2015年10月24日土曜日

台湾の16枚麻雀 (台灣十六張麻將)

台湾の16枚麻雀は,一目で分かる違いがあり,地理的にも近いので,わざわざここで書くこともないほど知名度の高い海外ルールだと思いますが,故意に無視していると受け取られないように,書いておきます.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の花牌8枚を入れた144枚の麻雀牌.サイコロ3つ.特に南部には花牌を使わない地域もあります.

席決め

初めは好きなように座ります.東南西北各1枚ずつの4枚を伏せてよく混ぜます.年長者などがサイコロ3つを振ります.サイコロを振った人を1として,反時計回りに3つの目の合計まで数えた位置の席を東の席にします.また,この席の人から順に,混ぜた4枚の牌を1枚ずつ取ります.東を引いた人が東の席,あとは反時計回りに南,西,北の順になるように座り直します.

最初の親は,東の席に座った人がサイコロ3つを1度振って決めます.親が上がったときと,流局のときは,連荘します.子が上がったときは,親の下家(右隣)が次の親です.一荘戦を行います.

配牌

各自18列2段の牌の山を作り,右端が左端より前になるように斜めにして,4人の山をくっつけます.親が,サイコロ3つを振り,3つの目の合計の席の人の山を,目の合計だけ残して,牌を取り始めます.最初の親だけは例外的に,親でなく仮の東の人が降った親決めの目で,牌を取り始める山と位置も決める人が多いです.

4人が4枚ずつ4回牌を取ったら,親が1枚だけ山の次の牌を取ります.これで,親の牌が17枚,子が16枚になります.ドラや福建省で一般的な金(混,財神)のように牌を表向きにして決める特殊牌はありません.

補花(ぷーほぁ)

配牌に花牌がある人は,親から順番に,花牌をすべてさらし,同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充した牌に花牌があったら,同じように,手から花牌がなくなるまで繰り返してから,次の人に順番を譲ります.

進行の特記事項

  • 自分の風と花牌の方位は,配牌のサイコロの目が当たった人(例えば,親が14を出したら,親の右隣)を東とするのが普通です.親をいつも東にする人も少なからずいます.
  • 山から花牌を引いたら,さらして,山の末尾から牌を補充します.
  • 上家からチー,他の3人誰からでもポン・カンできます.
  • チー・ポンして捨て牌を捨てる前にカンしてはならないという人がいます.
  • チー・ポンしたとき,食った牌と同じ牌を捨ててはならないという人がいます.捨てた牌と同じ牌を同一周内に食ってはならないという人がいます.
  • 上がるには,チー・ポン・カンした牌と手牌に,山から引いた牌か捨て牌で,頭と5つの面子を作ります.
  • 上がり牌を見逃したら,ツモ順が来るまで,振り込みでは上がれません.
  • 牌の山が残り16枚になって誰も上がらなければ流局です.残す牌の枚数は,16枚固定の他に,カンのたびに1枚増やす,残さず使い切るなどがあります.
  • 海底牌のツモを拒んで下家に譲れるとする人がいます.この場合,海底牌をツモって上がれなければ,そのまま捨てなければなりません.全員が海底牌を拒んだら流局です.

点数

振り込みのときは振り込んだ人が,ツモのときは上がった人以外の3人が,“底+上がり手の台数×レート”を上がった人に払います.ツモは振り込みの3倍以上になります.日本でリーチ,一発,ドラ,裏ドラで点数が何倍にもなるのが当然だと思われているのと同じように,ツモが高いのは麻雀にとって本質的なことだと受け止められています.底は事前に決めます.台の2〜4倍にすることが多いようです.例えば,“底50台20”なら,50+20×台を払います.

