人数とカード
4 人.3 人,5 人でも可能.4 つの印は,王 (R),妃 (D),騎士 (C),召使 (V),10~1 の 14枚,切札は 21~1 の 21 枚,エクスキューズ (★) 1 枚の計 78 枚.
カードの強さと点数
4 つの印は,強い順に,R,D,C,V,10,9,…,2,1 です.1 は一番弱いカードです.切札は,強い順に 21,20,…,2,1 です.エクスキューズはいつも負けます.
カードの点は,普通のカード 1 枚との 2 枚組単位で数えます.切札の 21,1 とエクスキューズの 3 枚は,ブー (bouts) またはウドレール (oudlers) と呼ばれ,1 組 5 点,R も 5 点,D は 4 点,C は 3 点,V は 2 点,それ以外のカードは普通のカードで,1 点です.ブーと R は,1 枚 4.5 点,D は 3.5 点,C は 2.5 点,V は 1.5 点,普通のカードは 0.5 点と考えてもいいです.
カードを配る
最初にカードを配る人は,好きな方法で決め,あとは反時計回りに交代します.ゲームを始める前に 1 度だけシャッフルするほかは,シャッフルしません.カードを配る人は,左隣の人にカードをカットしてもらってから,右隣の人から反時計回りに,ひとり 18 枚の手札を 3 枚ずつ配ります.また,6 枚の山札, フランス語では“犬”を意味する“ル・シアン (le chien)”を場に伏せて置きます.山札は,最初と最後に配らず,2 枚続けて配らなければ,いつ配っても構いません.3 人のときは手札 24 枚山札 6 枚,5 人のときは手札 15 枚山札 3 枚にします.
手札を配り終わったら,手札に切札が 1 (プチ) しかなく,エクスキューズもない人は,そのことを言わなければなりません.そうしたら,配り手を交代して,手を配り直します.この場合に,配り直しにしないで,プチもエクスキューズのように扱ってカード勝負を行う人もいます.手札に切札が 1 枚もないときと,絵札と切札の合計が一定の枚数以下の場合も,同じように配り直しにする人が多いです.
せり
カードを配り終えたら,配り手の右隣から,反時計回りにせりを行います.せりでは,その手で最後に言われたものより上の目標を言うか,パスします.パスしたら,その手のせりには戻れません.全員がパスしたら,配り手を変えて配り直します.せりで言える目標は,公式ルールでは,下から順に次のとおりです.
- プリーズ (prise).山札交換を行う.
- ギャルド (garde).プリーズと同じ.得失点は倍.
- ギャルド・サン(・ル・シアン) (garde sans [le chien]).山札を交換しない.山札の点は自分のもの.得失点は 4 倍.
- ギャルド・コントル(・ル・シアン) (garde contre [le chien]).山札を交換しない.山札の点は相手のもの.得失点は 6 倍.8 倍にする人もいます.
競技会以外では,プリーズとギャルドの代わりに次の 2 つを使う人もいます.
- プチット (petite).プリーズと同じ.
- プス (pousse).プチットと内容も得失点も同じだが,プチットより上.
せりに最後までパスしないで残った人が親となります.他の全員は,子となり,協力して,親の目標を阻むことを目指します.
5 人のときは,親は,山札交換の前に,4 枚の R のうちの 1 枚を指名します.この R を持つ人は,親のパートナーになります.親の手札に R が 4 枚あるときは,D を指名します.R も D も 4 枚ずつあるときは,C を指名します.R,D,C が全部 4 枚あるときは,パートナーなしに 1 人で親を務めなければなりません.
山札交換
プリーズ (プチット),プス,ギャルドの場合,親は,山札を表にして全員に公開してから,手札に加え,同じ枚数の手札を伏せて捨てます.R と切札は捨てられません.他に捨てられるカードがなければ,ブー以外の切札を捨てられます.切札を捨てた場合,捨てた切札を他の人に見せなければなりません.捨てたカードの点は,親のものになります.
全勝を目指す“シュレム (chelem)”の宣言は,山札交換後,カード勝負が始まるまでの間に行います.せりと一緒にシュレムを宣言しても構いません.
