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2015年11月17日火曜日

浙江義烏の麻雀

少しセリ上げのような要素のある点数システムが魅力的なゲームです.浙江・福建全域に共通の特徴として,ワイルドカードがあります.あと,この地域に比較的よく見られるワイルドカードの使い方を主とした役の体系が主で,中国の他の地域や杭州でも優遇されている七対子がカス手なのは興味深いです.

道具

136枚の麻雀牌,サイコロ2つ.

親

親が上がったら連荘,子が上がったら親の右隣に交代します.流局の場合,親を続けます.

配牌

親がサイコロ2つを振り,2度目のサイコロを振る人と,財神表示の牌を決めます.財神表示は,サイコロの目の席の人が,自分の山の右端を1として右から左に目だけ数えた位置の上段の牌です.この牌を表向きにし,また,サイコロ2つを振って,財神表示の次を1として出た目だけ数えた列と次の列の間に切れ目を作ります.この切れ目から時計回りに牌の山を使います.
手牌は13枚です.親だけ最初は14枚の牌を手にします.

進行

財神表示牌はゲームに使いません.財神表示と同じ3枚の牌は財神です.財神は何の代わりにもなる万能牌です.白は,白でなく,財神表示と同じ牌になります.
チー・ポン・カンできます.
捨てられた財神は,チー・ポン・カンできません.財神入りのチー・ポン・カンはできません.
白は財神表示牌なので,チー・ポン・カンに含められます.

上がり

次のどれかで上がれます

  • 頭と4メンツ
  • 対子7組.なお同じ牌4枚で対子2組を作ってもボーナスはない.このときカンはできない.
  • 14枚に対子,搭子(両面,カンチャン,ペンチャンの2枚),順子,刻子,槓子が1組もない

上がり方は

  • 捨て牌で上がる(振り込み,放銃などという).同じ捨て牌で2人以上上がれるときは,上がり牌を捨てた人に一番順番が近い人の上がりです(頭ハネ)
  • 山から引いた牌で上がる(自摸という)
  • ポンに牌を足すカンを奪う(搶槓という)
  • カンの補充牌で上がる(自摸の一種,槓上開花という)

上がり方には,次の制限があります.

  • 2枚財神がある人は,放銃では上がれません.
  • 財飄があった手では,全員,放銃では上がれません.
  • 3枚財神がある人は,爆頭か槓開でしか上がれません.
  • 双飄があった手では,全員,爆頭か槓開でしか上がれません.

また,捨てられた財神では上がれません.

流局

山の残りが17列(じゅうなな,山1人分丸ごとです)になって誰も上がらなければ流局です.ただし,単飄なら残り7列,双飄なら残り3列になるまで続けます.

点数

上がった人に他の3人が点を払います.点は,基礎点に払う人と受け取る人の買子と2人の間の下子を加えた点に手の形による倍数をかけたものです.下子は2倍します.

基礎点は,子は5点,親は7点です.

買子.手を始める前に,買子できます.買子すると,上がったときにもらえる点の基礎点が2点上がる代わりに,自分が払う点の基礎点も2点上がります.連荘中は買子を取り消せず,追加もできません.親が交代すると,買子を取り消せます.

下子.親が上がった後,次の手を始める前に,子は,下子できます.下子は,自分と親の間の点のやり取りの基礎点を引き上げます.連荘中は下子を取り消せません.親が交代すると,下子は取り消されます.下子は,直前の親の上がりで決まり,平胡なら1子,自摸か搶槓なら2子,財神頭か開槓なら4子,単飄なら8子,双飄なら16子です.基礎点は下子の2倍増えます.連荘を続ける度に下子が2倍になるとする人がいます.

上がり方の倍は次の通りです.

  • 平胡.上がり牌を捨てた人だけ2倍,他の2人は基礎点.他に何もない振り込み上がり.親子間でしか認めない人もいる.
  • 自摸.2倍.
  • 搶槓胡.自摸と同じ.
  • 財神頭.自摸も含めて4倍.財神の単騎待ち.何でも上がれるが,自摸でしか上がれない.
  • 開槓胡.自摸も含めて4倍.カンの補充牌での上がり.
  • 単飄.自摸,財神頭も含めて8倍.財神が2枚以上ある手で,財神を捨てて,財神頭で上がる.捨てた直後の番に上がれなくてもよい.
  • 双飄.自摸,財神頭,財飄も含めて16倍.財神が3枚ある手で,財神を2回続けて捨てて,財神頭で上がる.捨てた直後の番に上がれなくてもよい.失敗したら,他の3人に財神頭相当を払う.

