2014年12月30日火曜日

Mushi -- a hanafuda, or flower card, game

Mushi, or Osakan Mushi, is one of the hanafuda (it simply means "flower card") games with simplest rules. It is for two players and uses a pack of forty cards, four peony and four bush clover (red beads) cards removed from a standard pack of forty-eight cards. Because it was popular in some parts of the country, specialised shortened packs called mushifuda (mushi cards) were widely available and you may still find some in online shops.

The cards


There are twelve flowers or plants in a pack of forty-eight cards: pine, plum, cherry, wisteria (blue beads), iris, peony, bush clover (red beads), grass, chrysanthemum, maple, willow (rain) and paulownia. The cards belong to one of four classes: bright, animals, ribbons and junk. The five bright cards are the pine with a crane, the cherry with a curtain, the grass with the moon, the rain with a man, and the paulownia with a phoenix. The animals are the plum with a nightingale, the wisteria with a cuckoo, the iris with bridges, the peony with butterflies, the clover with a boar, the grass with geese, the chrysanthemum with a cup, the maple with a deer, and the rain with a swallow. The ribbons are the three red ribbons of pine, plum and cherry; the three blue ribbons of peony, chrysanthemum and maple; and the four plain ribbons of wisteria, iris, clover and rain. The remaining twenty-four cards are junk.

Although many descriptions of the cards go into details of correspondence of the plants and the twelve months of the year, its knowledge is not at all necessary to play most games and can differ from one game or region to another, nor does it make good seasonal sense either because it is in old lunisolar calendar that it roughly one month behind the Gregorian calendar and some plants are placed in very odd time of the year.

Deal


Elder hand is chosen by lot. Elder shuffles a pack of cards well and place them face down in front of the younger hand. Younger, then, either acknowledges the shuffle by touching the pile with his/her finger, or cuts the pile into two. Elder, then, complete the cut and deals, in packet of four, eight cards to each player face down and eight face up cards on the table in the order of younger-elder-table repeated twice, or table-younger-elder-younger-elder-table. Remaining cards are placed face down on the table to form the stock.

If there are four cards of the same flower on the table, or three rain cards but the junk, the hand is thrown in and the elder hand remains to deal the cards again. Some play that the elder hand capture four of a kind on the table and three rain cards on the table go to who takes the junk of rain. If there are four cards of the same flower in a hand of one player, he/she may declare it to cancel the deal just like four of a kind on the table.

Play of the cards


The elder hand plays first. He/she plays a card from his/her hand, placing it face up on the table. If the card matches a card on the table, he/she can capture both. A card matches another if they have same flower. If there are two matching cards, he/she can choose to take either one he/she likes. If there are three matching cards, one card can capture three at once. The played card remains on the table when it cannot capture anything. The player, then, flips the top card of the stock and plays it just like a card from his/her hand. Captured cards are arranged into bright cards, animals, ribbons and junk cards and placed face up for all to see them clearly.

The junk of rain/willow matches anything but the other rain cards or three cards of the same flower on the table. If it is on the table, it cannot be captured by any cards in hand, and it must be captured by a card from the stock even if it matches any other cards on the table. If it is from the stock, it must capture a card that is not rain or a part of three cards of a flower. If it is the last card in the stock, one who plays it (younger hand) takes it. Some play that the junk of rain in the bottom of the stock can capture a rain card on the table.

A hand ends when the hands and the stock are exhausted. Two cards remain on the table, a rain and a card unpaired by the junk of rain. One who takes the other two rain cards takes the remaining rain card and the other is taken by who used the junk of rain.

Scores


If a player captures any of these three combinations, he/she receives points in cards captured by opponent. The combinations and their points are:

  • The Three (Crane, Nightingale and Curtain), 25 points
  • Four Wisteria, 10 points
  • Four Paulownia, 10 points

(Note: five bright cards are of eastern japanese origin and was not part of this game, and none of old rules of the game I've seen make mention of it.)

