます.拒んだ場合,下家が同じように海底牌をツモるか拒否するか選びます.4人全員が拒否したら流局です.海底牌をツモって上がれなかったら,手牌と入れ替えないでそのまま捨てなければなりません.これで振り込んだら,海底炮になります.
カンの補充牌が海底牌の場合,海底牌は消滅します.カンの補充牌として引いた牌は海底牌とはみなされません.

配牌での上がり

決まった形が配牌にあれば,他の牌の形を問わずに上がれます.点数は,小胡のツモとして扱います.天胡・地胡にはなりません.

  • 四喜.同じ牌4枚がある配牌.
  • 板板胡.2,5,8が1枚もない配牌.
  • 欠一色.どれか一種類の牌がない配牌.
  • 六六順.刻子が2つある配牌.


上がり

七小対と将一色以外は,頭と4組の面子からなる手です.頭が自由でなければ,2か5か8の対子でなければなりません.大胡の頭は全部自由とする人もいます.

小胡


  • 平胡.刻子(槓子)と順子が混じった4面子の手.

大胡


  • ポンポン胡.4面子がすべて刻子(槓子)の手.頭は自由.
  • 七小対.七対子.頭は自由.
  • 豪華七小対.2組の対子に同じ牌を使った七対子.七小対なので頭は自由.
  • 将将胡.14枚すべてが2か5か8の手.4面子も頭も不要で2,5,8ならなんでも上がれる.めちゃくちゃ系の手だが,ポン・カンしてもよい.
  • 清一色.1種類の牌だけからなる手.頭は自由.
  • 全求人.4つポン・チー・明槓して,振込みかツモで上がる.頭は自由とする人と,そうでないとする人がいる.
  • 海底撈月.海底牌でのツモ上がり.頭は手の形による.
  • 海底炮.海底牌での振込み.頭は手の形による.
  • 槓上開花.サイコロで決めたカンの補充牌での上がり.頭は手の形による.
  • 槓上炮.サイコロで決めたカンの補充牌での振込み.頭は手の形による.
  • 搶槓胡.待ち牌を明槓されたら上がれる.ポンした牌へのカンでなければならない.頭は手の形による.
  • 天胡.親の配牌での上がり.頭は手の形による.
  • 地胡.親の第1打牌での子の上がり.頭は手の形による.


扎鳥(チャーニャオ)

上がったら,山の次の牌を表にします.海底牌で上がったときは,海底牌で鳥を選びます.親を1としてサイコロの目と同じように数えた位置の人に鳥が行きます.鳥にあたった人は,受取も支払も2倍にします.

点数

小胡どうしは複合します.小胡と大胡があるときは,大胡だけを数えます.大胡どうしは複合します.複合する点数は,足し合わせます.
ツモは,残りの3人が上がった人に点を払います.振込みは,振り込んだ人が上がった人に点を払い,残りの2人は何も払いません.

  • 小胡は,子どうしは1点,受け取りか支払いが親なら2点.
  • 大胡のツモは,子どうしは3点,受け取りか支払いが親なら4点.
  • 大胡の振込みは,子どうしは6点,受け取りか支払いが親なら7点.


バリエーション


  • (双槓)カンの補充牌をサイコロで選ぶとき,1枚でなく上下2枚の牌を引き,どちらかで上がりなら上がりとする人がいます.両方とも上がりなら,点を2倍にします.振込みも,どちらかで上がれるなら上がりで,両方とも上がりなら,点を2倍にします.
  • (双鳥)鳥で牌を続けて2枚めくる人がいます.どちらの牌にあたる人にも鳥が行きます.海底なら,海底牌1枚で2羽の位置を決めます.払い手ともらい手で鳥が2羽いる場合,点数を3倍にします.
  • (六七片)点数で大胡のツモと振込みを区別しないで,ツモにも振込みの点数を使う人がいます.この採点法を使う場合,大胡はいくつ複合しても大胡1つ分の点しか与えないのが普通です.

2015年9月25日金曜日

浙江奉化の麻雀

奉化は浙江省の寧波に近い市で,蒋介石の出身地として有名です.寧波の麻雀をベースに,特殊な上がり方ばかりを選んで加えたような不思議なルールです.

(2015.10.4)“正風”,“位風,圏風”の間違いを直しました.
(2016.1.1)百搭の決め方を寧波のルールと同じように修正しました(寧波のサイトで,奉化の百搭の決め方に,一切特別な記述がないので,同じ流儀と判断しました).
(2016.1.9)点数を現代のものに変更しました.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の8枚の花牌を加えた144枚の牌を使います.

親

最初の親は,仮東がサイコロ2つを1度を振って決めます.親が上がるか流局したら,引き続き親を務めます.そうでなければ,親の下家(右隣)が次の親です.