2015年11月4日水曜日

温州の麻雀

浙江省の南端にある温州は,不動産投資を代表とした商才と全く通じない方言で有名な地域です.ミカンは当地の名産でなかったりします.麻雀は,北隣の台州南部から福建省全域と同じように16枚です.県部(馬站鎮,龍港など)は符点・サイドありの複雑な点数計算をしますが,市部のルールは杭州や厦門とも共通した上がり方より連荘の比重が高いシンプルなものです.

(2018.11.21)4連荘での親の上がりは,席の決め直しから,親の交代に改めました.
(2015.11.6)財神の決め方を修正しました.点数計算の説明で,基数と倍数が逆になっていたのを修正しました.字牌の捨て方を書き直しました.財神銭について書き加えました.
(2015.11.5)硬牌関連の一貫しない記述を修正しました.牌を2段に積む人もいることを書き加えました.財神を末尾から7組目の内側(上)にしている例が見当たらないので,サイコロを使う決め方以外を削除しました.

道具

花牌なしの136枚の麻雀牌,サイコロ2つ.牌17枚分より長さのある細長い板4枚(牌尺.なくてもよい).

席決め

年少者などが,東南西北各1枚を取り出し,伏せてよく混ぜます.年長者などが,サイコロ2つを振り,振った人を1として反時計回りに2つの目の合計だけ数えた位置を東にします.もう一度サイコロ2つを振り,目の合計の位置の人から反時計回りに,混ぜられた4枚の牌を1枚ずつ取ります.先に決めた東の席から,反時計回りに東南西北となるように座り直します.

牌の山の作り方

すべての牌を伏せて,4人で協力してよく混ぜ,各人が17枚2列に並べます.2つの列は重ねません.内側が上の段,外側が下の段にそれぞれ対応します.牌の列は,1人に1枚ずつある定規より細長い板に沿うように置き,4人分が正方形になるように,整然と並べます.辺の左端は左隣の人の列の端,右端は自分の列の端になるように噛み合わせます.自動卓を使う場合など,他の地域のように2段に重ねることもあります .

親決め

最初の親は東の席の人です.後は,親が上がれば連荘,子が上がれば親の右隣が次の親です.流局したら,誰もカンしなかった場合,親の倍数を変えないで連荘(4連荘のときも),誰かがカンしたら,親の右隣が次の親です.

配牌

親がサイコロ2つを振ります.目の位置の人も,サイコロ2つを振ります.1度目の目の人は,目の前の牌を右端を1として,内外どちらかの列を時計回りに2人の目の合計だけ数えたら,その位置の内外2枚と次の組との間にすき間をあけます.目の合計が17より大きいときは,左隣の人の牌を続けて数えます.他のゲームの進行と異なり,牌の山は,時計周りに使います.親から順に,すき間から時計回りに2組4枚ずつ牌を16枚取ります.親だけはそのあと,次の内側の牌を1枚取って17枚にします.

財神

全員が牌を取り終わったら,2度目にサイコロを振った人が,自分の山の内側の列を,右端を1として時計回りに親が出した目まで数えた位置の牌を表向きにします.例えば,親が8,(親から8数えた席である)親の左隣が6を出したら,財神は,親の左隣の人の列の右から8枚目,牌を取り始めるのは,8+6=14の次なので,右から15枚目(左から3枚目)です.配牌のときに財神表示牌をうつ向けのまま取り除けて,配牌後に,表向きにして元の位置に収めても構いません.この牌と同じ牌3枚が財神です.財神は何にでも化けられる万能牌です.財神表示が白でないときは,白は財神表示と同じ牌になります.例えば,財神表示が2万なら,それ以外の2万3枚が財神,白は2万になります.

進行の特記事項

対子や刻子になっていない字牌があるときは,数牌より先に捨てなければなりません.
すでに捨てられた字牌が対子や刻子になっていなければ,他の字牌と数牌より先に捨てなければなりません.
捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかないと分からないように,乱雑に捨てます.
チー・ポン・カンできます.
捨て牌と同じ理由で,誰からポン・カンしたか示しません.
ポンを見逃したら,同じ一巡のうちに同じ牌をポンできないとする人がいます.
財神入りのチー・ポン・カンはできません.白は化けるのではなく財神表示そのものなので,チー・ポン・カンできます.
手牌に財神しかない場合を除き,財神を捨てられません.

