2015年10月4日日曜日

江西南昌の麻雀

異色な字牌の順子が目につきますが,そのおかげで不要牌が少なく,ワイルドカードの多さと相まって,16枚ルールのようにいつも手が進んでいるスピード感があります.点数体系が似ている北京ルールを加速した感じもあります.

(2015.10.4)搶槓は,徳国での加点も含めツモ扱いであることを追記しました.十三爛で字牌のチーはできないことを明記しました.
(2016.1.20)全体的に修正しました.特に,流局は原則連荘,捨て牌の精を数えるとしていたのを数えない,山を残さず使うとしていたのを17列残すと,それぞれ改めました.
(2016.1.21)暗カンの作法を追記しました.カンの補充と精表示について補足しました.
(2016.1.26)槓開はいつもツモ扱いであることを強調しました.またが槓開がツモでないかのように受け取れる精釣の記述も修正しました.

道具

136枚の麻雀牌.サイコロ2つ.

最初の親は,年長者や仮親がサイコロ2つを1度振って決めます.後は,子が上がったときは親の下家(右隣)が次の親,親が上がったときと流局では親が引き続き次の親を務めます.例外的に,抄荘(4人の最初の捨て牌が同じとき)なら,親が上がっても流局でも,親の下家に親が移ります.

配牌と精(チン)

親が2つのサイコロを1度振って2つの目の合計で取り始めの山を決め,その位置の人がもう一度サイコロ2つを1度振り,2人の目の合計で残す列の数を決めます.
親が14枚,子が13枚の牌を取ったら,親が2つのサイコロを振り,牌の山の末尾を1として,反時計回りに目の数だけ数えた位置の上段の牌を表向きにします.この牌と同じ牌が正精,1つ大きい牌が副精で,どちらも,何の代わりにもなるワイルドカードです.例えば,表になったのが2萬なら,正精は2萬,副精は3萬,9索なら,9索と1索,風牌は東南西北東,三元牌は,中發白中の順です.

進行

  • 抄荘(チャオチュアン).手の最初の1周に,4人全員が同じ牌を捨てたら,抄荘になります.抄荘のときも,上がりか流局になるまで普通に打ち続けます.
  • 字牌の順子.三元牌各1枚(“中發白”),同じ風牌がない風牌3枚(例えば“東西北”)でも順子を作れます.字牌の順子もチーできます.
  • 捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかなければ分からないように,乱雑に捨てます.
  • チー・ポン・カンできます.チー・ポン・カンを誰からもらったかは,示す必要はありません.
  • 暗カンは4枚を伏せて出し,そのうち1枚を表向きにします.
  • カンの補充牌を引くとき,精表示まで来たら,飛ばさないで精表示を使うとする人がいます.ただし,カンが多いこと自体まれなので,こう書きながら,精のカンは副精だけ,精は7枚とするなど,一貫しない扱いが目立ちます.
  • 精は捨てたら,額面どおりの牌になります.
  • 精入りのチー・ポン・カンでは,精は額面どおりです.
  • 上がりで完成する面子または頭の精は,化けられます.
  • 牌の山は,17列残します.カンの補充で1枚だけになった列も1列と数える(最後の牌を常に下段にする)人と常に34枚残す人がいます.
  • 棄先不胡後.上がり牌を見逃したら,自分の順番が来るまで上がれません.ポンの見逃しの後の同じ牌のポンも,同じように制限する人がいます.
  • 頭ハネ.上がりはいつも1人です.同じ捨て牌で2人以上が上がれるときは,捨て牌を捨てた人に一番順番の近い人の上がりです.
  • 上がり.手牌と食った牌とツモあるいは捨て牌で,4面子と頭,対子7組あるいは14不搭(字牌の順子は無視して)になれば,上がれます.