Then each player counts points in captured cards: a bright card is 20 points, an animal 10, a ribbon 5 and a junk card 1, and scores difference of total card points and 115. One who scores more becomes next elder hand.

2014年12月27日土曜日

さくらまたは肥後花

花札を使ったハワイの遊びです.

人数と道具


2~4人.5人以上のカードの配り方も紹介されていますが,その場合,出下りで人数を調整したほうがよいです.4人のときは,2対2のチーム戦にしても個人戦にしてもよいです.チーム戦では,チーム同士は向かいあって座り,取り札と点数はチームのものにします.

48枚の花札を1組使います.雨に小野道風はタネ,黄色の桐はタン,他の札の分類は,普通と同じです.すべての札の分類は,光札が,松に鶴,桜に幕,ススキに月,桐に鳳凰の4枚,タンが短冊のある札と黄色の桐の11枚,タネが,梅に鶯,菖蒲に橋,藤にカッコウ,牡丹に蝶,萩に猪,ススキに雁,菊に盃,紅葉に鹿,雨に小野道風と雨に燕の10枚,残り23枚がカスです.

親見(親の決め方)と札の配り方


最初の親は,1枚ずつ札を引いて月順が一番若い札を引いた人など,好きな方法で決め,その後は,前の手に勝った人が親です.

2人のときは親,3人以上のときは親の左隣りが札を見えないようにしてよく混ぜます.親は,2人のときは相手,3人以上のときは右隣りの人の前に混ぜられた札の山を差し出します.差し出された人は,山に指を触れるか,山を2つに分けるかします.

親は,下にあった山を上にあった山の上にのせてから,札の山を手に取り,右隣の人から反時計回りに,1度に3~4枚ずつを,2人なら手札10枚場札8枚(手十場八)または手八場八,3人なら手七場六,4人なら手五場八に配ります.手札は一人一人の前に裏向きに,場札は真ん中に表向きに置きます.

勝負


親から始めて反時計回りに順番が来ます.順番が来たら,手札を1枚出し,ついで山札の一番上を1枚めくって出します.出した札と同じ花の場札があれば,そのうち1枚と出した札の合わせて2枚を取ります.場札を取れない場合,出した札は,場札になります.

取り札は,光,タン,タネ,カスに分け,自分の前に相手にも分かりやすいように置きます.

ガジ


雨のカス札は,ガジといい,場札のときは普通の雨札ですが,手札,山札のときは,何とでも合います.ガジを使った結果,合わせる相手がなくなって余る札は,ガジを使った人の取り札になります.

引き


場札を配ったとき4枚同じ花の札があったら,この4枚は親の取り札になります.

場札と手札で同じ花の札が4枚あるときは,手札を持つ人が「引き」というと,この4枚がその人の取り札になります.「引き」は自分の順番でなくても言え,ガジで取ろうとしているときに「引き」をいうと,引きが優先されます.引きで他の人より手札が少なくなったら,後の好きな順番に,手札を出さないで山札をめくります.

手の終わりと点数計算


手札がなくなったら,取り札の点数を計算します.札の点数は,タネとタンが多くの遊び方と逆で,光が1枚20点,タンが1枚10点,タネが1枚5点,カスが1枚0点です.取り札に出来役がある場合,他の人またはチームの点数から,役1つにつき50点を引きます.点数が一番多い人の勝ちです.同点なら,親が最優先で親に順番が近い人の勝ちです.点差が100点以上の勝ちは,1度で2勝とみなします.点差の50点以上と100点以上を区別することもあります.

出来役は8つあり,すべて3枚組で,桜に幕・ススキに月・菊に盃,萩に猪・紅葉に鹿・ススキに雁,赤タンの表裏(松・梅・桜のタネ3枚かタン3枚),青タンの表裏(牡丹・菊・紅葉のタネ3枚かタン3枚),くさの表裏(藤・菖蒲・萩のタネ3枚かタン3枚)です.