上がり

上がるには,
  • 頭と5面子
  • 八対.対子8組+任意の1枚.任意の1枚が対子と同じでもよい.同じ牌4枚で対子2組を作っても,他の地域のようなボーナス点はない.
  • 財神3枚であとはめちゃくちゃ
のどれかでなければなりません.
財神の単騎待ちは,ツモでしか上がれません.
上がる人は,常に1人です.2人以上が同時に上がりの発声をした場合,上がり牌を捨てた人から一番順番の近い人の上がりで,他の人は上がりと認められません(頭ハネ).ただし,双翻はこのルールに打ち勝ちます.双翻どうしは,頭ハネになります.

流局

山が残り16枚になって誰も上がらなければ,流局です.財神表示が16枚の外にある場合,財神表示の直前に到達した場合も流局です.

点数

上がった人以外の3人は,それぞれ,上がった人に点を払います.子から子へは1枚,子から親と親から子は,事前に“2468”,“3579”などのように決めます.よく使う“2468”なら,親になってすぐの手は2枚,2連荘は4枚,3連荘は6枚,4連荘は8枚です.4連荘で親が上がったら,次の手は,下家に親を交代します.これらの点を軟牌なら1倍(そのまま),硬牌なら2倍,双翻なら4倍します.

軟牌

  • 下記のどれにも当てはまらない上がりです.財神を化けさせての振り込み上がりです.

硬牌

  • ツモ上がり(カンの補充牌での上がりは常にツモ扱い)
  • 財神がないか,財神を額面どおりに使った上がり.白は財神表示の代わりなので,財神と白で頭か暗刻を作ってもよい.白を財神表示の代わりに使わないことを要求する人もいる.
  • チャンカン
  • 軟八対.財神を化けさせた八対
  • 財神3枚残りめちゃくちゃ.この形で天胡・地胡はできない.

双翻

  • 硬八対.財神がない八対か財神を額面どおりに使った八対.財神2枚をペアにした八対とペアでない1枚に財神を使った八対も含む.
  • 三財神.財神が3枚あり,頭と5面子,あるいは,八対の形をしている手.
  • 天胡.親の配牌での上がり.
  • 地胡.親の第1打牌での子の上がり.
  • 単吊.裸単騎.財神の裸単騎は,“全求神”とも呼ばれる.全求と全球[全世界の意味]を掛けている.
双翻に対対胡を含める人がいます.

財神銭(財神のボーナス)

上がっても上がらなくても,手が終わったときに,財神を持っている人は,1つにつき1枚などあらかじめ決めた点を,他の3人からもらいます.

2015年10月21日水曜日

寧波の麻雀

著者が知る限り,普通に使われる縛りが一番高いルールです.隣町の奉化も同じ4台しばりですが,奉化には上がれば無条件に付く1台とワイルドカードがあってもなくても付く1台があります.ワイルドカードがあっても縛りがきついので,集中力を要するスピードゲームにはなりづらく,上海や香港やリーチ麻雀のようなゆったりした流局が多い麻雀です.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の花牌8枚がある144枚の麻雀牌
サイコロ2つ

親

席を決めたら,東の人がサイコロ2つを振って最初の親を決めます.あとは,一荘戦を終えるまで,親が上がるか流局したら親を変えず,子が上がったら親の下家(右隣)が親になります.

配牌と百搭

親がサイコロ2つを1度振って,牌を取り始める山,取り始める位置と百搭表示の位置を決めます.2つの目の合計の人の山を,大きい方の目だけ残して,牌を取り始めます.配牌を終えたら,牌の山の末尾を1として,反時計回りに小さい方の目だけ数えた位置の牌を表向きにします.これが百搭表示です.大きい目と小さい目の使い方を逆にする人もいます.

百搭表示はゲームに使いません.ツモかカンの補充が百搭表示まできたら,百搭表示を飛び越して次の牌を使います.百搭表示と同じ牌3枚が百搭(パイター,財神ともいう)です.百搭は,花牌以外の何の代わりにもなる万能牌です.百搭表示が花牌の場合,春夏秋冬のどれかなら他の3枚,梅蘭菊竹のどれかなら他の3枚が,それぞれ百搭になります.百搭になった花牌は,花牌の力を失うので,1枚でさらせません.

補花

百搭を決めたら,親から順に反時計回りに,手牌の花牌をすべてさらし,さらしたのと同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充で花牌を引いたら,他の人の順番を待たずに,その場ですぐにさらして補充します.手牌に花牌がなくなったら,次の人が,同じように,花牌をさらします.