配牌と百搭

親がサイコロ2つを1度振って,牌を取り始める山,取り始める位置と百搭表示の位置を決めます.2つの目の合計の人の山を,大きい方の目だけ残して,牌を取り始めます.配牌を終えたら,牌の山の末尾を1として,反時計回りに小さい方の目だけ数えた位置の牌を表向きにします.これが百搭表示です.大きい目と小さい目の使い方を逆にする人もいます.
百搭表示はゲームに使いません.百搭表示と同じ牌3枚が百搭(パイター,財神ともいう)です.百搭は,花牌以外の何の代わりにもなる万能牌です.百搭表示が花牌の場合,春夏秋冬のどれかなら他の3枚,梅蘭菊竹のどれかなら他の3枚が,それぞれ百搭になります.百搭になった花牌は,花牌の力を失うので,1枚でさらせません.

花牌

配牌に花牌があったら,親の最初の捨て牌の前に,親から順に反時計回りに,配牌の花牌をすべてさらし,さらしたのと同じ枚数の牌を,山の末尾から補充します.このとき百搭表示は引かないで飛ばします.山や補充牌で花牌を引いたときも,同じようにさらして補充牌を引きます.

進行

チー・ポン・カンできます.
百搭入りの面子はチー・ポン・カンできません.
4メンツと頭以外に,大大胡(十三不搭),乱老頭,七対頭(七対子),花牌8枚でも上がれます.
百搭の単騎待ちは,自摸でなければ上がれません.
2人同時には上がれません.振り込んだ人から順番が一番近い人の上がりになります(頭ハネ).
振込みで上がるには,上がり手の点が4台以上でなければなりません.かつては3台以上でした.自摸なら,4台なくても上がれます.
牌の山を百搭表示の直前まで使って誰も上がらなければ,流局です.使える最後の牌は海底牌といいます.海底牌は,引くか引かないか選べます.引かない場合,次の順番の人が同じように引くか引かないか選びます.4人とも引くのを拒否した場合,そのまま流局します.

点数計算

点数は台(たい)で数えます.上がった人の手にあるすべての台数を合計してから,1の位を10に切り上げます.1~2台でない点数は,時代,人や地域による違いが大きいので,以下は一例と捉えてください.1990年代(以下“旧”と略します)までは,30台の倍数を基本にした体系で,2000年代以降(以下“新”と略します)は50台の倍数が主流です.自摸上がりのときは,上がっていない3人が,それぞれ点数の2倍を払います.振込み上がりのときは,振り込んだ人は点数の2倍,それ以外の2人は,それぞれ点数そのままを払います.
  • 坐台,1台.上がれば必ず付く.百搭もあってもなくても1台は付くので,4台しばりは,実質2台しばりになる.
  • 朋胡,1台.4メンツがすべて順子.待ちと頭は何でもよい.
  • 中發白の刻子,1台.
  • 正風,2台.自分の風と場の風が同じときの自分の風の刻子.
  • 位風,圏風,1台.自分の風か場の風の刻子.
  • 辺,嵌,単吊,対倒,1台.単吊は単騎,対倒はシャンポン待ち.
  • 自摸,1台.
  • 無搭,1台.百搭がない手.
  • 一搭,1台.百搭が1枚だけの手.
  • 二搭,2台.百搭が2枚の手.
  • 還搭,1台.手のすべての百搭を額面通りに使う.
  • 拉槓胡,上がり方としては認められるが,特にボーナス点はないことが多い.
  • 海底撈月,上がり方としては認められるが,特にボーナス点はないことが多い.
  • 十三不搭(大大胡),50台.いつ聴牌してもよい.上がりの14枚に,対子,メンツ,両面待ち,カンチャン,ペンチャンが1つもない.数牌はスジ以上離れている必要がある.
  • 大大胡(暗七星),150台.字牌各1枚計7枚がある大大胡.字牌7枚が手の内に揃っている場合.
  • 大大胡(明七星),100台.字牌各1枚計7枚がある大大胡.上がり牌で字牌7枚が揃う場合.
  • 大大胡(欠色),150台.大大胡で,手牌に数牌1種を欠き,欠けている種類の牌で上がる.必ず暗七星になるので暗七星とは複合しない.
  • 大対対(有搭),50台.対対和.百搭あり.
  • 大対対(無搭),100台.対対和.百搭なし.
  • 大吊車(有搭),50台.裸単騎.百搭あり.百搭の裸単騎なので,何でも上がれるが自摸限定になる.
  • 大吊車(無搭),100台.裸単騎.百搭なし.
  • 七対頭(有搭),50台.百搭あり七対子
  • 七対頭(無搭),150台.百搭なし七対子.
  • 七対頭(暗炸),100台.手の内に同じ牌が4枚揃っている七対子.有搭無搭の七対頭の台と複合する.4枚に百搭を使ってはならない.
  • 七対頭(明炸),50台.上がり牌で同じ牌が4枚揃う七対子.有搭無搭の七対頭の台と複合する.4枚に百搭を使ってはならない.
  • 混一色,70台.切り上げたとき,清一色150+10=160の半分になるように設定されています.
  • 清一色,150台.
  • 天胡,認めるなら乱老頭/清老頭のように祝うだけで点数にはしない.
  • 地胡,認めるなら乱老頭/清老頭のように祝うだけで点数にはしない.
  • 乱老頭,400台あるいはご祝儀.祝い方としては,”全員で起立して国歌斉唱(笑)”と書いている人がいる.字牌しかない手.字牌以外がなければ,4メンツも頭も不要.メチャクチャ役だが,ポン・カンしてもよい.
  • 清老頭,800台あるいはご祝儀.混乱を招く役名だが,字一色のこと.字牌だけで4メンツと頭を作る.
以下の花牌,カン,三百搭の台数は,4台しばりには含めません.
  • 八花(搓胡),800台あるいはご祝儀.花牌を8枚集めても上がらずに,プレーを続けて,普通に上がったとき.
  • 八花(直胡),400台あるいはご祝儀.花牌を8枚集めたら,4メンツと頭ができてなくても上がれる.4台しばりの例外.
  • 直槓(不開花),50台.手持ちの暗刻でした明槓.補充牌で上がれなかった場合.
  • 直槓(開花),100台.手持ちの暗刻でした明槓の補充牌で上がったとき.
  • 暗槓(不開花),100台.補充牌で上がれなかった場合.
  • 暗槓(開花),150台.補充牌で上がったとき.
  • 風険槓(不開花),100台.ポンした牌での明槓.補充牌で上がれなかった場合.
  • 風険槓(開花),200台.ポンした牌での明槓の補充牌で上がったとき.
  • 花槓槓開,50台.花牌の補充牌での上がり
  • 普通三百搭,150台.百搭3枚
  • 三花三百搭,300台.花牌が百搭のときの百搭3枚
  • 正花,2台.自分の席の花牌
  • 四花,150台.花牌4枚一式.

