2015年8月22日土曜日

深圳・香港の「跑馬仔」麻雀

「跑馬仔」は広東語でパウマーチャイと読みます.競馬の「レース」の意味です.「大陸牌」,「碰槓牌(プンコンパイ,北京音だとポンカンパイ)」ともいいます.大陸に多い「推倒胡」系のルールを一層シンプルにしたもので,役も何も関係なく,上がりとカンでの得点を目指します.単純なルールなのに,意外に繊細で技巧的なゲームです.

(2015.8.24)加槓の点は,ツモった牌によるカンでないともらえないことを追記しました.
(2015.8.30)多牌,少牌とカンに関して書き加えました.海底の自摸上がりでの馬について書き加えました.

道具


麻雀牌136枚.萬子,索子,筒子,東南西北白發中.花牌は使いません.
サイコロは香港では3つ使います.2つでもよいでしょう.

席ぎめ


席ぎめは東南西北1枚ずつを抜き出し,混ぜてから,つかみ取りで決めます.東を引いた人はそのまま着席し,あとは,反時計回りで東南西北になるように座り直します.

配牌


ドラがないことを除けば,日本の麻雀と全く同じなので,省略します.ただし,最初の手の親を仮東がサイコロで決める以外は,前の手で上がった人が親です.前の手で2人以上が同時に上がったときは,振り込んだ人が次の手の親です.

ゲームの進行


ポン,カンはできますが,チーはできません.

牌の山を残さないなら牌の山を使い切ったら,残すなら残り14枚で流局です.それ以外の流局はありません.ドラはないので,カンの回数に上限がないことに留意してください.流局は,連荘します.
旧章,新章のような頭ハネでなく,二人,三人の同時上がりを認めます.
上がれる捨て牌を見逃した時は,自分のツモ順が来るまで,同じ牌では上がれません.待ちが複数あるとき,見逃した現物でなければ,上がれます.これ以外の振り聴に類するルールはありません.
誰が何を捨てたか覚えておくのは技術だと考えられているため,捨て牌は,普通は,綺麗に並べません.同様に,ポン・チー・カンした牌を誰からもらったかも示しません.大陸流だと,カンは1枚の牌を3枚の中央にのせて山の字のようにします.明槓暗槓も区別しません.

大相公(多牌),小相公(少牌)になったら,上がり放棄なだけでなく,ポン・カンもできません.

カンの点数


カンした人は,直ちに点をもらえます.暗槓なら,他の3人から,1人2点ずつの計6点,暗刻を持っていて捨て牌をカンした場合,捨て牌を出した人から3点,ポンした牌と同じ牌を山から引いてカンした場合,他の3人から,1人1点ずつの計3点です.ポンに牌を足すカンの点は,山から引いたばかりの牌でなく手牌をポンに足した場合は,認められません.

なお,この点は上がる上がらないに関係ないので,上がらなくても,流局になっても,返す必要はありません.カンの後,大相公(多牌),小相公(少牌)になっても,返す必要はありません.

上がりの点数


頭と4面子の手なら,何でも上がれます.実際にはほぼありえませんが,唯一の例外として,国士無双でも上がれます.上がった人は,振り込み上がりの場合,振り込んだ人から2点(1点にする人もいる),ツモ上がりの場合,他の3人から2点ずつの計6点をもらえます.
カンの補充牌での上がりは,大明槓の場合も含め,すべてツモです.
搶槓(チャンカン)は,カンした人が1人で6点を上がった人に払います.点数はツモ扱いですが,馬はありません.搶槓できるのは,ポンでさらしてある牌にツモ牌を加えるカンだけです.香港旧章(清章)ルールと同様に,十三么(国士無双)は,例外的に暗槓を搶槓できます.

馬


ツモで上がったときに限り,上がった人は牌の山の次の牌を表にします.この牌が自席の「馬」であったら,上がりでもらえる点が倍になります.香港の雀荘の「牌例(ルール掲示)」や携帯ゲームに見られる例だと,
  • 親の馬は,東,1,5,9
  • 南家の馬は,南,中,2,6
  • 西家の馬は,西,發,3,7
  • 北家の馬は,北,白,4,8
です.数牌は3種類あるので,親だけ馬が多くなります.これは不公平なので,マカオのカジノのように,全員の馬の枚数を揃えて,
  • 親の馬は,東,1,5,9
  • 南家の馬は,南,中,發,白,2,6
  • 西家の馬は,西,中,發,白,3,7
  • 北家の馬は,北,中,發,白,4,8
とする人もいます.

海底での自摸上がりには,馬はないとする人と,必ず馬が的中したものとして扱う人がいます.

馬の効果は,掛け算でなく一定の点を加算する人もいます.人によりさまざまなので,事前に決めてください.

2015年8月16日日曜日

香港の「旧章」・「新章」麻雀

ルール名は,「章」の字が広東語では(北京語でも)「張」と同音なので,「古い/新しい牌(つまり麻雀)」とも,「党章」などの「章」の意味から「古い/新しいルール」とも解釈できます.結局はどちらでも麻雀のルールになるので,些細な問題かもしれません.香港で麻雀書で有名だった作家(って阿佐田哲也みたいですね),簡而清氏に従って旧章を「清章」(ピュアなルール)という人も多いです.

個人的な趣向---より面白いと思うから---で,本文は少し古め(1970年代前後)のルールを紹介します.現代の主流のルールは,その後に紹介します.

(2015.8.24)旺牌16枚もあるという記述は,台湾ルールとの混同によるものなので削除しました.花牌による槓上開花の文章が変だったので直しました.リーチ麻雀ルールの類推で誤解される余地があるので,3翻縛りに花牌の翻が入ることを追記しました.面子の中国語の話は蛇足なので削除しました.
(2015.8.29)「飜」と「翻」の字が混在していたので,「飜」に揃えました.
(2015.8.30)広東語では「チー」といわず「シェン」,字も「吃」でなく「上」なことを追記しました.ついでに他の発声の広東語音がカタカナでどんな感じになるかも書きました.
(2015.9.4) 「和」の字が普通には使われないことと,ツモ上がりに対する感覚について書き加えました.

使うもの

麻雀牌(パイ,はい),136枚.136枚の内訳は,萬子(マンズ),銅銭を縄で連ねた形が起源の索子(ソーズ),銅銭の形から来た筒子(ぴんず)の3種類の1から9,東南西北白(はく)發(はつ)中(チュン)7つの字牌(じはい,ツーパイ)で,すべての牌は4枚ずつあります.さいころは,3つが普通です.なければ,2つでもかまいません.手ごとに直ちに精算するので,点数を記録する道具はありませんが,ポーカーチップなどを1点単位で,各人100~300点程度持ってお金の代わりにしてもよいでしょう.