進行

花牌をツモったら,配牌の後と同じようにさらし,山の末尾から補充します.
上家からチー,他の人誰からでもポン・カンできます.
チー・ポンしたとき,チー・ポンでもらった牌と同じ牌は捨てられません.大吊のときは,捨てて構いません.
チー・ポンして牌を捨てる前にカンできません.
捨てられた百搭をチー・ポン・カンできません.捨てられた百搭では上がれません.
百搭入りのチー・ポン・カンはできません.
百搭入りの面子は振り込みで完成させて上がれます.百搭の単騎待ちは,自摸でないと上がれません.
上がるには,4台以上必要です.
2人以上同時には上がれません.同じ捨て牌に2人以上が上がりを宣言したら,上がり牌を捨てた人から一番順番が近い人の上がりです.
百搭表示以外の牌を全部使い切って誰も上がらなければ,流局です.

点数

ツモであがったら,他の3人から,それぞれ手の点数をもらいます.
振り込みであがったら,振り込んだ人から,手の点数の2倍をもらいます.
点数は台(タイ)で数えます.台にレートをかけた点を受け渡します.倍々計算はしません.

  • 自摸1台
  • 辺張1台
  • 嵌張1台
  • 単吊1台 単騎待ち
  • 対倒1台 シャンポン待ち
  • 三元牌の刻子1台
  • 自分の風の刻子1台
  • 場の風の刻子1台
  • 位花1台 自分の風と合う花牌.東は春と梅,南は夏と蘭,西は秋と菊,北は冬と竹.
  • 平胡1台 4面子が全部順子で頭がポンで台がつく字牌ではない手.待ちや門前の制限はない
  • 大吊(車)1台 裸単騎.必ず単吊1台も付く
  • 槓上開花1台 常に自摸扱い
  • 海底撈月1台 必ず自摸1台も付く
  • 硬胡1台 百搭がないか,百搭を額面通りに使った手
  • 対対胡2台
  • 混一色2台
  • 四花2台 春夏秋冬または梅蘭菊竹を揃える.位花1台は付かない
  • 三搭(三財神)3台 この3台は4台しばりには含めない
  • 清一色4台
  • 字一色4台
  • 八花6台 四花2台,位花1台は付かない
  • 地胡6台
  • 天胡8台


点数の特例と包


  • 拉槓(ラーカン,チャンカンのこと)には自摸がつき,かつ拉槓された人は,点数の5倍をあがった人に払います.他の2人は何も払いません.
  • 大明槓で槓上開花された人は,点数の5倍をあがった人に払います.他の2人はそれぞれ点数×1を払います.
  • 同じ手のうちにAがBから3つチー・ポン・カンすると,AとBは互いに包の関係になります.包の相手が自摸であがったら,点数の5倍を払い,他の2人は何も払いません.包の相手が振り込みであがったら,点数の2倍を払い,振り込んだ人も点数の2倍を払います.
  • 槓上開花の5倍払いと包が両方成り立つ場合,包の点しかもらえません.

2015年9月25日金曜日

浙江奉化の麻雀

奉化は浙江省の寧波に近い市で,蒋介石の出身地として有名です.寧波の麻雀をベースに,特殊な上がり方ばかりを選んで加えたような不思議なルールです.

(2015.10.4)“正風”,“位風,圏風”の間違いを直しました.
(2016.1.1)百搭の決め方を寧波のルールと同じように修正しました(寧波のサイトで,奉化の百搭の決め方に,一切特別な記述がないので,同じ流儀と判断しました).
(2016.1.9)点数を現代のものに変更しました.

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹の8枚の花牌を加えた144枚の牌を使います.

親

最初の親は,仮東がサイコロ2つを1度を振って決めます.親が上がるか流局したら,引き続き親を務めます.そうでなければ,親の下家(右隣)が次の親です.

配牌と百搭

親がサイコロ2つを1度振って,牌を取り始める山,取り始める位置と百搭表示の位置を決めます.2つの目の合計の人の山を,大きい方の目だけ残して,牌を取り始めます.配牌を終えたら,牌の山の末尾を1として,反時計回りに小さい方の目だけ数えた位置の牌を表向きにします.これが百搭表示です.大きい目と小さい目の使い方を逆にする人もいます.
百搭表示はゲームに使いません.百搭表示と同じ牌3枚が百搭(パイター,財神ともいう)です.百搭は,花牌以外の何の代わりにもなる万能牌です.百搭表示が花牌の場合,春夏秋冬のどれかなら他の3枚,梅蘭菊竹のどれかなら他の3枚が,それぞれ百搭になります.百搭になった花牌は,花牌の力を失うので,1枚でさらせません.