包

  • 拉槓(搶槓,チャンカン)は,点数は自摸扱いで,チャンカンされた人の包となります.
  • 同じ人に4メンツ食われたら,食われた人の包です.包関係は,上海のような両方向でなく単方向で,食った人が上がった場合だけ,食われた人が1人で責任払いします.
  • 清一色,混一色または大対対(対対胡)を作っている人に3回食われた人は包です.この包関係も単方向です.
  • 海底牌で振り込んだ人は包です(海底牌は拒否できる).

2015年9月23日水曜日

上海金山区の麻雀

浙江各地にも現存する場風なし符点・サイド計算ありの点数システムと,倍収支を親から放銃・自摸者に変えた出冲制(香港の半銃制と同じ)の組み合わせが面白いルールです.満貫役があるところは,広東・香港風味です.上海の市街地で現在主流な“清混碰”とは似ても似つかないところも,中国のルールの多様性を示していて興味深いです.

道具

花牌8枚を入れた144枚の麻雀牌.春夏秋冬は花,梅蘭菊竹は百搭(ワイルドカード).

進行の特記事項

サイコロ2つの2度振り.手牌13枚.親が上がれば連荘,それ以外は,下家に親が移ります.
百搭は捨てられません.
チー・ポン・カンできます.
3組泣きの包はありません.
食ったとき,食ったのと同じ牌を捨ててはならないと書いている人がいます.
同時上がりは頭ハネです.
十三么以外の手で上がるには,台で倍々計算する前の点が20胡(ふ)なければなりません.このしばりは,天胡・地胡を含むすべての手にあてはまります.

点数計算

上がった人がいるときは,上がった人も他の3人も点数を計算します.手の点数は,手にある胡(ふ)点の合計を手の台(たい)数回だけ2倍したものです.例えば,22胡の2台なら,22を2回2倍して88胡です.
自摸の場合,上がった人は,上がり手の点×2÷10+ベースの点を他の3人からもらいます.小数点以下は切り上げます.ベースの点(底注)は3点にします.
放銃の場合,上がった人は,放銃者から自摸と同じ点を,他の2人からは,上がり手の点÷10+ベースの点をもらいます.
点の上限(辣子)は50です.50を超える場合,50点を受け渡します.
上がらなかった3人は,互いの点を比較し,少ない方が多い方へ払います.払う点数は,払い手か受け取り手が放銃者なら,点差×2÷10,そうでなければ点差÷10で,小数点以下は切り上げます.

胡頭

符点です.語源にこだわる人は“和”と書きます.“和”は普通はフと読まないので,“胡”と書くことが多いです.

上がっても上がらなくても付く点


  • 花牌1枚4胡.
  • 中發白か自分の風の対子,1組2胡.
  • 2〜8の明刻2胡,暗刻4胡,明槓8胡,暗槓16胡.1・9・風・字牌は2〜8の2倍.

上がりだけに付く点


  • 上がった手に付く点(底)10胡
  • ペンチャン・カンチャン待ち2胡
  • 単騎待ち,1・9・風・字牌4胡,それ以外2胡.
  • 自摸上がり2胡.


台数

飜です.江浙,福建,台湾では“台(たい)”といいます.

全員に付く台数


  • 坐花1台.自分の花牌.東家は春,南家は夏,西家は秋,北家は冬.
  • 四花2台.2台には坐花の1台を含む
  • 中發白と坐風の刻子1台.場風はない.