むし

花札は,少なくともゲーム機やスマホのアプリを見てみると,こいこい以外のゲームは,ほとんど遊ばれていないのではないかという気がするので,ルールがすぐに覚えられるのに面白いゲームを紹介してみます.

道具と人数


2人.牡丹と萩の計8枚を除いた40枚の花札を使います.かつては,虫札として,あらかじめこの8枚がないセットも売られていました.

親見(親を決める)


始めの親は好きな方法で決めます.札を引いて決める場合に,松,梅,桜,藤,菖蒲,雨,桐,ススキ,菊,紅葉という古い順番を紹介している人がいます.しかし,月順は,どんな順番でも,覚えるのが面倒な上に,ゲームそのものでは全く使わないので,点数が高い札を引いた方などの決め方をしてもよいと思います.2手目以後は,前の手に勝った人が親です.

札を配る


親が札を混ぜ,混ぜた札の山を相手に差し出し,親の相手が札の山を2つに分けるか,山に軽く指を触れたら(のぞむ),親は,下にあった山を上にのせてから,手に取り,手札8枚場札8枚(手八場八)を4枚ずつ配ります.配る順は,子・親・場を2回繰り返すか,場・子・親・子・親・場です.手札は一人一人の近くに裏向きに,場札は2人の間に表向きに1枚ずつばらして置きます.残った札は山札で,場札の近くに裏向きに置きます.

手札に同じ花の札が4枚あるとき,これをさらせば,親を変えないで配り直しです.場札に,同じ花の札4枚かカス以外の雨3枚が出たら,親を変えないで配り直しにするか,親の取り札にするか,始める前に決めます.場札に雨以外の花の札が3枚出たら,この3枚をまとめて1組にします.

勝負


親から始めて,交互に順番がきます.順番の人は,手札を1枚表向きに場に出します.出した札と同じ花の場札があれば,そのうち1枚と出した1枚の2枚を取ります.3枚組の場札と同じ花の札を出した場合,3枚と出した1枚の4枚を取ります.

取り札は,光(松に鶴・桜に幕・雨に小野道風・桐に鳳凰・ススキに月),タネ(梅に鶯・藤にカッコウ・菖蒲に橋・雨に燕・ススキに雁・菊に盃・紅葉に鹿),タン(短冊のある札),カスに分け,自分の前に,全員が見やすいように整理して置きます.

取れる場札がなければ,出した札は場に残り,場札になります.

ついで,山札の1番上の札をめくり表向きに場に出します.手札と同じように合う場札があれば取り,なければ場札にします.ここまでしたら,相手の順番です.

鬼札


雨のカスは,鬼札で,雨と3枚組以外の何でも取れます.場札に鬼があるときは,必ず山札で取らなければなりません.山札が雨なら,鬼と合わないので,場に残します.山札から鬼が出たら,雨でも3枚組でもない場札を取らなければなりません.場に雨と3枚組しかなければ,鬼札を場に残します.最後の山札が鬼なら,めくった人が鬼1枚だけを取ります.

手の終わりと得点計算


2人の手札と山札を使いきったら,その手は終わりです.合わせる相手のない雨札は雨を取った人が,鬼で取られて残った札は鬼札を使った人が,それぞれ取ります.

取り札に出来役があるか調べます.出来役は3つあります.

  • 三光(さんこ,他の遊びでは表菅原とも呼ばれる): 松に鶴,梅に鶯,桜に幕の3枚,25点.
  • 藤シマ(藤ともいう): 藤札4枚,10点.
  • 桐シマ(桐ともいう): 桐札4枚,10点.


出来役代分に相当する取り札を相手からもらってから,取り札の点を合計し,合計点の多い方が勝ちです.札の点は,光札1枚20点,タネ札1枚10点,タン1枚5点,カス1枚1点です.勝った人は,取り札の点から115点を引いた残りの点数を相手からもらいます.