席決め

東(トン)南(ナン)西(北京音は“シー”だが日本の麻雀用語では“しゃー”と読む)北(ペー)各1枚ずつをとり,よく混ぜてから,伏せて4枚積み上げます.年長者など,任意に決めた人がサイコロ3つ(古くは2つだったらしい)を振り,出目の合計を,振った人の席を1として,反時計回りに数えた位置にいる人から,山の上から順に牌(パイ,または,はい)を取ります.4枚を伏せて混ぜてから,サイコロを使わず,好きな牌をつかみ取りしてもよいです.東を引いた人はそのまま着席します.それ以外の人は,反時計回りに東南西北の順になるように座ります.

山を作る

4人で協力して,全ての牌をなるべく伏せて混ぜます.4人ともに,横1列に17枚の牌を,テーブルの縁に短いほうの辺が接するように伏せて並べます.もう1列17枚の牌を並べた牌に接するように並べます.2列の牌を伏せたまま,4人の列がかみ合った井桁のようになるように,机の中央に押し出します.このとき,右手は机の中央に近く,左手は遠くなるように,斜めにします.手前の列を,遠い側の列の上に乗せて,2階建てにします.

最初の親決め

東を引いた人は,サイコロを3つ(2つ)を振ります.席決めと同じように数えた席に座っている人が,最初の親になります.

開門

親は,サイコロ3つを振ります.席決めと同じように,振った人を1として,反時計回りに数え,出目の合計の位置に座っている人の山を,そこに座っている人から見た右端を1として,出目の合計まで左に数えます.その位置の列と,その1つ先の列の間にすき間を空けます.山を数えつくした場合,時計回りに隣の山へと数え続けます.牌の山だけは,他のゲーム進行と異なり,時計回りであることに注意してください.なお,ドラはありません.

配牌(はいパイ)

4人は,親から順番に反時計回りに,山を割った位置の*時計周り側*から,2列4枚の牌を時計周りに取って手元に横1列に並べます.最初の2列は親,次の2列は親の右隣,その次の2列は親の向かい,その次は親の左隣が取ります.これを3周して,全員が12枚の牌を取ったら,親は,左隣の人が9~12枚目の牌を取った次の位置から上段の1枚目と3枚目の牌を取ります.親の右隣の人は,1枚目の下段,ついで,親の向かいは2枚目の上段,親の左隣りは,2枚目の下段の牌をそれぞれ取ります.これにより,親は14枚,子は13枚の牌を手にします.親の枚数が1枚多いのは,最初に山からとる牌を先に引くからです.

手の進行

親は,1枚の不要牌を4つの山に囲まれた中央部に表向きに捨てます.それ以降は,反時計回りに,順番に,山の次の牌を1枚とり,手から不要な牌を1枚捨てることを繰り返します.山は,配牌で使った残りの個所から順番に時計回りに,親以外の人が最後の一枚の牌を引いたときと同じように使います.捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかなければ分からないように,乱雑に置きます.そのため,何を捨てたかはっきり声に出して言うことが多いです.

上がり

手と山から引いた牌または他の3人の誰かが捨てた牌を合わせた14枚が,同じ牌の2枚組(頭(あたま)または雀頭(ジャントウ))1つと,4つの面子(メンツ)になったら上がりです.上がる人は,そのことを宣言しなくてはなりません.日本語だと,山から引いた牌で上がるときは“ツモ”,人が捨てた牌で上がるときは“ロン”といいます.広東語だと,前者は“チモ”,後者は“シクゥ[食糊]”といいます.

面子は,順子(シュンツ),刻子(コーツ),槓子(カンツ)のいずれかです.順子(シュンツ)は,同じ種類で数字が連続した数牌3枚(9から1はつながらない),刻子(コーツ)は,同じ牌3枚,槓子(カンツ)は,宣言してさらした同じ牌4枚です.

2人以上の人が同時に上がりを宣言した場合,牌を捨てた人から反時計回りにみて順番が一番早い人の上がりになります(頭ハネ).ただし,十三么(日本での通称は国士無双,広東語音サップサムイウ,北京語音シーサンヤオ)だけは,頭ハネに勝ちます.上がり牌に関する制限はありません.上がり牌を見逃したとき,自分の番が来る前に同じ牌で上がることを禁じる人もいます.

ポン[碰]

手に同じ牌が2枚あり,それと同じ牌を他の3人の誰かが捨てたとき,ポン(広東語ではプン)と宣言することにより,捨て牌と手牌2枚で1つの刻子を作れます.ポンする人は,2枚の手牌ともらう捨て牌1枚を,手牌の左端に表向き倒してさらし,1枚手牌を捨てます.ポンに使った牌とポンでもらった牌は,手牌と交換できません.次の番は,ポンをした人の右隣りになります.左隣以外の人が捨てた牌でポンする場合,その人とポンをする人の間の順番は飛ばされます.上がりとポンが同時に宣言された場合,上がりが優先されます.

捨て牌の捨て方同様に,誰が何を捨てたか覚えておくのは技術だという考え方があるので,牌をさらすときにも,誰から牌をもらったか明示しません.これは,これから説明するチーとカンでも同じです.

チー[吃]

左隣りの人が捨てた牌と手にある数字の牌2枚で順子が作れる場合,チー(広東語ではシェン[上])と宣言することにより,捨て牌と手牌2枚で1つの順子を作れます.チーする人は,2枚の手牌ともらう捨て牌1枚を,手牌の左端に表向き倒してさらし,1枚手牌を捨てます.チーに使った牌とチーでもらった牌は,手牌と交換できません.次の番は,チーをした人の右隣りになります.チーとポンが同時に宣言された場合,ポンが優先されます.チーと上がりが同時に宣言された場合,上がりが優先されます.

カン[槓]

カンには,3種類あります.
  • 自分の番で手牌に同じ牌が4枚ある場合(暗槓,アンカン)
  • 手牌に同じ牌が3枚ありそれと同じ牌が捨てられたとき(大明槓,だいミンカン)
  • ポンした牌と同じ牌を山から引くか手牌にあるとき(加槓,チャーカン)
どの場合も,カン(広東語ではコン)と宣言することで,槓子を作れます.カンする人は,4枚の牌を手牌の左側にさらし,開門位置から牌を1枚補充してから,1枚手牌を捨てます.カンで補充する牌は,開門位置から,反時計まわりに1枚ずつ使います.「ドラ」はないので,何回カンしても,流局になりません.この“自分の番”は,チー,ポン宣言したときでも構いません.上がりは,捨て牌に対するカンより優先されます.捨て牌に対するカンは,チーより優先されます.どのカンでも,カンした牌は,4枚を表向きにしてさらします.人によっては(大陸のルールか?),4枚の中1枚を,3枚の中央の上にのせます.