上がり手だけに付く台数


  • 槓開1台.カンか花牌の補充牌での上がり
  • 拉槓1台.チャンカン
  • 対対胡1台
  • 没百搭1台.百搭のない手
  • 小三元1台
  • 混一色1台
  • 清一色3台
  • 全老頭辣子.すべて老頭牌の手.混老頭.
  • 門門鑑辣子.4つ暗刻がある単騎待ちで振込みか自摸で上がるか,3つ暗刻がある手の双ポン待ちで自摸上がる.単騎自摸しか認めない人もいる.四暗刻.
  • 大四喜辣子
  • 大三元辣子
  • 十三么辣子.20胡しばりの唯一の例外.
  • 四百搭辣子.百搭が4枚ある手
  • 三百搭成凱辣子.百搭3枚を刻子(8胡)として使い,残り3面子が順子の手.20胡しばりのため,頭に2胡なければならない.
  • 天胡辣子
  • 地胡辣子

2015年9月22日火曜日

上海の古い麻雀ルール

現在流行しているルール“清混碰”の他に,世代によっては古いルールで遊ぶ人がいます.上海の“流行式”と香港の“旧章(清章)”,上海の“新式”と香港の“新章”,上海で現在の主流の“清混碰”と香港で現在の主流の3飜縛りは,互いによく似ていますが,広東麻雀の特徴である満貫役は,上海の麻雀には出てきません.あと,上海は,捨て牌を綺麗に並べる,食った牌を明示するなど作法にうるさいです.

老式(旧式)

老人世代のルールです.2011年に現役の先生が書いたブログ記事で,子供の頃に習った符点計算ありの上海ルールを紹介しているので,1950年代ごろまでは,こうだったと推測します.胡(符点)と台(番)で点数を計算します.上がりには,自摸でも振込みでも,上がらなかった3人が点を払い,また上がらなかった3人の間でも,互いの点数の差を払います.払い手か受け取り手が親なら,点を倍にします.

春夏秋冬の4枚の花牌を加えます.花牌が配牌にあったら,親の第1打牌の前に,親から順に,反時計回りにさらして,さらした枚数と同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.山から花牌を引いたときも,同じように,さらして補充牌を引きます.

胡頭(ふとう)

正確には“和頭”や“和数”ですが,迷わず“ふ”と読める胡の字で“胡頭”,“胡数”などと書くことが圧倒的に多いです.日本では,ピンフを平和と書くのに,なぜか“和”でなく“符”と書き,底の場合は,さらに化けて“副”と書くようになりました.

  • 刻子・槓子はおなじみのもの.2から8の明刻2胡,暗刻4胡,明槓8胡,暗槓16胡で.1・9・風・字牌は2倍.上がっても,上がらなくても数えられる.
  • 中發白と自分の風の対子1組につき上がったら4胡,上がらなかったら2胡.
  • 花牌1枚4胡.上がっても,上がらなくても数えられる.
  • カンチャン・ペンチャン・単騎待ち2胡.自摸2胡.上がった人専用.
  • 上がった手に必ず付く点(底)は,0胡,10胡または20胡のどれにするか,事前に決めます.


台(たい)または番(ふぁん)

飜です.符点をこの回数だけ2倍します.すぐ南隣の浙江や,福建,台湾でも“台”といいます.官話系方言や広東ではおなじみの“ファン”ですが,旧字体の香港も含めて字が異なり,“番”と書きます.

  • 中發白の刻子・槓子,1台.上がっても上がらなくても付く.
  • 自分の風,1台.場風はない.上がっても上がらなくても付く.
  • 平和,1台.中發白自分の風は頭にできない.待ちは,ペンチャン・カンチャン・単騎ではいけない.
  • 対対和,1台
  • 混一色,1台
  • 清一色,3台
  • 坐花,1台.自分の花牌.春夏秋冬の4枚だけを使い,梅蘭菊竹は使わない.東家は春,南家は夏,西家は秋,北家は冬.上がっても上がらなくても付く.
  • 四只花,2台.花牌4枚を集めたとき.2台には,坐花1台を含む.上がっても上がらなくても付く.
  • 槓頭開花,1台.槓か花牌の補充牌での上がり.
  • 搶槓,1台.


流行式

普通は符点を数えないで,あがった人だけに固定点を与えます.この点を台数(番数)だけ2倍したのが手の点です.老式と同じように,自摸,振込みに関係なく,上がらなかった3人が上がった人に点を払います.しかし,親でなく,自摸・振込みの人を倍収支にします.同じ種類の牌を3メンツさらしている人に清一色を振り込んだときは,振り込んだ人1人の責任払いにします.