バリエーション


鬼の扱いは,人により違います.

  • 最後の山札が鬼のとき,場札に残る雨札と合わせて取るとする人がいます.
  • 鬼で3枚組を取れるとする人もいます.
  • 場札の雨3枚は,鬼を取った人の取り札にする人もいます.

天九

ものすごい久しぶりに書いてみます.日本語の記事も探してみると多い香港・広東のドミノのような天九牌という牌を使ったゲームです.

天九牌は,ドミノのように,1-1 から 6-6 までの 2 つのさいころの目が描かれた牌で,21 種中 11 種の牌は 2 枚ずつあります.黒地に白が普通 (古くは白地に黒) で,肉厚でやや縦長,1 と 4 の目および 6 のゾロ目の半分は赤,3 のゾロ目は目が十字形に並んでいます.ドミノのような 2 つの目を区切る線や釘はありません.

左が天九牌,右が西洋ドミノ
この牌はかなり厚いですが,牌九というカジノゲーム用のものはより薄いです
牌と同じ名前の“天九”というゲームのルールを紹介します.牌の強弱を覚えるのが少し面倒ですが,トランプのゲームと似ているようで似ていない不思議な面白さがあります.主な参考資料は,既存の資料と自身の子供時代からの経験を基にルールを整理した Alone in the fart の“天九入門”
(http://aloneinthefart.blogspot.com/2009/02/blog-post_04.html) です.

人と道具


4 人,天九牌 1 式 32 枚,サイコロ 2 つ.

目的


各手の最終周の勝負に勝つことです.

席決め


4 人が好きな席に着き,反時計回りに順にさいころを振ります.出た目の合計が大きい順に,好きな席を選びます.

親決め


 最初の親は,席決めで一番大きな目を出した人がさいころを振って決めます.さいころを振った人を 1 として,反時計回りに 2,3,4 と数えて目の合計に当たる人が最初の親になります.その後は,前の手に勝った人が親になります.

配牌


4 人で協力して,牌を伏せて混ぜます.各人が牌を 4 枚伏せて重ねた山を 2 つ作ります.全員が作った山を場の中央に寄せ集め,親が長い辺に向かい合うように,8 列 4 段の牌の壁を作ります.自分の山をどこにいれても構いません.親の向かいの人が,山の取り方を言い,サイコロを振ります.親決めと同じようにサイコロを振った人から数えて目の合計に当たる人から,反時計回りに,言われた方法でひとり当たり 8 枚の牌を取ります.よくある取り方は,次の通りです.山の取り方を言わなかった場合どれにするかは事前に決めます.
  • 端から順に 2 列ずつ.端は,さいころが止まったところに近い方です.以下も同じです.
  • 上から順に 8 列ずつ
  • 下から順に 8 列ずつ (実際には左隣りから順に時計回りに取る)
  • 端から順に 1 列ずつ
  • 端から順に 1 列目と 3 列目,2 列目と 4 列目,5 列目と 7 列目,6 列目と 8 列目
  • 中央の 2 列から順に中の 2 列ずつ
  • 両端の 2 列から順に外の 2 列ずつ

勝負


1 手の最初の周は,親が先手です.以後の周は,直前の周の勝者が先手です.

先手は牌を手から表向きにして場に出します.先手が出せる牌は 1 枚,ペア,3 枚組み,4 枚組みのいずれかです.他の人は,親の右隣りから順番に,反時計回りに,先手と同じ枚数の好きな牌を手から出します.同じ種類の牌や勝てる牌を持っていても出す義務はありません.表向きで出ている牌のうち一番強いものに勝てないか勝ちたくないときは,伏せて出します.勝てる牌があり,勝ちたいときは,表向きに出します.4 人が牌を出し終ったら 1 周の勝負は終わります.一番強い牌を表向きで出した人が,その周に勝ちます.周に勝った人は,場に出された牌を取ります.取った牌は 4 枚ずつの山にして手元に置きます.

