2013年8月23日金曜日

ブロートのカードの出し方のルールについて

フランスのブロートは,何回か遊んで慣れるまでは,カードの出し方のルールが,間違えずに遊べるのかと思うぐらい複雑です.

(1) 先手と同じ印のカードが手にあれば出す.
(2) 先手と同じ印が手になく,相手のカードが勝っているなら,切札があれば出す.
(3) 先手と同じ印が手になく,味方のカードが勝っているなら,好きなカードを出す.
(4) 切札を出す義務がある場合,勝っているカードに勝つ切札があれば出す.
(2) には,次の変種があります.
(2+) 先手と同じ印が手になく,相手のカードが勝っているとき,それに勝つ切札がないなら,負ける切札があっても,好きなカードを出してよい.

このルールがさまざまな国にそのまま伝わったわけではなく,ギリシャやサウジアラビアのブロートで使われるルールは,次の通りです (情報源は Wikipedia の記事だけなので,どこまで正確かはわかりません).
(1) 先手と同じ印のカードが手にあれば出す.
(2) 先手と同じ印が手にないとき,切札があれば出す.勝っているカードに勝てる切札があれば出す(ギリシャ).
(3) 先手が切札のときは,勝っているカードに勝つ手札があれば出す.

この系統のゲームの発祥地と考えられているオランダのクラバーヤッセン (必ず8枚の手札を配りきることと,カード勝負に出たカードに役を認めることを除いては,ブロートとほぼ同じゲームです) は,主なカードの出し方に,次の 2 通りがあります.どちらも,ブロートよりは簡単です.アムステルダム式は,(2+) を採用したブロートに近いですが,先手の印が手になく,味方のカードが勝っているか,勝つ切札がないとき,出ているカードに負ける切札を自由に出せない点が違います.

(アムステルダム式)
(1) 先手と同じ印があれば出す.
(2) 先手と同じ印がなく,相手のカードが勝っている場合,それに勝つ切札があれば出す.
(3) どんな場合でも,出ている切札に負ける切札は,他に選択肢がないかぎり出せない.

(ロッテルダム式)
(1) 先手と同じ印があれば出す.
(2) 先手と同じ印がなく,出ているカードに勝つ切札があれば出す.
(3) どんな場合でも,出ている切札に負ける切札は,他に選択肢がないかぎり出せない.

19 世紀後半から,1940 年ごろにブロートに抜かれるまで,フランスで一番人気のあったマニーユ (manille) のカードの出し方は次の通りです.ブロートは,もともとフランスで広く知られていて,同じ32枚のトランプを使うゲームの影響を受けたのではないでしょうか.
(1) 先手と同じ印のカードが手にあれば出す.
(1+) このとき,相手のカードが勝っていて,それに勝つカードがあれば出す.
(2) 先手と同じ印が手になく,味方のカードが勝っているなら,好きなカードを出す.
(3) 先手と同じ印が手になく,相手のカードが勝っていて,それに勝つ切札があれば出す.勝つ切札がなければ,好きなカードを出す.

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