  • 中發白の刻子,1台
  • 平和,1台.刻子に代の付く牌は頭にできない.待ちはカンチャン,ペンチャン,単騎でもよい.
  • 対対和,2台
  • 混一色,2台
  • 清一色,4台
  • 辺嵌張,単釣,1台
  • 坐風,1台
  • 圏風,1台.自風だけでなく場風もある.
  • 坐花,1台.春夏秋冬だけでなく梅蘭菊竹も使う.東家は梅,南家は蘭,西家は菊,北家は竹.
  • 四只花,2台.春夏秋冬1組または梅蘭菊竹1組.2台には坐花の1台を含む.
  • 槓頭開花,1台.槓か花牌の補充牌での上がり.
  • 搶槓和,1台.


新式

流行式に次の台(番)を加えます.符点は使いません.

  • 断么九,1台
  • 全么九,1台.全帯么.
  • 一般高,1台.イーペーコー.
  • 喜相逢,1台.2種類の牌によるイーペーコー.
  • 両般高,2台.イーペーコーに同じ順子をもう1組.
  • 双相逢,2台.三色同順
  • 清龍,2台.一気通貫
  • 混龍,1台.三色一通
  • 門前清,1台.振込みの場合
  • 不求人,2台.門前で自摸の場合
  • 欠一門,1台.数牌2種類だけからなる手
  • 無字無花,1台
  • 十三不搭,1台
  • 七星聚会,2台.字牌7枚が1枚ずつある十三不搭.2台には十三不搭の1台を含む.
  • 七対子,1台
  • 五門全,1台
  • 嵌中心,1台.5をカンチャンで待つ


1980年代末のルール

この時期に上海で麻雀を覚えたという人が,以前よりすでに大幅に簡略化されていたといいつつ,次のようなルールを紹介しています.“流行式”の一種に見えます.
符点は数えないで,上がった人に普通はチップ3枚の点を与え,花牌1枚につきチップ1枚を加えます.これを手の番数回だけ2倍したのが手の点数です.振込み上がりのときは,振り込んだ人が手の点数を,自摸のときは他の3人全員が手の点数を,上がった人に払います.上がった人が次の親です.3組の包あり.番数は,混一色2番,清一色4番,対対胡2番,大吊車1番,槓開1番など.40が辣子.番しばりなし.

2015年9月13日日曜日

浙江台州の麻雀

浙江省台州市の*現代の*ルールです.符点が点数の主役であること,符点が偶数であることに意味があること,上がらなかった3人の間の点数授受があるのが特徴です.上がらなかった3人の間の点数授受は,日本ではサイドと言われ,麻雀導入初期には行われていました.カンがあるとこのサイドで大きめの点が動きます.カンの点を上がりと別に受け渡しするルールがある地域は,サイドの面影を留めていると感じます.
ここで紹介するのは,同市中心部3区の1つ路橋区の13枚ルールです.同市の黄岩区,椒江区(の“搓胡”)と台州の北隣の寧海県では同じく手牌13枚,椒江区の“翻白板”,温嶺,玉環では手牌16枚で,同じ点数システムに,飜の付く役や牌を少し追加して,遊ばれています.

上がらなくても点が入ることがあるとはいえ,作りやすさと点の高さからみて効率良い手を狙うゲームであることには変わりありません.基本戦術は,(1)中發白か自風を死守してワイルドカードも絡めて暗刻化かポンして1台(飜)を付ける,運がよければそれに混一色も付ける.(2)手とツモに恵まれたら清一色,逆にダメなら上がり度外視でポン・カンを狙う.(3)50胡前後以上の手を狙えない限り,中發白の初牌は捨てない.の3つです.
主な情報源は次のサイトのルール記述です(リンク切れあり).

(2015.9.15)前書きを整理しました.情報源を追記しました.台州19楼という掲示板で,小四喜に当たる手を上がった人のスレッドを見たら,四風会斉を認める人より認めない人がはるかに多かったので,本文の記述にそのことを反映しました.
(2015.9.16)参考資料のサイト名とURLを示しました.清一色での白の扱いを書き直しました.三元牌と自分の風には単騎の符点を認める人がいることを書き加えました.
(2015.9.17)符点は“胡”, 飜数は“台”,ワイルドカードは“財神”と台州当地の表現に合わせました.
(2015.10.21)符点計算を教えろという台州19楼のスレッドで,全員が待ちの符点はカンチャンだけと書いていたので,単騎の符点を認める一部資料の記述を対子の符点との混同と断定し,削除しました.上がり牌を見逃した場合の振り込み上がりへの制限と,それに関連した財神の単騎待ちに関するルールを書き加えました.
(2015.10.23)チーのさらし方の作法を書き加えました.少し文章を添削しました.
(2015.10.25)白のポンについて,書き加えました.
(2015.11.30)暗槓のさらし方ついて書き加えました.
(2016.1.4)カンの補充牌の取り方が違う(真の逆順で下が先)ことを見逃していたので,加筆しました.

道具

136枚の麻雀牌.花牌は使わない.サイコロ2つ.

親

親が上がったら連荘,そうでなければ,親の下家(右隣)が次の親です.流局でも親は交代します.
親は東,親の下家(右隣)は南,親の対面は西,親の上家(左隣)は北が自分の風です.場の風はありません.