1 枚勝負の勝敗


牌が,他の牌に勝つには,種類が同じ (文なら文,武なら武) で,強さが上でなければなりません.種類と強さが同じときは,先に出た牌が勝ちます.

牌の種類は,文 (中国語で文子) と武 (中国語で武子) の 2 種類です.

文は,同じ牌が 2 つずつあり,同じ牌の強さは同じです.強い順に,(1) 6-6 (天),(2) 1-1 (地),(3) 4-4 (人),(4) 1-3 (鵝,古くは和だったらしい),(5) 5-5 (梅花),(6) 3-3 (長衫),(7) 2-2 (板□(□=登が上,几が下の字)),(8) 5-6 (斧頭),(9) 4-6 (紅頭十,屏封など),(10) 1-6 (高脚七),(11) 1-5 (伶淋六,鈴淋六など,音はリン・ラム・ルッ(ク)だが字は一定しない.2 文字目は広東語の方言字でワ冠に林) です.

文牌.同じ牌が2枚ずつありますが,写真では省略しました.


武は,1 枚ずつで,目の合計が同じ牌の強さは同じです.強い順に,(1) 3-6 または 4-5 (九),(2) 2-6 または 3-5 (八),(3) 2-5 または 3-4 (七),(4) 2-4 (六,大鶏(つくりは隹,以下同様)),(5) 1-4 または 2-3 (五),(6) 1-2 (三,山鶏,幺鶏など) です.なお,香港などでは,幺は始めの“く”の下半分がなく“ノ”になっている字を使います.
武牌

ペア勝負の勝敗


ペアが他のペアに勝つには,種類が同じで,強さが上でなければなりません.例えば,文のペア“6-6 と 6-6”は,文のペアである“1-1 と 1-1”には勝てますが,武のペア“2-5 と 3-4”や,混合の“1-3 と 1-4 (または 2-3)”には勝てません.種類と強さが同じときは,先に出た牌が勝ちます.

ペアの種類は,至尊,文のペア,武のペア,混合ペアの 4 種類です.これら以外の 2 枚の牌の組み合わせは,先手で出すことも表向きに出すこともできません.裏向きで出すときは,ペアを構成できるできないに関係なく好きな 2 枚を出せます.

至尊 (しそん,チー・チュン) は,“1-4 と 1-2”の 1 組しかありません.したがって,至尊は,先手で出せは必勝,後手で出せば必敗です.

文のペアは,1 枚の強さが同じ牌からなり,強い順に,(1) “6-6 と 6-6”(天対または双天,以外同様),(2) “1-1 と 1-1”,(3) “4-4 と 4-4”,(4) “1-3 と 1-3”,(5) “5-5 と 5-5”,(6) “3-3 と 3-3”,(7) “2-2 と 2-2”,(8) “5-6 と 5-6”,(9) “4-6 と 4-6”,(10) “1-6 と 1-6”,(11) “1-5 と 1-5”です.

武のペアは,1 枚の強さが同じ牌からなり,強い順に,(1) “3-6 と 4-5”(雑九),(2) “2-6 と 3-5”(雑八),(3) “2-5 と 3-4”(雑七),(4) “1-4 と 2-3”(雑五) です.

混合ペアは,天と九,地と八,人と七,鵝と五からなり,強い順に,(1) “6-6 と 3-6”または“6-6 と 4-5”(天九),(2) “1-1 と 3-5”または“1-1 と 2-6”(地八),(3) “4-4 と 3-4”または“4-4 と 2-5”(人七),(4) “1-3 と 1-4”または“1-3 と 2-3”(鵝五) です.