手の終了

誰かが上がるか,山の牌が残り14枚になったら,その手は終了します.カンがあっても,山を必ず14枚残すことに注意してください.残す牌は,ワンパイ(広東語だとウォンパイ.ウォンの字は明らかでなく,旺牌,皇牌などと書く)といいます.手の途中で流局することはありません.親が上がるか,流局の場合,親は移動しません.親以外の人が上がったら,親の右隣の人に親が移動します.山を築くところから,親決めを除いた手順を繰り返します.これで,4人全員が4回目の親を終えるまで打ち続けます.

“旧章(旧ルール)”の役と得点計算

特定の形の手には,飜(ファン.中国語では旧字体を使う香港・台湾を含め「番」)数が付きます.飜数と,上がりかたが山から引いた牌による自摸(ツモ)か,捨て牌による振り込みかで得点が決まります.後で説明する包(パオ,責任払い)が成立していない場合,残りの3人が上がった人に点数を支払います.振り込みの場合,捨てた人,自摸の場合,全員が倍の点数を,それぞれ上がった人に支払います.4~5飜,6~7飜,8飜~は同じ点数です.
例えば,レートは1として,役のない手を振り込みで上がると,振り込んだ人から1の倍の2点,後の2人から1点ずつの合計4点をもらえます.また,平和をツモで上がると,平和とツモ上がりで2飜なので,全員から4の倍の8点ずつ,合計24点をもらえます.
自摸の点の高さは,香港(や台湾)の麻雀に深く定着しています.自摸がお得でないとつまらないという感覚は,リーチ麻雀で,多くの人が,ドラ,リーチ,一発,裏ドラの倍(に比べると自摸3倍はささやかですが)がないとつまらないと思っているのと非常に似ています.

点数は次の通りです.“勒(ラーク)”は,点数が高くなり過ぎないように,一定範囲の飜数を同じものとして扱います.日本の“満貫”とよく似ています.“勒”は,“辣(ラーッ)”ともいいます.
  • 0飜(鷄糊): レートx1
  • 1飜: レートx2
  • 2飜: レートx4
  • 3飜: レートx8
  • 4飜〜5飜(=1勒[ラーク]): レートx16
  • 6飜〜7飜(=2勒): レートx32
  • 8飜〜(=3勒): レートx64

(参考)古いルールでは,親が上がったときは自摸のパターン,子が上がったときは放銃のパターンで点数を支払っていました.子の上がりで倍払うのは親でした.

1飜役

  • 平和(ピンフ): 順子4組.チーできます.待ち,雀頭も何でもよいです.刻子で飜がつく牌の雀頭は認めない人もいます.なお,香港では,上がりの意味で「和」の字を使わず(そもそも発音が合わない),「糊」と書くことが多いです.大陸だと「胡」の方が普通です.
  • 自摸(ツモ): 山から引いた牌での上がり.ポン・チーできます.
  • 白(はく),發(はつ),中(チュン)の刻子・槓子.1組につき1飜.
  • 自分の風の刻子・槓子.親は東,子は親から反時計回りに南,西,北.
  • 場の風の刻子・槓子.親が1巡するまでは東,2巡目は南,3巡目は西,4巡目は北.自分の風と場の風が同じ人は,刻子・槓子1組で2飜付きます.
  • 海底(ハイテー): 山の最後の牌での上がり.必ずツモの1飜もつきます.最後の捨て牌での振込みは,役になりません.
  • 槓上(開)花(カンシャン(カイ)ファー): 嶺上です.槓の補充牌での上がり.必ずツモの1飜もつきます.振り込みになることはありません.
  • 搶槓(チャンカン): 捨てたら上がれる牌を,ポン+1枚の形でカンしたら,その牌を待っていた人は上れます.カンした人の振込み扱いとなります.国士無双だけは,暗槓(手牌4枚の槓)も搶槓できます.
  • 花么(ファーヤオ): 混老頭(ホンロートー)です.字牌と一九牌だけからなる手.必ず対対和の3飜もつきます.

3飜役

  • 対対和(トイトイホー): 4組の刻子.刻子は槓子でも可.
  • 混一色(ホンイーソー): 字牌と1種類の数牌からなる手.
(参考)古くはこの2つの役は2飜で,清一色は4飜,点数の上限も4飜でした.

4飜役

  • 槓上槓(カンシャンカン): 槓の補充牌でまた槓してその補充牌での上がり.常にツモ扱いです.槓上開花,ツモとは複合しません.
  • 小三元(しょうさんげん): 三元牌の刻子(槓子)2つともう1つの三元杯の雀頭を含む手.三元牌の刻子(槓子)2つの2飜とは複合しません.

6飜役

  • 清一色(チンイーソー): 数牌1種類だけからなる手.

8飜(上限)役

“*”は認めない人もいます.
  • 大三元(だいさんげん): 三元牌の刻子(槓子)3つを含む手.6翻にすることもあります.三元牌の刻子(槓子)3つの3飜とは複合しません.
  • 字一色(ツーイーソー): 字牌(東南西北白發中)だけからなる手
  • 四喜和(スーシーホー): 東南西北がそろった手.大四喜(だいスーシー)は,すべてが刻子か槓子の場合.小四喜(しょうスーシー)は1つが雀頭の場合.小四喜は,6飜にする人もいます.
  • 十三么(シーサンヤオ): 国士無双(こくしむそう)です.一九牌と字牌13種類がそろい,そのうち1種が雀頭として2枚ある手.13面待ちで頭を待っても,1つ欠けている牌を待ってもよいです.
  • *坎坎胡(広東語でカンカンウー,音が合わないが刻刻胡とも書く),四暗刻(スーアンコー): 4つの刻子か槓子を1度もポンせずに作り,雀頭をツモ上がりしたとき.待ちを限定せず,すべてのツモ上がりに認める人もいます.大明槓と暗槓はしても構いません.
  • *清么九(チンヤオチュウ): 清老頭(チンロートー)です.一九牌だけからなる手.
  • *十八羅漢: 四槓子(スーカンツ)です.槓子が4つある手.
  • 九子連環(広東語カウチーリンカン): 九蓮宝燈(チューレンポートー)です.1種類の牌の1112345678999の9面待ちで上がったとき.9面待ちの場合に限られる.
  • 天和(テンホー): 親が配牌で上がっていたとき.
  • 地和(チーホー): 親の最初の捨て牌で上がったとき.子の最初のツモでの上がりには,特別な役や点はありません.