配牌と財神

親がサイコロ2つを振り,出た目の合計の席の人がもう一度サイコロ2つを振り,1度目のサイコロで選ばれた人から見た山の右端から,2人の目の合計だけ数えた位置で牌の山を分け,牌を取り始めます.
配牌で親は14枚,子は13枚の手牌を取ります.チョンチョンで残った下ヅモの牌を表向きにし,牌の山の末尾近くにのせます.この牌はゲームに使いませんが,同じ牌3枚が財神になります.上がった手に限り,財神をどの牌の代わりにもでき,白を財神の牌の代わりにも白そのものとしても使えます.


手の進行

捨て牌は,全員がよく見えるように自分の前に出してから,全員の捨て牌が乱雑に置かれている中央へ押し出します.
チー・ポン・カンできます.
チー・ポン・カンした牌は,自分の手牌の背中側に並べてさらします.生牌が分かるように,チーでもらった牌は横向きにします.上海や杭州のような包や,リーチ麻雀のような振り聴はないので,誰から食ったかは示しません.横向きの牌は右側に置くことが多いです.暗槓は4枚を伏せてさらし端の1枚だけを表向きにします.
カンの補充牌は,山をツモ順の逆,つまり,山の末尾の下の牌を上の牌より先に使います.
財神入りのチー・ポン・カンはできません.白はポンできますが,ポンした白は財神表示に化けられません.
ポンを見逃したら,自分の順番が来るまで,同じ牌をポンできません.ポン・カンで順番を飛ばされたときも,順番が来たものとみなします.

上がり

手の牌とチー・ポン・カンした牌に,山から引いた牌か捨てられた牌を合わせて,1組の対子と4つの面子ができたら,上がれます.これ以外の手の形はありません.カンの補充牌と搶槓(チャンカン)でも上がれます.搶槓のカンは,点数計算のとき,成立していないものとみなします.
捨てられた財神では上がれません.財神入りの面子を捨て牌で完成させて上がれます.
1つの捨て牌で2人以上があがれるときは,捨て牌を捨てた人に一番順番の近い人1人の上がりになります.
上がり牌を見逃したら,次に順番が来るまでは(飛ばされた場合も含む),振り込み上がりに制限がかかります.見逃したのと同じ牌では上がれない,あるいは,見逃した牌より高い上がりでなければ上がれないのどちらにするか,事前に決めてください.これに関連して,財神の単騎待ちは,すべての牌が待ち牌で,財神単騎に構えたときから,常に上がり牌を見逃しているので,自摸でしか上がれない,あるいは捨て牌で自摸上がっていた場合より点が高くないと振り込みでは上がれないのどちらかにします.
上がったら,手は終わり,点数計算を行います.

流局

牌の山が残り7列14枚になったら黄牌,荒牌などと書かれる流局です.残す牌はカンで補充牌を引くたびに,上下2枚の1列を加えます.したがって,残す牌の枚数は,カンのたびに1枚ずつ増えます.

点数計算

手が上がりでおわったら,上がった人だけでなく,全員が点数を計算します.上がった人の点が財神と白の化け方で変わる場合,点が最大になる化け方で計算します.
点数は,手にある胡数(ふすう)すべての合計を,該当する台数(たいすう)の合計回数2倍した結果です.例えば,14胡(ふ)の手に2台(たい)あれば,14を2回2倍した56胡が点数になります.

辣子,臘子(どちらも発音はラーツ).点数の上限です.路橋では100胡です.点数が100胡を超える場合,100胡を超える点は捨てて100胡とします.

胡数(和数)

“胡”または“和”はフと読みます.符点のことです.語源的には“和数”,“和頭”などと書くのが正しいのですが,“和”は普通はフと読まないので,“胡”の字を当てることが圧倒的に多いです.

(1) 全員が得点できる胡数
上がった人だけは,対子,刻子,槓子に財神(と財神の牌に化けた白)を入れられます.上がりで完成した対子,刻子にも胡が付きます.刻子が自摸上がりで完成したら暗刻,振り込み上がりで完成したら明刻です.上がっていない人は,手に複数の得点できる対子があるとき,すべての点を得点できます.
  • 自分の風か中發白の対子:2胡
  • 刻子と槓子.次の表の通りです.槓子の点はカンしていないと認められません.カンしてない牌が4枚あるときは,刻子1組の点を数えます.
    2~8  19字牌 
明刻2胡4胡
暗刻4胡8胡
明槓8胡16胡
暗槓16胡32胡

(2) 上がった人だけの胡数
  • 胡底:10胡.上がれば手の内容,形に関わらずもらえます.
  • 対対胡:4胡.対対和です.台数でなく,胡が付きます.
  • 嵌檔.2胡.カンチャン.路橋では,ペンチャンと単騎には胡はつきません.
  • 自摸.2胡.ツモ上がり.

台数

“飜(ふぁん)”を浙江,福建,台湾ではファンと言わず,“台(たい)”といいます.2倍の回数です.“台頭”のように“上げる”という意味があります.