上がりの点数

ツモでも振り込みでも,上がらなかった3人が,それぞれ上がった人に点を払います.次のうち当てはまるものすべての回数1点を2倍します.
  • 荘家(チュアンチャ,おや).親が払う点,もらう点どちらも2倍します.
  • 自摸.ツモで上がった人に払う点は2倍にします.
  • 点炮.振り込んだ人が払う点は2倍にします.
  • 搶槓(チャンカン).ポンに牌を足すカンが上がり牌だったとき.自摸の倍は付きませんが,自摸扱いで,チャンカンされた人に振込みの倍は付きません.チャンカンされた人のカンは不成立です.
  • 槓開.カンで補充した牌での上がり.常にツモ扱いで,自摸の倍も付きます.
  • 大七対.対対和のことなので,ポンできます.
  • 小七対.七対子.門前専用.暗槓も不可.同じ牌4枚で2対子にしても,北京や杭州のような豪華の倍は付きません.
  • 十三爛(シーサンラン).14枚の中に,同じ牌が2枚以上なく,数牌は14萬のように間が2枚以上離れている上がり型.門前専用.字牌のチーをしてはなりません.
  • 七星(チーシン).十三爛で7種類の字牌が1枚ずつある手.7枚の字牌は精でないか,精を額面どおり使わなければなりません.必ず十三爛も付きます.
  • 徳国.精が1枚もないか,すべて額面どおりに使った手.徳国自体の2倍も含むすべての2倍をかけた後,ツモと搶槓への支払い,振り込んだ人からの支払いには5点を加えす.なお,徳国は,ドイツの中国語表記です.
  • 徳中徳.徳国で他の3人に精がない場合.必ず徳国も付きます.徳国の5点増しも付きます.
  • 精釣(チンティャオ).精の単騎待ちツモ.必ず自摸も付きます.精の単騎は何でも上がれますが,徳国でない限り,ツモで上がらなければなりません.ツモで上がらない限り,精釣の倍は付きません.徳国でツモった場合,徳国も精釣も(自摸も)付きます.

例:
子の58萬,169策,7筒,東南西北,中發白に別の子が4筒を振り込んだ場合.誰も精がなかったとすると,
  • 親:1×2(七星)×2(十三爛)×2(徳中徳)×2(徳国)×2(荘家)=32
  • 振り込んだ子:1×2(七星)×2(十三爛)×2(徳中徳)×2(徳国)×2(点炮)+5(徳国への振り込み)=37
  • 振り込まなかった子:1×2(七星)×2(十三爛)×2(徳中徳)×2(徳国)=16
をそれぞれ上がった人に払います.

上がり点には,次の例外があります.
  • 天胡,地胡.天胡は親の配牌での上がり.地胡は,親の第一打牌での子の上がり.他の3人は,20点ずつ払う.親の倍,ツモの倍,振り込みの倍は付きません.

カンの点

上がりの点とは別に計算します.上がった人も上がらなかった人ももらえます.親の倍はつきません.
  • 明槓.他の3人から1組につき1点ずつ.
  • 暗槓.他の3人から1組につき2点ずつ.

精の点

上がりの点とは別に計算します.上がった人も上がらなかった人ももらえます.親の倍はつきません.
チー・ポン・カンした牌を含む手の中の精を次のように採点した結果を,他の3人から,それぞれもらいます.
  • 正精.1枚2点
  • 副精.1枚1点.
  • 冲関.精の点が5点以上のときは,次のようにします.
    5:5×2=10
    6:6×3=18
    7:7×4=28
    8:8×5=40
    9:9×6=54
    10:10×7=70
  • 覇王.4人のうち1人しか精がないとき,覇王といい,精の点を2倍にします.
  • 槓精.精をカンしたら,他の精の点とは別に,他の3人から10点ずつもらえます.この10点には,覇王や冲関の倍は付きません.この10点は,冲関の判定には含めません.また,このカンには,カンの点は付きません.4枚の精の点を,精の点として普通に計算できます.

その他

  • 抄荘のときは,親から他の3人に5点ずつ払います.
  • 流局したら,親に他の3人に5点ずつ払わせる人がいます.

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