包(パオ=責任払い)


9枚ざらし(三副露)の包

清一色,字一色,清么九を作っている人が3組の牌をさらし,9枚さらしたことを宣言したとき,危険牌を捨てて振り込んだ人は,全員分の点数を責任払いします.危険牌は,清一色なら,萬子,索子,筒子のうち集めている種類の牌,字一色なら字牌,清么九なら一か九です.

大四喜,小四喜を作っている人が,東南西北のうち3組の牌をさらし,9枚さらしたことを宣言したとき,東南西北の残り1種を捨てて振り込んだ人は,全員分の点数を責任払いします.

同様に,大三元を作っている人が,白發中のうち2組の牌をさらし,2組さらしたことを宣言したとき,白發中の残り1種を捨てて振り込んだ人は,全員分の点数を責任払いします.

12枚ざらし(四副露)の包

清一色,字一色,清么九を作っている人が3組の牌をさらし,9枚さらしたことを宣言したとき,危険牌を捨てて4組目の牌をポン・チーされたら,役を作っている人がツモ上がりしたとき,全員分の点数を責任払いします.また,振り込み上がりの場合,4組目の牌をポン・チーされた人と振り込んだ人の2人(この両者が同じ人の場合1人)で,全員分の点数を折半して支払います.

大四喜を作っている人が3組の牌をさらし,9枚または12枚さらしたことを宣言したとき,危険牌を捨てて4組目の牌をポンされたら,大四喜をツモ上がりしたとき,全員分の点数を責任払いします.また,振り込み上がりの場合,4組目の牌をポンされた人と振り込んだ人の2人(この両者が同じ人の場合1人)で,全員分の点数を折半して支払います.

同様に,大三元を作っている人が,白發中のうち2組の牌をさらし,2組さらしたことを宣言したとき,白發中の残り1種を捨ててポンされたら,大三元をツモ上がりしたとき,全員分の点数を責任払いします.また,振り込み上がりの場合,3組目の牌をポンされた人と振り込んだ人の2人(この両者が同じ人の場合1人)で,全員分の点数を折半して支払います.

包の宣言

9枚ざらし,12枚ざらしの包が成立するためには,清一色,大三元,字一色,四喜和,清么九を作っている人の宣言が必要とする人と,そうでない人がいます.宣言は,広東語だと,9枚さらしたという意味の“九張落地(カウチェンロックテイ)”,“九張在地(カウチェンチョイテイ)”を発声します.宣言を要求する場合,ポン・チー・カンの直後に宣言しなくても構いません.また,宣言を要求する場合,包の条件に当たるのに宣言しないで上がると,責任払いになるはずの人は,他の人の分の支払いを拒否でき,他の2人は,責任払いを主張して支払いを拒否できます.

やむを得ない捨て牌の免除

包が成立するためには,危険牌でない捨て牌が可能でなければなりません.したがって,手に危険牌しかない人が危険牌を捨てても包になりません.ただし,包の宣言の後に,ポン・チーした場合は,自分で手牌を減らしているので,包になります.

先を包し後を包せず(包先不包後)

例えば,Aさんが萬子とBさんが筒子の清一色に走り,まずAさん,ついでBさんが9枚なきの宣言をしたとき,手に萬子と筒子しかないCさんが,萬子を捨ててAさんの清一色に振り込んだら包(責任払い)になりますが,筒子を捨てて,後に宣言したBさんに振り込んでも,包にはなりません.

残り5枚での生牌(ションパイ)の包(五子包生)

旺牌14枚を残して,牌の山から引ける牌が残り5枚以下になったとき,生牌(ションパイ),つまり1度も捨てられてなく,さらされてもいない牌を捨てて振り込み上がりされた人は,全員分の点数を責任払いします.残り牌の枚数を5枚以下でなく4枚以下とする人もいます.

反則

  • 錯和(ちょんぼ): 上がれない手で上がった人は,他の3人に,上限点x2を払います.
  • 手牌の数が多い・少ない(大相公,小相公): 手牌とさらしている牌の合計が13枚でなくなったら,あがり放棄です.他の人が上がるか,流局まで,そのまま打ち続けます.

花牌

春夏秋冬,梅蘭菊竹の8枚の花牌を加えた144枚で遊ぶ人もいます.

手の進行

牌の山を築くとき,17枚でなく18枚の列を作ります.

花牌が配牌時に手にあったら,親が最初の牌を捨てる前に,親から順番に,手の花牌をさらし,さらしたのと同数の牌をカンと同じ位置から補充します.山から花牌を引いたときも,同様にさらして補充します.補充牌が花牌なら,花牌でない牌を引くまで,さらして補充しつづけます.花牌の補充牌での上がりは,槓上開花と認めない人と認める人がいます.海底牌が花牌だったときは,補充しないで流局です.

役

  • 無花(ウーファー): 花牌を1枚も引かないで上がると,1飜.
  • 正花(チョンファー): 自分の花牌1枚につき1飜.東(親)は春と梅,南は夏と蘭,西は秋と菊,北は冬と竹.
  • 一台花(イータイファー): 花牌4枚1組につき1飜.組となるのは春夏秋冬または梅蘭菊竹.必ず正花と複合する.なので,一台花を2飜役として,正花とは複合しないとする人もいる.
  • 花胡(ファーホー): 花牌7枚を1人で集めたとき.3飜のツモとみなす.花牌7枚を集めたとき,この役で上がらないでもよい.
  • 大花胡(ターファーホー)または八仙過海(パーシェンクオハイ,はっせんかかい): 花牌8枚を1人で集めたとき.点数は上限.

現代流の旧章

香港の若い(というか老人でない)世代に行われているルールです.役満狙いでない限り,対対和,混一色,清一色の3つの役でしか上がれない縛りがあります.興味深いことに,広東麻雀とは無関係な現代の上海ルールは,この3役と字牌染めしか認めず流局が多いという特徴を共有しています.今まで説明したルールとの相違点は,次の通りです.
  • 3飜縛り.3飜ないと上がれません.したがって,必ず対対和か混一色/清一色,まれに役満を狙うことになります.なお,花牌を使う場合,花牌関連の翻も含めて3飜あれば上れます.
  • 旺牌を14枚(16枚)残さないで使い切ります.
  • 一部の役(例: 清一色7飜)の飜数を引き上げる人がいます.
  • 新章の役の一部(例: 門清)を採用する人がいます.
  • 二人以上同時に上がることを認める人がいます.
  • “全銃制”といって,包でなくても,振り込みを放銃者ひとりの責任払いにする人がいます(というか多数派になりました).伝統的な支払い方法は,これに対して“半銃制”といいます.全銃制には,勝者視点でレートを設定するとき,金額を4で割り切れる数字にする必要がないというメリットがあります.デメリットは,捨て牌の作法や包の規則との相性の悪さと,ベタ下りを促すことです.