(1) 全員に付く台数
上がった人だけは,財神を入れられます.
  • 自分の風の刻子,槓子:1台
  • 中發白の刻子,槓子:1組につき1台
  • (参考,認めない人が多い)四風会斉:13台.上がりは13台上がらなければ4台という人もいる.点数はどれでも辣子になる(風の刻子3つで少なくとも12胡,12胡の4台で192胡).風が4種類そろった手.大四喜でないと認めない人と,小四喜でも認める人がいる.小四喜の場合,対子は自分の風であることを求める人がいる.

(2) 上がった人だけに付く台数
  • 清一色.3台.額面の種類が違う財神が混じってよい.例えば,萬子の清一色に,索子の財神を入れてもよい.財神表示と同じ種類の牌を揃えるなら,白が混じってもよいが,白をポンしたら白入りの混一色になる.白の暗刻はよい.
  • 混一色.1台.額面の種類が違う財神が混じってよい.
なお,平和相当の上がり,カンの補充牌での上がり,チャンカン,海底撈月には,台はつきません.

上がった人への支払い

上がった人以外の3人それぞれが払います.
  • 払う人か上がった人が親の場合,上がった人の点数を払います.
  • どちらも親でない場合,上がった人の点数が辣子なら辣子,そうでなければ,点数の2分の1を払います.

上がらなかった3人の間の支払い

3人は,互いの点数を比べ,点数の低い方が高い方に払います.
  • 払う人かもらう人が親の場合,点数の高い方から低い方を引いた差.
  • どちらも親でない場合,点数の高い方から低い方を引いた差の2分の1.

包(パオ)

ハイリスクな捨て牌をした人が責任払いすることです.
  • 中發白のうち2種類をポン・カンしている人に,残り1つを生牌(ションパイ,一度も捨てられていない牌のこと)で捨てて上がられたら,上がり牌を捨てた人の包になり,その手のすべての支払を肩代わりします.捨てた三元牌が生牌でなければ,包になりません.
  • 3組以上のチー・ポン・カン(暗槓を除く)で同じ種類の牌をさらしている場合,同じ種類の牌を捨てて清一色を上がられたら,上がり牌を捨てた人は,その手のすべての支払を肩代わりします.捨て牌が,生牌でなくても包になります.
  • 聴牌でも一向聴でもないとき,生牌の中發白を捨てて上がられたら,上がり牌を捨てた人は,その手のすべての支払を肩代わりします.
生牌でなくても包にする人がいるなど,違いが大きいので,事前に相談してください.

点数の簡素化

点数の精算には,最小単位が1のチップを1人あたり500前後用意するか,紙と鉛筆で点を記録する必要があります.これが面倒なら,次のように点数を切り上げて丸めます.
  • 点数を計算し終えたら10の位に繰り上げる.例えば,12胡でも18胡でも20胡になる.
  • 繰り上げた点で上がりとサイドの支払いを計算する.繰り上げ結果が同じなら,元の点が違っても同点とする.例えば,上がらなかった3人の繰り上げ前の点が,それぞれ2胡,4胡,10胡なら,繰り上げて全員10胡になるので,サイドはない.
  • 繰り上げて100胡になったときは辣子扱いしない.

2015年9月11日金曜日

南京の麻雀

符点計算風の点数計算が特徴のルールです.役の点も符点相当の点へのボーナス加点で,かけ算ではありません.手役がある程度あるのに,役より早いメンツ作りを競う“推倒胡”系のルールのように,チーがなく,上がりとは関係なくカンで祝儀を受け渡します.中發白を花牌として扱い,合わせて20枚も花牌があります.しかし,花牌の効果は1枚1花(2符相当)とおとなしいです.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の8枚を入れた144枚の牌を使います.春夏秋冬,梅蘭菊竹の他に中4枚,發4枚,白4枚の合計20枚が花牌で,中發白は他の花牌と全く同じように扱います.

進行

最初の親は仮親がサイコロを振って決めます.あとは,親が“大胡”で上がったときだけ連荘し,それ以外の場合は,親の下家(右隣)に親が移動します.
牌の山は,1人18枚になるようにします.
配牌は普通で,親14枚,子13枚の牌をとります.なお,ドラはありません.
親が最初の捨て牌を出す前に,親から順に,反時計回りに,手の中の花牌を全部さらし,さらしたのと同じ枚数の牌を山の末尾(カンで補充牌を引く位置)から補充します.中發白も花牌であることに注意してください.
山から花牌を引いたときは,すぐにさらして,山の末尾から1枚補充牌を引きます.
ポン・カンはできますが,チーはできません.
山の残りが16枚(14ではなく)になって,誰も上がらなければ,流局(荒荘,ホァンチャン)です.

上がり

上がるには,次のいずれかの条件を満たす必要があります.

  • 大胡(ターホー,役あり)
  • 門清(門前)
  • 花牌(もちろん中發白を含む)を4枚以上さらしている


手の点数

手の点数は,“上がると必ず付く点+(硬花+軟花)×2+役の点”です.
ツモ上がりの場合,他の3人がそれぞれ手の点数を上がった人に払います.振り込み上がりの場合,振り込んだ人が,1人分(ツモの3人分でなく)の手の点数を上がった人に払います.ツモだと,振り込みの3倍の点が手に入ります.

