2015年9月5日土曜日

湖北宜昌の「血流成河」麻雀

四川の「血戦到底」を一歩進めたようなルールです.上がっても抜けずに打ち続けます.2度以上上がって上がるたびに点を得られますが,相手のツモや上がりには点を払わなければなりません.

人数と道具

4人.東南西北白發中を除いた数牌だけの麻雀牌108枚.サイコロ1つ.

席決め・親決め・配牌

席と最初の親は好きな方法で決めます.
牌をすべて伏せ,4人で協力して混ぜあわせます.各人が,牌を伏せたまま,牌の短い辺を自分に向け,テーブルの縁に沿って,同じ長さの牌の列を作り,それに接するように同じ長さの列をもう1列作ります.列の長さは,親と親の向かいが14枚,親の左右が13枚,あるいは,親と親の向かいが13列,親の左右が14列です.牌の列ができたら,2列のまま,テーブルの中央に押し出し,4人の牌が口の字になるようにします.そして,手前の列を中央に近い列の上にのせ,2段の牌の山をつくり,山の位置を微調整します.

2手目以降は,前の手で最初に上がった人が親です.前の手の最初の上がりが2人以上同時の振り込みだった場合は,それに振りこんだ人が親です.誰も上がらないで流局したときは,前の手の親が引き続き親です.

親がサイコロ1つを牌に囲まれた中で振ります.親を1として,反時計回りに,右隣が2,向かいが3,左隣が4,親が5,右隣が6と数え,出た目の席の人は,自分の前にある牌の山を,右端を1として,時計回りに,目の数だけ数え,その列と次の列の間にすき間を開けます.親から反時計回りに,牌の山を2列2段の4枚ずつ,分け目から時計回りに取っていきます.取った牌は,自分の前に,1段の横一列に伏せて置きます.これを3周続けて,全員が12枚の牌を取ったら,親は,次に牌を取る位置の上の段の1枚目と3枚目の2枚の牌を取り,ついで,反時計回りに,順番に,下の段の牌1枚,次の列の上の段の牌1枚,下の段の牌1枚を取ります.これで,親には14枚,残り3人には13枚の牌が行き渡ります.親だけ1枚多いのは,山から引く牌をあらかじめ取っているからです.全員が牌を取り終わったら,各人が,自分だけに見えるように,牌を起こします.なお,ドラはありません.

換三張(ホァンサンチャン)

配牌を見たら,同じ種類(萬子,索子,筒子)の牌3枚を伏せて自分の前に出します.同じ種類の牌を3枚出さなければならないので,例えば萬子が1枚しかない手では,萬子は出せません.親がサイコロ1つを振ります.出た目が1か2なら下家(右隣),3か4なら対面(向かい),5か6なら上家(左隣)の人が出した牌を取り,手に加えます.

ゲームの目的と上がりの形

山から牌を引くか,他人の捨て牌をもらい,不要牌を捨てることを繰り返し,上がりを目指します.
上がるには,萬子,索子,筒子の3種類のうち,少なくとも1種類を欠く手でなければなりません.これを欠門(チュエメン)といいます.欠門でないと,上がれないだけでなく,高い罰金を払わなければなりません.
また上がるには,自分の手と,山から引いた牌または他人が捨てた牌で,組4つと頭1つを作らなければなりません.組は,同じ牌3枚,カンした同じ牌4枚,または同じ種類で数字が連続した3枚の牌です.1と9は連続していないので,912は組になりません.頭は,同じ牌2枚です.後一枚で
上がれる状態,つまり,待っている牌を山から引くか捨てられたら上がれる状態を聴牌(テンパイ)または下叫(シャーチャオ)と言います.手が終わったときに聴牌していないと,罰金があります.

手の進行

親は,手牌のうち不要な牌を1枚捨てます.捨て牌は,自分の前の牌の山よりテーブルの内側に捨てます.ついで,反時計回りに順に,山から1枚牌を引き,手から不要牌を1枚捨てることを繰り返します.山は,ゲームの進行と異なり,時計回りに使います.手の最初は,親が1枚おきに取った残りの下段,後は,上,下,次の列の上,下の順に使い,山を使い終わったら,時計回りで隣の山に移ります.

ポン.手に同じ牌が2枚あり,その牌が捨てられたとき,ポンと発声すれば,手の2枚と捨てられた1枚で3枚組を作れます.ポンした人は,この3枚を表向きにさらし,不要牌を1枚捨てます.次の順番はポンした人の右隣りになります.ポンされた牌を捨てた人とポンした人の間の順番は飛ばされます.ポンと上がりが同時にあったときは,上がりが優先されます.