 “新章 (新ルール)”の役

新章は旧章に役を追加したものです.追加する役には,“六独”,“十八番”,“無奇不有”の3グループがあります.人により,これ以外の様々な役を挙げる人もいます.中国の文科省に相当するお役所が決めた“国標麻将”(国家標準麻雀の意味)も,点数計算の体系は異なりますが,この一種です.新章(国標も含め)は,存在はよく知られていますが,役が多すぎるので,ほとんど普及していません.

六独

すべて1飜です.
  • 断么.一九字牌を使わない.
  • 不求人.一度もポンとチーをしないでツモで上がる.門清,自摸と必ず複合します.
  • 門清.一度もポンとチーをしないで上がる.
  • 欠門.数牌だけの手で,萬策筒のうち1種類がない.
  • 将眼.258のどれかを頭にする.
  • 独聴.ペンチャン,カンチャン,単騎待ち.

十八番

六独に,次の手を加えます.飜数に定説はありません.役の数が18にならないのは,六独に平和(平糊)を含めるからですが,それだと,六独が7つになってしまいます…
  • 一般高(イーパンカオ).日本ではこの名前がなまってイーペイコーと呼ばれるようになりました.
  • 全帯么.字の通りチャンタです.
  • 五門斉(ウーメンチー).萬索筒風三元の五種類の牌がすべてある手.
  • 一条龍(イーティャオロン).一気通貫です.
  • 四帰一(スークイイー).同じ牌4枚を1つまたは2つの面子で使った手.
  • 全求人(チュエンチウレン).裸単騎で振り込み上がり.
  • 清帯么.ジュンチャンです.
  • 三相逢(サンシャンフォン).三色同順です.清帯么もそうですが,漢字を使ったネーミングセンスの圧倒的な違いを感じないではいられません.
  • 老少(ラオシャオ).同じ種類の牌の123と789
  • 老少碰(ラオシャオポン).同じ種類の牌の111と999
  • 大七対(ターチートイ).名前に反し,リャンペーコーのことです.

無奇不有

十八番に次の(ようなさまざまな)手を加えます.
  • 清四碰.4つポンして上がる.
  • 三暗刻.
  • 小七対.七対子.同じ牌4枚を2組の対子として扱ってよい.
  • 太般高(タイパンカオ).イーペーコーにもう一つ同じ順子を追加.
  • 満庭芳(マンティンファン).頭と4面子の全てに同じ数が含まれる手.
  • 三数.3つの数だけの手.東南西北は1つ,三元牌はもう1つの数としてそれぞれ数えます.
  • 二数.2つの数だけの手.
  • 四帰三.同じ牌4枚を3つの面子で使った手.
  • 四帰四.同じ牌4枚を3つの面子で使った手.
  • 全大.789だけの手.
  • 全中.456だけの手.
  • 全小.123だけの手.
  • 清龍.一条龍(一気通貫)のこと.
  • 花龍.三色一通.
  • 混龍.二色一通.
  • 双龍会.一気通貫のうちの1面子が2組ある手.
    三結義.三色同刻です.
    自搶自槓.自分自身を搶槓.
  • 十八羅漢.
  • 歩歩高.同じ種類の牌で,234 345 456のように1つずつ大きい順子を3組作る.
  • 十三不搭.

2015年8月15日土曜日

広東の「鶏平和」麻雀

広東省の珠江デルタ地区で最も普及,流行しているルールです.このルール名は,広東語では「カイピンウー(鷄平糊)」と読みます.飜なし手と平和の意味です.広東のメジャーなルールとしては,この他に,推倒胡系のルール(跑馬仔),香港ルールとして著名な旧章,香港では上海,台湾では広東と呼ばれる新章があります.鶏平和は,香港「旧章」の古い形である「二二制(混一対対二飜清一四飜)」をインフレさせない方向で発展させたようなルールで,現代の旧章のように安上がりを禁じる(三飜縛りが普通です)代わりに,比較的簡単な役の組み合わせでは,高い点が取れないようにしています.
ルール名と役の名前の「和」について.広東語で実際に使われる発音が「和」の広東語音と合わないため,上がりを意味する「和」は「糊」,「胡」などで表記されることが圧倒的に多いのですが,この記事は日本語なので,あえて「和」に置き換えます.

道具

麻雀牌136枚.萬子,索子,筒子,東南西北白發中.花牌は使いません.
サイコロ2つ.
中国の多くのルール同様に,点棒やポーカーチップは使わないのが普通ですが,もちろん使ってもよいでしょう.

席ぎめ

席ぎめは東南西北1枚ずつを抜き出し,混ぜてから,つかみ取りで決めます.東を引いた人はそのまま着席し,あとは,反時計回りで東南西北になるように座り直します.

配牌

ドラがないことを除けば,日本の麻雀と全く同じなので,省略します.

ゲームの進行

東南西北の一荘戦です.
牌の山が残り14枚になったら流局です.それ以外の流局はありません.特に,ドラがないので,カンの回数に上限がないことに留意してください.流局は,連荘します.
旧章,新章のような頭ハネでなく,二人,三人の同時上がりを認めます.なお,三人同時上がりのときは,振り込んだ人1人の責任払いになります.
上がれる捨て牌を見逃した時は,自分のツモ順が来るまで,同じ牌では上がれません.待ちが複数あるとき,見逃した現物でなければ,上がれます.これ以外の振り聴に類するルールはありません.
細かい相違ですが,誰が何を捨てたか覚えておくのは技術の一部だと考えられているため,捨て牌は,普通は,綺麗に並べません.同様に,ポン・チー・カンした牌を誰からもらったかも示しません.カンは1枚の牌を3枚の中央にのせて山の字のようにします.

役と点数

上がった人は,手にある役の点をもらいます.振り込み上がりの場合,振り込んだ人は2倍,残りの2人はそのままの点を,ツモ上がりの場合は,上がった人以外の3人が2倍の点を,それぞれ上がった人に払います.役の点は,レートに2の飜数乗をかけたものです.符点計算はありません.例えば,レートを1とすると,役なしの手を振り込み上がりしたら,役の点は1x1=1点なので,振り込んだ人は,1 x 2 = 2点,それ以外の2人は1点をそれぞれ上がった人に払います.平和をツモアガリしたら2飜なので,役の点は1x4=4点,したがって,他の3人は4x2=8点を上がった人に払います.
包(パオ,責任払い)のときは,包の人が,全員の点数を1人で肩代わりします.
役の点数は飜(ファン)で表します.中国語では,旧字体を使う香港でも大陸でも「番」の字を使いますが,音も意味も日本の麻雀とそっくりなので,あえて「飜」にします.
役の点数には爆和(広東語でバウウー,北京語でバオフー)という上限があります.爆和は3翻です.これを超える翻数は,特別な役でない限り無視されます.特別な役は,爆和を超えられるますが,特別な役以外の役の翻がつきません.