  • 上がると必ず付く点.20花です.南京では“跑20”といいます.
  • 硬花(インホァ).春夏秋冬,梅蘭菊竹,中,發,白をさらした枚数です.
  • 軟花(ルァンホァ).風牌の刻子,カンチャン,ペンチャン,単騎待ち,欠門(萬・索・筒のどれか1種類以上がない手)各1.風牌の明槓2,暗槓3です.

硬花と軟花の数は2倍します.これを南京では“砸2”といいます.南京では,カンチャンは圧档(ヤータン),ペンチャンは辺枝(ペンチー),単騎待ちは独占(トゥーチャン)といいます.

小胡


  • 何もない手.花牌を4枚以上さらさないと上がれない.
  • 門清(メンチン).20花.1度もポンしないで上がる.暗槓と手持ちの暗刻でするカンは,門清を崩しません.小胡でなくても,該当すれば加算できます.

大胡


  • 混一色.20花
  • 清一色.40花
  • 対対胡.40花
  • 全球独釣(チェンチウトゥーティャオ).60花.裸単騎.対対胡は,必ず成立するので,複合しない.
  • 七対.40花.必ず門清なので,門清は複合しない.80花にする人もいる.
  • 双七対.80花.七対で3枚同じ牌があり,残りの1枚であがる.
    この代わりに,他の地域で有名な豪華七対を採用するひともいます.
  • 豪華七対.七対の2倍.上がり形に同じ牌4枚が1組ある七対.暗槓不可.
    超豪華七対,両豪華~.七対の3倍.上がり形に同じ牌4枚が2組ある七対.暗槓不可.
    超超豪華七対,三豪華~.七対の4倍.上がり形に同じ牌4枚が3組ある七対.暗槓不可.
  • 圧絶(ヤーチュエ).40花.ポンされている牌でのカンチャン.
  • 無花果(ウーホァクオ).40花.硬花が1枚もない上がり.門清限定.
  • 小槓開花(シャオカンカイホァ).20花.花牌の補充牌での上がり.
  • 大槓開花(ターカンカイホァ).40花.カンの補充牌での上がり.
  • 天胡(テンホー).320花.親の配牌での上がり.花牌交換後でよい.カンしたら不可.
  • 地胡(ティーホー).280花.配牌で聴牌(テンパイ,上がれる手)し,ポン・カンがない間に上がる.


比下胡(ピーシャーホー)

連荘したら,すべての点数(祝儀を含む)を2倍にします.連荘だけでなく,前の手で花槓,罰金,大・小槓開花,包,流局があったときも2倍にする人がいます.

カンの祝儀

上がりに関係なく,受け渡します.

  • 明槓したら,カンした牌を出した人,あるいは元のポンの牌を出した人は,カンした人に,6花相当,5花相当など,あらかじめ決めた祝儀を払います.
  • 暗槓したら,他の3人は,カンした人に,3花相当など,あらかじめ決めた祝儀を払います.
  • 花槓.春夏秋冬の1組,梅蘭菊竹の1組,中4枚,發4枚,白4枚を揃えたら,他の3人は,6花相当,5花相当など,あらかじめ決めた祝儀を払います.

人によっては,20花相当など,祝儀の額を上がりに近くする人がいます.

罰金


  • 4人が間にポン・カンを挟まずに続けて同じ牌を捨てたら,最初にその牌を捨てた人は,他の3人に罰金を払います.罰金の額は,人によりさまざまで,10花相当,3花相当などがあります.
  • 1人で同じ牌を4枚捨てたら,他の3人に罰金を払います.4枚を続けて捨てないでも,該当します.額は,4人続けての捨て牌と同じです.


包(パオ,責任払い)


  • 同じ人に3回ポン・カンされたら,その人が対対胡か全球独釣で上がったとき,すべての点数の支払いをポン・カンされた人が肩代わりします.清一色,混一色が成立していたら,その点も払います.
  • チャンカンは,点数はツモ扱いですが,支払いは,チャンカンされた人の包です.
  • 大槓開花は,点数はツモ扱いです.カンが直槓(暗刻持ちでのカン)の場合,カンされた人の包です.


有限責任

全員が100元など一定の同じ金額を持ってはじめ,一銭もなくなった人は,何も払わなくてよく,借りもなく,上がりやカンでは,そのままもらえるとすることがあります.このとき,2人が破産したら,即座にゲーム終了とします.

城北地区の点数

地区(城北?),人によっては,底と役の点数を全体的に低くします.硬花,軟花の点の比重が高まります.

  • 底(跑),10花
  • 門清,10花
  • 混一色,30花
  • 清一色,40花
  • 対対胡,30花
  • 全球独釣,40花
  • 七対,50花
  • 双七対,100花
  • 圧絶,30花
  • 無花果,40花
  • 天胡,50花
  • 地胡,30花
  • 大槓開花,20花
  • 小槓開花,10花