台が付く手と台数は,香港や広東のように満貫役があるので,多めです.人や地方によって細かい違いがあるので,何を認め何台か,事前に決めてください.
  • 荘家と連荘・拉荘.親が上がってもらう点だけでなく,親が払う点にも付きます.荘家は無条件に1台付きます.連荘と拉荘は,いつも一緒に付きます.どちらも台数は連荘した回数と同じで,例えば,二連荘なら1,三連荘なら2です.この3つを合わせると,親になったばかりなら,荘家だけで連荘と拉荘はないので1台,二連荘なら荘家と“連1拉1”で3台,三連荘なら荘家と“連2拉2”で5台のようになります.
  • 宣告聴牌,1台.単に聴牌とも眼牌ともいう.聴牌を宣言して,宣言後手を変えないで上がる.補花,加槓,待ちを変えない暗槓はできる.なお門前は不要.
  • 自摸,1台.ツモあがり.
  • 門清,1台.チー・ポン・明槓しないで上がる.振り込みでも自摸でもよいが,自摸の場合,門清自摸3台となる.
  • 三元台,1台.三元牌の刻子か槓子1つにつき1台.
  • 圏風台,1台.場の風の刻子か槓子.
  • 門風台,1台.自分の風の刻子か槓子.親が東とは限らないことに注意.
  • 花牌,1台.自分の花牌1枚につき1台.東は春と梅,南は夏と蘭,西は秋と菊,北は冬と竹が,それぞれ自分の花牌です.親が東と限らないことに注意.
  • 花槓,2台.自分の花牌1台の代わりに2台.
  • 辺張,1台.唯一の待ちがペンチャンのときだけ付く.
  • 中洞,1台.唯一の待ちがカンチャンのときだけ付く.
  • 単吊,1台.唯一の待ちが単騎のときだけ付く.
  • 搶槓,1台.
  • 槓上開花,1台.自摸も必ず付く.
  • 海底撈月,1台.ツモだけに認める人とツモも振り込みも1台を認める人がいる.
  • 全求人,2台.裸単騎の振り込み上がり.必ず単吊だが,単吊1台も付く.
  • 平胡,2台.字牌なし,花牌なし,全部順子の振り込み上がり.待ちのなかに単騎,カンチャン,ペンチャンがあったら,両面で上がっても認められない.なお門前は不要.
  • 門清自摸,3台.門清と自摸は複合しない.
  • 三暗刻,2台.3台にする人もいる.
  • 地聴,4台.最初の捨て牌での宣告聴牌.手を変えてはならない.門清と聴牌の台は付かない.自摸は1台でなく門清自摸のように不求で2台付く.子が配牌で聴牌していた場合,最初のツモの前に宣告聴牌したら天聴8台とする人がいる.
  • 対対胡,4台.
  • 混一色,4台.
  • 小三元,4台.三元牌の2台は付かない.
  • 配牌花胡,4台.配牌と補花を終えて七搶一か八仙過海なら,親は配牌で,子は最初のツモで手牌を17枚にした時点で上がり.必ず七搶一か八仙過海の8台も付く.
  • 四暗刻,5台.4台や6台にする人もいる.
  • 五暗刻,8台.
  • 清一色,8台.
  • 大三元,8台.三元牌の3台は付かない.
  • 小四喜,8台.4台にする人もいる.自分の風と場の風の台があれば付く.
  • 字一色,8台.16台にする人もいる.対対胡は付かない.
  • 七搶一,8台.1人で花牌を7枚集め,もう1枚の花牌を別の人が引いたとき.あるいは花牌を6枚集めていて,もう1枚の花牌は別の人がさらしていたときに,7枚目の花牌を引いたとき.手の形に関係なく,7枚集めた人の上がりで,もう1枚を引いた人の振り込み扱い.
  • 八仙過海,8台.1人で花牌を8枚集めたとき.手の形に関係なく,8枚集めた人の上がりで,自摸扱い.
  • 大四喜,16台.8台にする人もいる.自分の風と場の風の台は付かない.
  • 地胡,16台.親の最初の捨て牌でのあがり.
  • 天胡,24台.16台にする人もいる.

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