カード勝負
18 枚の手札で 18 回のカード勝負を行います.配り手の右隣,シュレム宣言があった場合,シュレム宣言した人が,最初の先手です.その後は,直前のカード勝負に勝った人が先手です.先手は,好きな手札を 1 枚表向きにして場に出します.その後,先手の右隣の人から,順番に反時計回りに 1 枚手札を表向きにして場に出します.このとき,先手がスペードならスペード,クラブならクラブ,ダイヤならダイヤ,ハートならハート,切札なら切札があれば出さなければなりません.合う種類がなく切札があるときは切札を出さなければなりません.それもないときは,好きな手札を出します.切札を出すときは,場に出ているカードに勝てる切札を持っていたら,出さなければなりません.全員が 1 枚ずつ手札を出したら 1 回のカード勝負は終わります.一番強い切札,切札が出なかったときは,先手と同じ印で一番強いカードを出した人が勝ちです.勝った人 (側) は,カード勝負に出されたカードとカードの点を得ます.
エクスキューズは,このルールを無視して,いつでも出せます.エクスキューズはカード勝負にかならず負けますが,勝った人が取るのでなく,出した人 (側) の取札になります.カード勝負に勝ったのにエクスキューズを取れなかった人 (側) は,相手の取札から普通のカードを 1 枚もらえます.相手の取札に普通のカードがなければ,後からもらいます.先手がエクスキューズのときは,右隣の人は何を出してもよく,その印が,そのカード勝負の印になります.18 回目のカード勝負にエクスキューズが出たときは特別で,エクスキューズは,出した人の相手側のものになります.ただし,直前の 17 回すべてに勝った人 (側) がエクスキューズを出したときは,例外的に,エクスキューズは出した人のものになります.
1 回目のカード勝負に手札を出すときに,手札に切札が 10 枚以上,13 枚以上,または 15 枚以上ある人は,それぞれシングル,ダブル,トリプルのポワニェ (poignée) を宣言できます.点数は,シングルが 20 点,ダブルが 40 点,トリプルが 60 点です.ポワニェは,常に勝った側の点になるので,自分側が勝てないと考えるときは,宣言しないほうが得です.3 人のときは,13 枚以上で 20 点,15 枚以上で 40 点,18 枚以上で 60 点です.5 人のときは,8 枚以上で 20 点,10 枚以上で 40 点,13 枚以上で 60 点です.
1 回目のカード勝負に手札を出すときに,手札に切札も絵札もない人が,“ミゼール”を宣言することを認める人がいます.ミゼールの点は 10 点です.
得点計算
親の取札の点が目標点以上なら,親は,他の人ひとりずつから,次の点をもらえます.目標点に達しなかったら,親は,他の人ひとりずつに,次の点を払います.目標点は,親がブーを何枚取ったで変わり,ブー 3 枚なら 36 点,2 枚なら 41 点,1 枚なら 51 点,0 枚なら 56 点です.
点は,“(25 点 + 目標点と親の取札の点の差の絶対値 + 最後のプチの点)×せりの倍 + ポワニェのボーナス + シュレムのボーナス”です.
18 回目に切札の 1 (プチ) が出た場合を,Petit au bout (最後のプチ) といいます.全勝した人が 18 回目にエクスキューズ,17 回目にプチを出したときも,最後のプチと認められます.最後のプチに勝った側が点数をもらう側のときはプラス 10 点,点数を払う側のときはマイナス 10 点です.
シュレムを宣言して全勝すると 400 点,失敗すると 200 点です.宣言なしのシュレムは 200 点です.15 勝することを意味するプチ・シュレムを認める人もいます.宣言に成功して 300 点,失敗して 150 点,宣言なしだと 150 点です.
せりの目安
手札を次のように採点します.
- 切札の 21 は 10 点.エクスキューズ 8 点.切札の 1 は 切札が 1~3 枚のときは 0 点,4 枚なら 5 点,5 枚なら 7 点,6 枚以上なら 9 点.
- ブーを含む切札 が 4 枚以上あるなら,切札 1 枚につき 2 点.切札の 16~21 1 枚につき 2 点.切札の 16~21 が連続していたら,1 枚につき 1 点.
- 同じ印の王と妃は 10 点.妃なしの王は 6 点.王なしの妃は 3 点.騎士は 2 点,召使は 1 点.
- 同じ印のカード 5 枚は 5 点,6 枚は 7 点,7 枚以上は 9 点.
- ギャルド・サンかギャルド・コントルなら,ある印が手になければ 6 点,ある印のカードが 1 枚しかなければ 3 点.
39 点以下ならパス,40 点以上 55 点以下ならプリーズ,56 点以上 70 点以下ならギャルド,71 点以上 80 点以下ならギャルド・サン,81 点以上ならギャルド・コントルをせりで言ってもよいでしょう.
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