花牌

配牌に花牌があったら,親の最初の捨て牌の前に,親から順に反時計回りに,配牌の花牌をすべてさらし,さらしたのと同じ枚数の牌を,山の末尾から補充します.このとき百搭表示は引かないで飛ばします.山や補充牌で花牌を引いたときも,同じようにさらして補充牌を引きます.

進行

チー・ポン・カンできます.
百搭入りの面子はチー・ポン・カンできません.
4メンツと頭以外に,大大胡(十三不搭),乱老頭,七対頭(七対子),花牌8枚でも上がれます.
百搭の単騎待ちは,自摸でなければ上がれません.
2人同時には上がれません.振り込んだ人から順番が一番近い人の上がりになります(頭ハネ).
振込みで上がるには,上がり手の点が4台以上でなければなりません.かつては3台以上でした.自摸なら,4台なくても上がれます.
牌の山を百搭表示の直前まで使って誰も上がらなければ,流局です.使える最後の牌は海底牌といいます.海底牌は,引くか引かないか選べます.引かない場合,次の順番の人が同じように引くか引かないか選びます.4人とも引くのを拒否した場合,そのまま流局します.

点数計算

点数は台(たい)で数えます.上がった人の手にあるすべての台数を合計してから,1の位を10に切り上げます.1~2台でない点数は,時代,人や地域による違いが大きいので,以下は一例と捉えてください.1990年代(以下“旧”と略します)までは,30台の倍数を基本にした体系で,2000年代以降(以下“新”と略します)は50台の倍数が主流です.自摸上がりのときは,上がっていない3人が,それぞれ点数の2倍を払います.振込み上がりのときは,振り込んだ人は点数の2倍,それ以外の2人は,それぞれ点数そのままを払います.
  • 坐台,1台.上がれば必ず付く.百搭もあってもなくても1台は付くので,4台しばりは,実質2台しばりになる.
  • 朋胡,1台.4メンツがすべて順子.待ちと頭は何でもよい.
  • 中發白の刻子,1台.
  • 正風,2台.自分の風と場の風が同じときの自分の風の刻子.
  • 位風,圏風,1台.自分の風か場の風の刻子.
  • 辺,嵌,単吊,対倒,1台.単吊は単騎,対倒はシャンポン待ち.
  • 自摸,1台.
  • 無搭,1台.百搭がない手.
  • 一搭,1台.百搭が1枚だけの手.
  • 二搭,2台.百搭が2枚の手.
  • 還搭,1台.手のすべての百搭を額面通りに使う.
  • 拉槓胡,上がり方としては認められるが,特にボーナス点はないことが多い.
  • 海底撈月,上がり方としては認められるが,特にボーナス点はないことが多い.
  • 十三不搭(大大胡),50台.いつ聴牌してもよい.上がりの14枚に,対子,メンツ,両面待ち,カンチャン,ペンチャンが1つもない.数牌はスジ以上離れている必要がある.
  • 大大胡(暗七星),150台.字牌各1枚計7枚がある大大胡.字牌7枚が手の内に揃っている場合.
  • 大大胡(明七星),100台.字牌各1枚計7枚がある大大胡.上がり牌で字牌7枚が揃う場合.
  • 大大胡(欠色),150台.大大胡で,手牌に数牌1種を欠き,欠けている種類の牌で上がる.必ず暗七星になるので暗七星とは複合しない.
  • 大対対(有搭),50台.対対和.百搭あり.
  • 大対対(無搭),100台.対対和.百搭なし.
  • 大吊車(有搭),50台.裸単騎.百搭あり.百搭の裸単騎なので,何でも上がれるが自摸限定になる.
  • 大吊車(無搭),100台.裸単騎.百搭なし.
  • 七対頭(有搭),50台.百搭あり七対子
  • 七対頭(無搭),150台.百搭なし七対子.
  • 七対頭(暗炸),100台.手の内に同じ牌が4枚揃っている七対子.有搭無搭の七対頭の台と複合する.4枚に百搭を使ってはならない.
  • 七対頭(明炸),50台.上がり牌で同じ牌が4枚揃う七対子.有搭無搭の七対頭の台と複合する.4枚に百搭を使ってはならない.
  • 混一色,70台.切り上げたとき,清一色150+10=160の半分になるように設定されています.
  • 清一色,150台.
  • 天胡,認めるなら乱老頭/清老頭のように祝うだけで点数にはしない.
  • 地胡,認めるなら乱老頭/清老頭のように祝うだけで点数にはしない.
  • 乱老頭,400台あるいはご祝儀.祝い方としては,”全員で起立して国歌斉唱(笑)”と書いている人がいる.字牌しかない手.字牌以外がなければ,4メンツも頭も不要.メチャクチャ役だが,ポン・カンしてもよい.
  • 清老頭,800台あるいはご祝儀.混乱を招く役名だが,字一色のこと.字牌だけで4メンツと頭を作る.
以下の花牌,カン,三百搭の台数は,4台しばりには含めません.
  • 八花(搓胡),800台あるいはご祝儀.花牌を8枚集めても上がらずに,プレーを続けて,普通に上がったとき.
  • 八花(直胡),400台あるいはご祝儀.花牌を8枚集めたら,4メンツと頭ができてなくても上がれる.4台しばりの例外.
  • 直槓(不開花),50台.手持ちの暗刻でした明槓.補充牌で上がれなかった場合.
  • 直槓(開花),100台.手持ちの暗刻でした明槓の補充牌で上がったとき.
  • 暗槓(不開花),100台.補充牌で上がれなかった場合.
  • 暗槓(開花),150台.補充牌で上がったとき.
  • 風険槓(不開花),100台.ポンした牌での明槓.補充牌で上がれなかった場合.
  • 風険槓(開花),200台.ポンした牌での明槓の補充牌で上がったとき.
  • 花槓槓開,50台.花牌の補充牌での上がり
  • 普通三百搭,150台.百搭3枚
  • 三花三百搭,300台.花牌が百搭のときの百搭3枚
  • 正花,2台.自分の席の花牌
  • 四花,150台.花牌4枚一式.