並の役

チー,ポン,カンは,どの役でもできます.

  • 鶏和 0飜 役なし.なんでも上がれる.
  • 平和 1飜 順子4つ.頭はなんでもよい.待ちもなんでもよい.
  • 対対和 2飜 刻子(槓子でもよい)4つ.
  • 混一色 2飜 字牌と数牌1種だけ.
  • 自摸 1飜 爆和未満のみ認められる.
  • 自風の刻子(槓子でもよい) 1飜 爆和未満のみ認められる
  • 場風の刻子(槓子でもよい) 1飜 爆和未満のみ認められる
  • 三元牌の刻子(槓子でもよい) 1飜 爆和未満のみ認められる

特別な役


  • 清一色 4飜 数牌1種だけ.
  • 混対 4飜 混一色+対対和
  • 清対 5飜 清一色+対対和
  • 混么九 5飜 混老頭
  • 小三元 5飜
  • 小四喜 5飜
  • 字一色 6飜
  • 清么九 6飜 清老頭
  • 大三元 6飜
  • 大四喜 6飜
  • 九子連環 6飜 九蓮宝燈の9面待ち.清一色の飜はつかない.
  • 十三么 6飜 国士無双

特別なケースと包(責任払い)


  • 三人同時上がり.振り込んだ人の責任払い.爆和以下の手は爆和として,爆和を超える手はそのまま採点する.
  • 槓上開花(嶺上開花).爆和以下の手は爆和として,爆和を超える手はそのまま採点する.暗槓とポンにツモ牌を加えてのカンではツモ扱い,暗刻を持っていて捨て牌でカンしたときは,捨て牌を捨てた人の責任払い.
  • 海底撈月(海底摸月).海底牌のツモ上がり.爆和以下の手は爆和として,爆和を超える手はそのまま採点する.
  • 裸単騎自摸の包.4組の副露で裸単騎待ちになり,その人がツモ上がりしたら,4組目を泣かせた人が責任払いする.1人の人が2人以上を裸単騎にした場合,最初に裸単騎になった人がツモ上がりしたときだけが包で,2人目以降は責任払いにならない.これは「包先不包後」といい,すべての包に適用される原則.
  • 大三元自摸の包.中・白・發のうち2つをポン・カンしている人に,残りもう1つをなかれた人は,大三元をツモられたら,責任払い.
  • 大四喜自摸の包.東南西北のうち3つをポン・カンしている人に,残りもう1つをなかれた人は,大四喜をツモられたら,責任払い.
  • チャン槓.カンした人の責任払い.ポンにツモ牌を加えるカンだけに認められる.爆和以下の手は爆和として,爆和を超える手はそのまま採点する.
  • 天和,地和,人和も,上限役.地和は,香港旧章とは異なり,子の第1ツモでのツモ上がりで,先にチー・ポン・カンがあったら成立しない.

2015年8月14日金曜日

四川の「血戦到底」麻雀

(2015.8.18)上がったときの進行と配牌の始め方を訂正しました.
(2015.9.4)カンしたときの補充牌を引く位置が他の麻雀と違うことを強調しました.七対子,海底,絶張の記述が不親切だったので,書き変えました.
(2015.9.5)単釣(裸単騎)の複合と,上がったあとの順番について,加筆しました.
(2018.9.29)上がりのあとのツモ順を修正しました.

四川省成都起源のローカルルールです.「到底」は,中国語で「最後まで」,麻雀では牌の山を残さずに使い切ることなので,訳せば「徹底血戦」です.
四川ルールは,四川,重慶,貴州などで遊ばれる独特な麻雀で,字牌なしの108枚の牌を使い,チーを許さず,上がりには1種類の牌を欠くこと(欠門)を要求します.「血戦到底」は,そこに,1人が上がっても手を終わりにせず,3人が上がるか山を使い尽くすまで打ち続けるルールを加えたことにより,ゲーム展開の多様さをもたらしています.

人数と道具


4人.東南西北白發中を除いた数牌だけの麻雀牌108枚.サイコロ2つ.中国語によるルール記述では,しばしば点数計算にそのものズバリの「元」を使っていますが,トランプのカード,ポーカーチップや碁石などをやりとりし,終わってから精算してもよいと思います.

席決め・親決め・配牌


席は好きな方法で決めます.

牌をすべて伏せ,4人で協力して混ぜあわせます.各人が,牌を伏せたまま,牌の短い辺を自分に向け,テーブルの縁に沿って,同じ長さの牌の列を作り,それに接するように同じ長さの列をもう1列作ります.列の長さに決まりはありませんが,長すぎたり短すぎたりしないようにします.なお,108枚を4人で分けると1人あたり27枚と奇数になるので,全員の列を同じ長さにはできません.牌の列ができたら,2列のまま,テーブルの中央に押し出し,4人の牌が口の字になるようにします.そして,手前の列を中央に近い列の上にのせ,2段の牌の山をつくり,山の位置を微調整します.
ゲームの最初は,年長者などが,牌に囲まれた中でサイコロ2つを振り,出た目の合計の席の人が親です.サイコロを振った人を1として,反時計回りに,右隣が2,向かいが3,左隣が4,自分が5のように数えます.2手目以降は,前の手で最初に上がった人が親です.前の手の最初の上がりが2人以上同時の振り込みだった場合は,それに振りこんだ人が親です.誰も上がらないで流局したときは,前の手の親が引き続き親です.

親が2つのサイコロを牌に囲まれた中で振ります.出た目の合計の席の人は,目の前にある牌の山を,右端を1として,時計回りに,2つの目のうち小さい方の分だけ数え,その列と次の列の間にすき間を開けます.親から反時計回りに,牌の山を2列2段の4枚ずつ,分け目から時計回りに取っていきます.取った牌は,自分の前に,1段の横一列に伏せて置きます.これを3周続けて,全員が12枚の牌を取ったら,親は,次に牌を取る位置の上の段の1枚目と3枚目の2枚の牌を取り,ついで,反時計回りに,順番に,下の段の牌1枚,次の列の上の段の牌1枚,下の段の牌1枚を取ります.これで,親には14枚,残り3人には13枚の牌が行き渡ります.親だけ1枚多いのは,山から引く牌をあらかじめ取っているからです.全員が牌を取り終わったら,各人が,自分だけに見えるように,牌を起こします.

なお,ドラはありません.