カン.同じ牌4枚1組のセットを作ります.2通りの明槓(ミンカン)と暗槓(アンカン)があります.
直槓(チーカン).日本の麻雀用語では大明槓(だいミンカン)です.手に同じ牌が3枚あり,その牌が捨てられたとき,カンと発声すれば,手の3枚と捨てられた1枚で4枚組を作れます.カンした人は,この4枚を表向きにさらし,牌の山の末尾ではなく,次のツモ位置から1枚手に補充し,不要牌を1枚捨てます.次の順番は,カンした人の右隣りになります.カンと上がりが同時にあったときは,上がりが優先されます.
補槓(プーカン).日本の麻雀用語では加槓(チャーカン)です.明槓の一種です.すでに自分がポンしている牌と同じ牌を山から引いたとき,カンと発声して,引いた牌をポンした牌に加えてさらし,牌の山の末尾ではなく,次のツモ位置から1枚手に補充してから,不要牌を1枚捨てます.このカンは,搶槓(チャンカン)されることがあります.
暗槓(アンカン).手に同じ牌が4枚あるとき,カンと発声してこの4枚の1枚を表,残りを裏向きにしてさらし,牌の山の末尾ではなく,次のツモ位置から1枚手に補充してから,不要牌を1枚捨てます.

なお,チーはありません.

上がり

手とさらした牌に今他人が捨てた牌または山から引いた牌を合わせると上がれるなら,上がりを意味する発声とともに,捨て牌または山から引いた牌を手の右側に表向きに置いて上れます.上がったときは,手を伏せ,役と点数をいい,点をもらいます.手の公開は,手が終わった後に行います.
捨て牌での上がりは,日本語では振り込み,放銃など,中国語でも点炮,出銃など火器に因んだ表現をつかいます.振り聴のような,振り込み上がりを制限するルールはありません.同じ捨て牌で2人,3人が同時に上がることもできます(頭ハネなし).振り込み上がりの特別な場合に搶槓(チャンカン)があります.補槓(加槓)した牌が待ち牌だった場合,カンした牌で上がれます.搶槓されたカンは成立していないものとみなします.
山から引いた牌での上がりは,自摸(ツモ)といいます.カンの補充牌での上がりも,ツモ上がりです.このときのカンは,成立しているとみなします.
上がった人も,他の人と同じように,打ち続けます.ただし,一度上がった人は,補槓(加槓)と聴牌形を変えない暗槓以外は手を変えることはできません.上がったら,次の順番は,上がった人の下家(右隣)です.二人以上同時に上がったときは,振り込んだ人から順番が一番遠い人の下家(右隣)の順番になります.
同じ手で2度以上上がれます.上がりのたびに,点をもらえます.ただし,1度上がったら,同じ手で,1度目の上がりと違う役では上がれません.1度目の役に他の役が複合した形の上がりは認められますが,1度目の上がりの役の点しかもらえません.
1度上がっても,他の人の上がりには,点を払わなければなりません.
何人が何回上がろうが,牌の山がなくなるまで打ち続けます.牌の山を一定枚数残すことはしないで,最後の1枚まで使い切ります.
親は3枚交換直後の配牌で上がることは,認められません.上がりの条件を満たす手でも,1枚捨てなければなりません.

上がりの点数授受

振り込み上がりは,上がり牌を捨てた人が,上がった人に手の点数を払います.2人,3人が同時に上がった場合,上がった人ひとりずつに支払います.ツモのときは,他の3人が,それぞれ手の点数を払います.ツモ上がりは,振り込みの3倍の点が得られます.ツモが得なのは,日本でリーチが得なのと似た感覚で捉えられています.

手の役と点数

上がった手は,手の中にある役で点数をつけます.点数の単位は,“番(ファン)”ですが,番は足し算で,倍々計算はしません.
  • 何もない手:1番
  • 碰碰胡(ポンポンホー):3番.頭以外は刻子と槓子しかない手.対対和.
  • 清一色(チンイーソー):6番.1種類の牌だけの手.
  • 清碰(チンポン):9番.清一色の碰碰胡.
なお,番数は,人による違いが大きいです.

一度もポンしないでツモ上がりしたら,次の点を加えます.

  • 門前自摸(メンゼンツモ):プラス1番


また,上がった人と払う人がしたカンの点を加えます(槓進槓出,カンチン・カンチュー).払う人のカンは加算しない人もいます(槓進槓不出,カンチン・カンプーチュー).上がり以外では,カンの点をもらえないことに気をつけてください.

  • 明槓:1つにつきプラス1番
  • 暗槓:1つにつきプラス2番


聴牌できなかった場合の罰

手が終わったら,全員が手牌を公開します.聴牌していない人のうち,次の花猪(ホァチュー)の罰に当たらない人は,上がった人を含めた聴牌している人に,それぞれの手で上がれる一番高い役の点を払います.

欠門できなかった場合(花猪)の罰

手が終わった時に,手牌とポン・カンした牌に萬子,索子,筒子の3種類がある人は,“花猪(ホァチュー)”といい,上がった人を含めた聴牌している人に,それぞれの手で上がれる一番高い役の点の2倍を払います.3倍にする人もいます.

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