包

  • 拉槓(搶槓,チャンカン)は,点数は自摸扱いで,チャンカンされた人の包となります.
  • 同じ人に4メンツ食われたら,食われた人の包です.包関係は,上海のような両方向でなく単方向で,食った人が上がった場合だけ,食われた人が1人で責任払いします.
  • 清一色,混一色または大対対(対対胡)を作っている人に3回食われた人は包です.この包関係も単方向です.
  • 海底牌で振り込んだ人は包です(海底牌は拒否できる).

2015年9月13日日曜日

浙江台州の麻雀

浙江省台州市の*現代の*ルールです.符点が点数の主役であること,符点が偶数であることに意味があること,上がらなかった3人の間の点数授受があるのが特徴です.上がらなかった3人の間の点数授受は,日本ではサイドと言われ,麻雀導入初期には行われていました.カンがあるとこのサイドで大きめの点が動きます.カンの点を上がりと別に受け渡しするルールがある地域は,サイドの面影を留めていると感じます.
ここで紹介するのは,同市中心部3区の1つ路橋区の13枚ルールです.同市の黄岩区,椒江区(の“搓胡”)と台州の北隣の寧海県では同じく手牌13枚,椒江区の“翻白板”,温嶺,玉環では手牌16枚で,同じ点数システムに,飜の付く役や牌を少し追加して,遊ばれています.

上がらなくても点が入ることがあるとはいえ,作りやすさと点の高さからみて効率良い手を狙うゲームであることには変わりありません.基本戦術は,(1)中發白か自風を死守してワイルドカードも絡めて暗刻化かポンして1台(飜)を付ける,運がよければそれに混一色も付ける.(2)手とツモに恵まれたら清一色,逆にダメなら上がり度外視でポン・カンを狙う.(3)50胡前後以上の手を狙えない限り,中發白の初牌は捨てない.の3つです.
主な情報源は次のサイトのルール記述です(リンク切れあり).

(2015.9.15)前書きを整理しました.情報源を追記しました.台州19楼という掲示板で,小四喜に当たる手を上がった人のスレッドを見たら,四風会斉を認める人より認めない人がはるかに多かったので,本文の記述にそのことを反映しました.
(2015.9.16)参考資料のサイト名とURLを示しました.清一色での白の扱いを書き直しました.三元牌と自分の風には単騎の符点を認める人がいることを書き加えました.
(2015.9.17)符点は“胡”, 飜数は“台”,ワイルドカードは“財神”と台州当地の表現に合わせました.
(2015.10.21)符点計算を教えろという台州19楼のスレッドで,全員が待ちの符点はカンチャンだけと書いていたので,単騎の符点を認める一部資料の記述を対子の符点との混同と断定し,削除しました.上がり牌を見逃した場合の振り込み上がりへの制限と,それに関連した財神の単騎待ちに関するルールを書き加えました.
(2015.10.23)チーのさらし方の作法を書き加えました.少し文章を添削しました.
(2015.10.25)白のポンについて,書き加えました.
(2015.11.30)暗槓のさらし方ついて書き加えました.
(2016.1.4)カンの補充牌の取り方が違う(真の逆順で下が先)ことを見逃していたので,加筆しました.