3~4 枚勝負の勝敗


ある 3~4 枚組みが他の 3~4 枚組みに勝つには,構成が同じで,強さが上でなければなりません.例えば,文 2 武 1 の 3 枚組み“6-6 と 6-6 と 3-6 (または 4-5)”は,同じ文 2 武 1 の 3 枚組み“1-1 と 1-1 と 2-6 (または 3-5)”には勝てますが,文 1 武 2 の“1-1 と 2-6 と 3-5”には勝てません.

3~4 枚組みの構成は,天と九,地と八,人と七,鵝と五で,文 2 武 1,文 1 武 2,文 2 武 2 の 3 種類です.これら以外の 3~4 枚の牌の組み合わせは,先手で出すことも表向きに出すこともできません.裏向きで出すときは,3~4 枚組みを構成できるできないに関係なく好きな 3~4 枚を出せます.

文 2 武 1 の 3 枚組みは,強い順に,(1) “6-6 と 6-6 と 3-6”または“6-6 と 6-6 と 4-5”(三文天九),(2) “1-1 と 1-1 と 3-5”または“1-1 と 1-1 と 2-6”(三文地八),(3) “4-4 と 4-4 と 3-4”または“4-4 と 4-4 と 2-5”(三文人七),(4) “1-3 と 1-3 と 1-4”または“1-3 と 1-3 と 2-3”(三文鵝五) です.

文 1 武 2 の 3 枚組みは,強い順に,(1) “6-6 と 3-6 と 4-5”(三武天九),(2) “1-1 と 3-5 と 2-6”(三武地八),(3) “4-4 と 3-4 と 2-5”(三武人七),(4) “1-3 と 1-4 と 2-3”(三武鵝五) です.

4 枚組みは,強い順に,(1) “6-6 と 6-6 と 3-6 と 4-5”(四天九),(2) “1-1 と 1-1 と 3-5 と 2-6”(四地八),(3) “4-4 と 4-4 と 3-4 と 2-5”(四人七),(4) “1-3 と 1-3 と 1-4 と 2-3”(四鵝五) です.

手の勝者


手の最後の周に勝った人が手の勝者です.これを“結 (広東語でキッ(ト))”といいます.日本語でも“結びの一番”というように,“締め”の意味です.結には,最後の周に取った牌も含め少なくとも 2 山の牌を取らなければなりません.したがって,手が残り 1 枚のとき,1 山も牌を取っていなければ,結の資格がないので,必勝の天や九でも裏向きに出さなければなりません.最終周が 2 枚以上の勝負なら,1 山も牌をとれていなくても,勝負に勝てます.

点数計算


手の勝者は,他の 3 人と点数を受け渡しします.

手の勝者以外の 3 人は,自分が取った 1 山 4 枚の牌の山の数が 0 なら 5 点,1~3 なら“山数 - 4”点に,親の倍,勝ち方の倍,完封の倍をかけた点数を勝者に払います.5 と 6 の場合,それぞれ入一 (ヤップ・ヤット),入二 (ヤップ・イー) といい,“山数 - 4”点に親の倍だけをかけた点数を勝者から受け取ります.親が入一,入二で負けたときは,例外的に,親の倍もつきません.

(親の倍) 点を支払う人か受け取る人が親の場合,点数に親の倍がかかります.例えば,親が手に勝てず取った山が 1 山の場合,(4 - 1)×2=6 点を手の勝者に払います.なお,ハイリスク・ハイリターンの親をおいしく辞めることを認めないために,親が入一,入二で負けたときにもらう点には,親の倍はつきません.親を続けて務めたときは,この倍を 2 度目の親では 3 倍,3 度目の親では 4 倍と親が続く限り増やします.