ゲームの目的と上がりの形


山から牌を引くか,他人の捨て牌をもらい,不要牌を捨てることを繰り返し,上がりを目指します.
上がるには,萬子,索子,筒子の3種類のうち,少なくとも1種類を欠く手でなければなりません.これを欠門(チュエメン)といいます.欠門でないと,上がれないだけでなく,上がった人が2人以下のとき,高い点数を他の3人に払わなければなりません.
また上がるには,自分の手と,山から引いた牌または他人が捨てた牌で,組4つと頭1つまたは同じ牌のペア7組を作らなければなりません.組は,同じ牌3枚,カンした同じ牌4枚,または同じ種類で数字が連続した3枚の牌です.1と9は連続していないので,912は組になりません.頭は,同じ牌2枚です.
下叫(シャーチャオ).聴牌(テンパイ)のことです.上がれる状態,つまり,待っている牌を山から引くか捨てられたら上がれる状態を言います.下叫でないともらえない点,下叫でないと払わされる点があります.

手の進行.親は,手牌のうち不要な牌を1枚捨てます.捨て牌は,自分の前の牌の山よりテーブルの内側に捨てます.ついで,反時計回りに順に,山から1枚牌を引き,手から不要牌を1枚捨てることを繰り返します.山は,ゲームの進行と異なり,時計回りに使います.手の最初は,親が1枚おきに取った残りの下段,後は,上,下,次の列の上,下の順に使い,山を使い終わったら,時計回りで隣の山に移ります.

ポン.手に同じ牌が2枚あり,その牌が捨てられたとき,ポンと発声すれば,手の2枚と捨てられた1枚で3枚組を作れます.ポンした人は,この3枚を表向きにさらし,不要牌を1枚捨てます.次の順番はポンした人の右隣りになります.ポンされた牌を捨てた人とポンした人の間の順番は飛ばされます.ポンと上がりが同時にあったときは,上がりが優先されます.

カン.同じ牌4枚1組のセットを作ります.
直槓(チーカン).大明槓(だいミンカン)です.手に同じ牌が3枚あり,その牌が捨てられたとき,カンと発声すれば,手の3枚と捨てられた1枚で4枚組を作れます.カンした人は,この4枚を表向きにさらし,牌の山の末尾ではなく,次のツモ位置から1枚手に補充し,不要牌を1枚捨てます.次の順番は,カンした人の右隣りになります.カンと上がりが同時にあったときは,上がりが優先されます.
面下槓(メンシャーカン)または弯槓(ワンカン).加槓(チャーカン)です.すでに自分がポンしている牌と同じ牌を山から引いたとき,カンと発声して,引いた牌をポンした牌に加えてさらし,牌の山の末尾ではなく,次のツモ位置から1枚手に補充してから,不要牌を1枚捨てます.このカンは,搶槓(チャンカン)されることがあります.
暗槓(アンカン).手に同じ牌が4枚あるとき,カンと発声してこの4枚の1枚を表,残りを裏向きにしてさらし,牌の山の末尾ではなく,次のツモ位置から1枚手に補充してから,不要牌を1枚捨てます.

なお,チーはありません.

上がり.手とさらした牌に今他人が捨てた牌または山から引いた牌を合わせると上がれるなら,上がりを意味する発声とともに,捨て牌または山から引いた牌を手の右側に表向きに置いて上れます.捨て牌での上がりは,日本語では振り込み,放銃など,中国語でも点炮,出銃など火器に因んだ表現をつかいます.山から引いた牌での上がりは,自摸(ツモ)といいます.上がっても,手が終わるまでは,手を公開しません.捨て牌で上がる場合,一度見逃した牌は,自分の順番が来る前には上がれません.なお,ポン・カンで順番が飛ばされたときは,順番が来たものとみなします.これ以外に振り聴のような上がりを制限するルールはありません.発声は,振り込みで上がる場合,四川では“割了(コーラ)”,“割牌(コーパイ)”といいます.日本語の“ロン”でもいいでしょう.同じ捨て牌で2人,3人が同時に上がることもできます.自摸のときは,“自摸(ツモ)”と発声します.上がった人は,その手から抜け,手が終わるまで何もしません.次のツモ順は,上がった人の次の人,2人同時に上がったときは,2人のうち捨て牌から順番が遠い方の人の次の人です.3人が上がるか,牌の山がなくなったら,その手は終わりです.なお,牌の山を一定枚数残すことはしないで,最後の1枚まで使い切ります.

上がりの点数授受


振り込み上がりは,上がり牌を捨てた人が,上がった人に手の点数を払います.2人,3人が同時に上がった場合,上がった人ひとりずつに支払います.ツモのときは,他の上がっていない人全員が,それぞれ手の点数を払います.したがって,手の最初のツモ上がりは,振り込みの3倍の点が得られます.ツモの点が高いのは,中国各地のルールに共通の特徴です.さらにツモを優遇する“自摸加底”というオプションもあり,上がるならツモでないと損です.

手の役と点数


上がった手は,手の中にある役で点数をつけます.点数は,番数または倍数または倍数にレートをかけた金額で示します.番数は,番数から1を引いた回数だけ2倍することを意味することもあれば,レートを1としたときの点数を指すこともあるので,注意してください.この記事では,2倍の方の意味で使います.1番なら,1を引くとゼロなので倍なし,4番なら,1を引くと3なので,3回2倍して8倍です.番数は2倍の回数より1多いので,役が2つ複合する時,番数をそのまま足すと1番余計になります.そのため,複合役に,例えば,清一色+対対和なら清対という名を付けて,4番(x8)役にしています.倍数を使えば,清一色のx4と対対和のx2で8倍なので,ここでは,複合役を列挙しません.
満格(マンゴー)/封頂(フォンディン)/極品(ジーピン).役による点の上限です.満貫と訳すと,これ以上の点数もあるように誤解されるので,四川話の満格/標準語の封頂,極品のままがよいと思います.普通は4番(x8)に設定します.
*は,一般的とはいえないので,認めるかどうか事前に相談してください.