道具

136枚の麻雀牌.花牌は使わない.サイコロ2つ.

親

親が上がったら連荘,そうでなければ,親の下家(右隣)が次の親です.流局でも親は交代します.
親は東,親の下家(右隣)は南,親の対面は西,親の上家(左隣)は北が自分の風です.場の風はありません.

配牌と財神

親がサイコロ2つを振り,出た目の合計の席の人がもう一度サイコロ2つを振り,1度目のサイコロで選ばれた人から見た山の右端から,2人の目の合計だけ数えた位置で牌の山を分け,牌を取り始めます.
配牌で親は14枚,子は13枚の手牌を取ります.チョンチョンで残った下ヅモの牌を表向きにし,牌の山の末尾近くにのせます.この牌はゲームに使いませんが,同じ牌3枚が財神になります.上がった手に限り,財神をどの牌の代わりにもでき,白を財神の牌の代わりにも白そのものとしても使えます.


手の進行

捨て牌は,全員がよく見えるように自分の前に出してから,全員の捨て牌が乱雑に置かれている中央へ押し出します.
チー・ポン・カンできます.
チー・ポン・カンした牌は,自分の手牌の背中側に並べてさらします.生牌が分かるように,チーでもらった牌は横向きにします.上海や杭州のような包や,リーチ麻雀のような振り聴はないので,誰から食ったかは示しません.横向きの牌は右側に置くことが多いです.暗槓は4枚を伏せてさらし端の1枚だけを表向きにします.
カンの補充牌は,山をツモ順の逆,つまり,山の末尾の下の牌を上の牌より先に使います.
財神入りのチー・ポン・カンはできません.白はポンできますが,ポンした白は財神表示に化けられません.
ポンを見逃したら,自分の順番が来るまで,同じ牌をポンできません.ポン・カンで順番を飛ばされたときも,順番が来たものとみなします.

上がり

手の牌とチー・ポン・カンした牌に,山から引いた牌か捨てられた牌を合わせて,1組の対子と4つの面子ができたら,上がれます.これ以外の手の形はありません.カンの補充牌と搶槓(チャンカン)でも上がれます.搶槓のカンは,点数計算のとき,成立していないものとみなします.
捨てられた財神では上がれません.財神入りの面子を捨て牌で完成させて上がれます.
1つの捨て牌で2人以上があがれるときは,捨て牌を捨てた人に一番順番の近い人1人の上がりになります.
上がり牌を見逃したら,次に順番が来るまでは(飛ばされた場合も含む),振り込み上がりに制限がかかります.見逃したのと同じ牌では上がれない,あるいは,見逃した牌より高い上がりでなければ上がれないのどちらにするか,事前に決めてください.これに関連して,財神の単騎待ちは,すべての牌が待ち牌で,財神単騎に構えたときから,常に上がり牌を見逃しているので,自摸でしか上がれない,あるいは捨て牌で自摸上がっていた場合より点が高くないと振り込みでは上がれないのどちらかにします.
上がったら,手は終わり,点数計算を行います.

流局

牌の山が残り7列14枚になったら黄牌,荒牌などと書かれる流局です.残す牌はカンで補充牌を引くたびに,上下2枚の1列を加えます.したがって,残す牌の枚数は,カンのたびに1枚ずつ増えます.

点数計算

手が上がりでおわったら,上がった人だけでなく,全員が点数を計算します.上がった人の点が財神と白の化け方で変わる場合,点が最大になる化け方で計算します.
点数は,手にある胡数(ふすう)すべての合計を,該当する台数(たいすう)の合計回数2倍した結果です.例えば,14胡(ふ)の手に2台(たい)あれば,14を2回2倍した56胡が点数になります.

辣子,臘子(どちらも発音はラーツ).点数の上限です.路橋では100胡です.点数が100胡を超える場合,100胡を超える点は捨てて100胡とします.

胡数(和数)

“胡”または“和”はフと読みます.符点のことです.語源的には“和数”,“和頭”などと書くのが正しいのですが,“和”は普通はフと読まないので,“胡”の字を当てることが圧倒的に多いです.