(勝ち方の倍) “至尊”での結を包尊 (パウ・チュン) といい点数が倍になります.4 枚組みでの結を四大包 (セイ・タイ・パウ) といい,点数が 4 倍になります.最弱の武“1-2”での結を幺結 (イウ・キッ)といい,点数が倍になります.包尊,四大包,幺結による倍は,勝者に払う点だけにつき,勝者から点をもらう入一,入二にはつきません.
最終周に 1-2 を先手で出して,2-4 が結なら,擒 (カム) といい,1-2 を出した人は,勝者への支払いをひとりで肩代わりします.そのうえ,払う点数が 2 倍になります.擒のときも,入一,入二の人は,勝者から擒の倍なしに点をもらいます.

(完封の倍) 8 山すべてを取って勝ったとき,結の 2 山縛りの助けなしに勝てなかった場合は七支 (チャッ・チー) といい点数が倍になります.それ以外の完封勝ち,つまり 2 枚以上か,確実に勝てる 1 枚で最終周を勝った場合は八支 (パッ・チー) といい点数が 4 倍になります.

祝儀


最終周以外で至尊の先手と 4 枚組みの勝負があったら,すぐに祝儀を受け渡しします.親が受け取る点と払う点には,親の倍がつきます.

(1) 賀尊 (ホー・チュン)

至尊“2-4 と 1-2”を先手で出したら,他の 3 人から 2 点ずつもらえます.最終周の場合,包尊の倍になり,この祝儀はありません.

(2) 四大賀 (セイ・タイ・ホー)

4 枚組みの周に勝った人は,他の 3 人から 4 点ずつもらいます.最終周の場合,四大包の倍になり,この祝儀はありません.

文武尊


文武尊を認めるか認めないかは事前に決めます.

文の最弱牌である 1-5 のペアを“文尊 (ぶんそん,マン・チュン)”,“2-4 と 1-2”を“武尊 (ぶそん,モウ・チュン)”とし,ともに至尊扱いします.

最終周の勝ち方による倍の条件に,1-5 (文で最弱の牌) 1 枚の先手を追加します.

最終周の先手で 1-5 を 1 枚で出し,1-6 を出した人に勝たれたら,先手は 勝者への支払いを肩代わりします.最終周の先手の 1-2 が 2-4 に負けたときと同じ倍を適用します.

バリエーション


ネットにある天九のルールは少ないのに,内容が記事によって大きく違います.これが地域や遊び手による違いなのか,情報源の記事が指摘するような衰退に伴うルール伝承の混乱なのかは不明です.

情報源以外のルール記述は,入一,入二を特別扱いしません.しかし,情報源の作者の知る限り,天九を遊ぶ人でこのルールを使わない人はいないとのことです.入一,入二を特別扱いしない場合,親でも子でも親の倍と勝ち方の倍がつきます.

親が始めの周に天,九,至尊を出したら八支を認めない人がいます.この場合に七支も認めない人もいます.

文尊を認めるとき,文尊が高脚対(1-6のペア)だけには負けるとする人がいます.これを認める場合,文尊の先手に高脚対で結を取ったら擒とみなす人がいます.

結でも賀尊と四大賀を認める人がいます.

四大賀を 4 枚組みを出した人全員に認める人がいます.先手で出した人,先手で出して勝った人だけに認める人もいます.

擒の倍を 4 倍にする人がいます.情報源が 4 倍は成功の難易度と失敗時のペナルティが釣り合わないと 2 倍にした理由を説明しているので,4 倍の方が多いかもしれません.

4 枚組みに擒を認める人がいます.

配牌に手役があったら,役に応じて,七支または八支として扱う人がいるとする記事があります (Alan Chan さんの天九遊戯規則.中国語版 Wikipedia の記述は明らかにこの引用).しかし,手役を説明している人は,手役が一般的でないと明記しています.

戦術


一番大切なのは,親に結を取らせないことです.そのために,親が牌を取るのを防げるなら防ぐ,最初の三順で他の子が勝っている牌に勝たないなどします.

親のとき,安全策を取って,先手のうちに取れる牌を取る人もいます.こうすると,手に勝つ可能性は減りますが,損失も減らせます.