(1) 全員が得点できる胡数
上がった人だけは,対子,刻子,槓子に財神(と財神の牌に化けた白)を入れられます.上がりで完成した対子,刻子にも胡が付きます.刻子が自摸上がりで完成したら暗刻,振り込み上がりで完成したら明刻です.上がっていない人は,手に複数の得点できる対子があるとき,すべての点を得点できます.
  • 自分の風か中發白の対子:2胡
  • 刻子と槓子.次の表の通りです.槓子の点はカンしていないと認められません.カンしてない牌が4枚あるときは,刻子1組の点を数えます.
    2~8  19字牌 
明刻2胡4胡
暗刻4胡8胡
明槓8胡16胡
暗槓16胡32胡

(2) 上がった人だけの胡数
  • 胡底:10胡.上がれば手の内容,形に関わらずもらえます.
  • 対対胡:4胡.対対和です.台数でなく,胡が付きます.
  • 嵌檔.2胡.カンチャン.路橋では,ペンチャンと単騎には胡はつきません.
  • 自摸.2胡.ツモ上がり.

台数

“飜(ふぁん)”を浙江,福建,台湾ではファンと言わず,“台(たい)”といいます.2倍の回数です.“台頭”のように“上げる”という意味があります.

(1) 全員に付く台数
上がった人だけは,財神を入れられます.
  • 自分の風の刻子,槓子:1台
  • 中發白の刻子,槓子:1組につき1台
  • (参考,認めない人が多い)四風会斉:13台.上がりは13台上がらなければ4台という人もいる.点数はどれでも辣子になる(風の刻子3つで少なくとも12胡,12胡の4台で192胡).風が4種類そろった手.大四喜でないと認めない人と,小四喜でも認める人がいる.小四喜の場合,対子は自分の風であることを求める人がいる.

(2) 上がった人だけに付く台数
  • 清一色.3台.額面の種類が違う財神が混じってよい.例えば,萬子の清一色に,索子の財神を入れてもよい.財神表示と同じ種類の牌を揃えるなら,白が混じってもよいが,白をポンしたら白入りの混一色になる.白の暗刻はよい.
  • 混一色.1台.額面の種類が違う財神が混じってよい.
なお,平和相当の上がり,カンの補充牌での上がり,チャンカン,海底撈月には,台はつきません.

上がった人への支払い

上がった人以外の3人それぞれが払います.
  • 払う人か上がった人が親の場合,上がった人の点数を払います.
  • どちらも親でない場合,上がった人の点数が辣子なら辣子,そうでなければ,点数の2分の1を払います.

上がらなかった3人の間の支払い

3人は,互いの点数を比べ,点数の低い方が高い方に払います.
  • 払う人かもらう人が親の場合,点数の高い方から低い方を引いた差.
  • どちらも親でない場合,点数の高い方から低い方を引いた差の2分の1.

包(パオ)

ハイリスクな捨て牌をした人が責任払いすることです.
  • 中發白のうち2種類をポン・カンしている人に,残り1つを生牌(ションパイ,一度も捨てられていない牌のこと)で捨てて上がられたら,上がり牌を捨てた人の包になり,その手のすべての支払を肩代わりします.捨てた三元牌が生牌でなければ,包になりません.
  • 3組以上のチー・ポン・カン(暗槓を除く)で同じ種類の牌をさらしている場合,同じ種類の牌を捨てて清一色を上がられたら,上がり牌を捨てた人は,その手のすべての支払を肩代わりします.捨て牌が,生牌でなくても包になります.
  • 聴牌でも一向聴でもないとき,生牌の中發白を捨てて上がられたら,上がり牌を捨てた人は,その手のすべての支払を肩代わりします.
生牌でなくても包にする人がいるなど,違いが大きいので,事前に相談してください.

点数の簡素化

点数の精算には,最小単位が1のチップを1人あたり500前後用意するか,紙と鉛筆で点を記録する必要があります.これが面倒なら,次のように点数を切り上げて丸めます.
  • 点数を計算し終えたら10の位に繰り上げる.例えば,12胡でも18胡でも20胡になる.
  • 繰り上げた点で上がりとサイドの支払いを計算する.繰り上げ結果が同じなら,元の点が違っても同点とする.例えば,上がらなかった3人の繰り上げ前の点が,それぞれ2胡,4胡,10胡なら,繰り上げて全員10胡になるので,サイドはない.
  • 繰り上げて100胡になったときは辣子扱いしない.