1番(x1)
  • 平胡.屁胡.平和にかぎらず,役のない手はなんでもこれです.「和」をhu2と読むのはまれなので,「胡」,「糊」などの字がよくあてられます.
2番(x2)
  • 対対胡.4つの刻子か槓子と頭.大対子(タートイツ),対子胡(トイツホー)ともいう.
3番(x4)
  • 清一色.萬子だけ,索子だけ,または筒子だけ.
  • 暗七対(ガンチートイ).七対子.同じ牌2枚のペア7組.同じ牌4枚をペア2組としてよく,その場合,下記の槓または帰の倍が付く.ただしカンしたら七対子にならない.
  • *将対(チャントイ).2,5,8だけの対対胡.対対胡と複合しない.
  • *帯么.4つの組と頭すべてに1か9がある.
  • **単釣.4つの組をポン,カンして,手牌1枚で頭を待って上がる.対対胡と複合しない.
上がり方による2倍
  • 槓上花(カンシャンファー).槓の補充牌での上がり.カンが直槓(チーカン)/大明槓(だいミンカン)なら,カンした人の振り込みで,ツモ扱いされません.ただし,カンの補充牌でもう一度カンして上がった場合は,ツモです.
  • 槓上炮(カンシャンパオ).槓の捨て牌で振り込み.
  • 搶槓(チャンカン).待ち牌を面下槓(加槓)したとき.カンした人の振り込み扱い.
  • 槓または帰(クイ).手に同じ牌が4枚あれば,カンしてもしなくてもつく.
  • *海底(ハイテイ).山の最後の牌での自摸上がり,および最後の牌を引いた人の捨て牌での振り込み.
  • *絶張(チュエチャン).待ち牌が1枚以外すべて捨てられるか,ポン,カンで公開されているとき,残りの1枚での上がり.

自摸加底.自摸の場合,手役の点に(x1)を加える人がいます.例えば,対対胡をツモったら,レートが1なら,1x2+1x1=3点ずつ上がってない人からもらいます.
天和,地和は極めてまれですが,認めるなら,満格/封頂/極品にします.

カンのボーナス


下雨(シャーユー,雨降り)刮風(グワフォン,風吹き)といいます.カンがあったらメモしておき,手の終わりに精算します.役の満点とは無関係に授受します.この点は上がるか下叫(聴牌,上がりを待っている状態)でなければ,もらえません.死叫(スーチャオ,待ち牌がすべて捨てられたかポン・カンされている)で認める人と認めない人がいるので,事前に決めてください.

  • 下雨.暗槓は,上がっていない人から2番(x2)ずつ.
  • 刮風.加槓は,上がっていない人から1番(x1)ずつ.大明槓は,喰われた人から喰った人に2番(x2).


槓の捨て牌で振ったら,その槓でもらう下雨,刮風の点を振り込んだ人に渡します.2人以上に同時に振り込んだ場合,振り込んだ人が,2人目以降にも,同じ点数を渡します.

欠門と下叫の罰金


3人が上がらずに手が終わった時には,査花猪(チャーファーチュ),査叫(チャーチャオ)を行います.

査花猪(チャーファーチュ).欠門のチェックです.さらした牌も含めた手に3種類の牌がある人は,上がった人も含む他の3人に,それぞれ満格/封頂(!)分の点数を払います(賠花猪,ペイファーチュ).満点を設けない青天井なら,10点など事前に別途決めた点数を払います.

査叫(チャーチャオ).下叫(聴牌)のチェックです.下叫(聴牌)していない人は,聴牌している(が上がっていない)人に,その手で上がったときの最小または最大の点数を払います(賠叫,ペイチャオ).最小か最大かは,事前に決めてください.死叫(スーチャオ,待ち牌が全部捨てられたか食われている場合)を下叫と認めるかどうかも,事前に決めてください.
このルールに関連して,最後の4枚の自摸及び捨て牌で上がれるときは,上がらなければなりません.

2015年3月22日日曜日

カリブ海諸国のドミノ

ドミノは,カリブ海の国々では,一番盛んな伝統ゲームです.国や地域により,ルールの大枠は同じでも,少しずつ違いがあります.一見単純そうに見えますが,奥の深い遊びです.手始めには,ジャマイカかプエルトリコのチバ(完封戦)あるいは国際ドミノ連盟式を試してみるとよいと思います.あとは,牌の枚数が多いだけでなく,使わない牌がある西キューバ式が,他と大きく異なるゲームです.

(2015.3.24)共通なルールはまとめて書き,細かい違いだけを分けて書くようにしました.
(2015.3.25)ドミニカの手詰まり(tranque)で同点のときのルールを修正しました.キューバ東部のルールを追加しました.
(2015.3.27)ベネズエラとコロンビアのルールを追加しました.
(2015.3.31)ドミニカのgeneralとpatioを追加しました.選択肢をアルファベット順に並べました.2~3人の個人戦のバリエーションを追記しました.色分けはうるさく見えるのでやめました.
(2015.4.3)メキシコのルールは,国際ドミノ連盟のルールであることを示すとともに,同連盟の規則に合わせて,手を始める人の決め方(同点でも引き直さない)と,手詰まりで引き分けの後に手を始める人(特別扱いしないで反時計回りに交代する)を修正しました.
(2015.4.6)ゾロ目がなくても手詰まりは起きるので,ゾロ目をすべて除いた遊び方の注記を削除しました.例えば,場に6-0 0-1 1-6 6-2 2-3 3-6 6-4 4-5 5-6と出ると,6の目がある牌はもうないので,手詰まりです.
(2015.4.11)メキシコのルールを追加しました.これまでメキシコと書いていたルールは,国際ドミノ連盟のルールにしました.
(2015.4.12)プエルトリコの手詰まりの勝ち判定に最小点プレーヤーのチーム,点数の丸め方に四捨五入を追加しました.
(2015.5.24)最初の牌の置き方を追記しました.

凡例


[*]: 選択肢に明記していない場合
[C]: コロンビア.
[D]: ドミニカ.“ヘネラル(general)”
(略記[Dg]),“パティオ(patio)”(略記[Dp]),別の資料によるパティオ系の200点戦(略記[D2]),500点戦(略記[D5])があります
[F]: 国際ドミノ連盟(Federación Internacional de Dominó)による世界選手権のルールです.
[H]: ハバナなどのキューバ西部.9-9まである55枚組のドミノを使うのが特徴です.
[J]: ジャマイカ.チーム戦だけでなく個人戦も盛んです.
[M]: メキシコ.
[P]: プエルトリコ.2種類の点数戦(略記[Pp])と,ジャマイカルールに似た完封戦の“チバ(chiva)”(略記[Pch])があります.
[S]: サンティアゴ・デ・クーバなどのキューバ東部.“ドミノー(dominó)”(略記[Sd])と“カピクーア(capicúa)” (略記[Sc])の2種類のルールがあります.
[V]: ベネズエラのタチラ,スリア,メリダ,カラカス,カラボボ,ガイヤナ市など.マラカイボ周辺の変種は[Vm].
[2]: 2人戦.7枚ずつで始めて残りの牌を使う(略記[2a]),10枚ずつで始めて残りの牌を使わない(略記[2b])の2種類の遊び方を紹介します.
[3]: 3人戦.7枚ずつで始めて残りの牌を使う(略記[3a]),0-0だけを除いた27枚を配り切る(略記[3b]),ゾロ目7枚を除いた21枚を配り切る(略記[3c])の3種類の遊び方を紹介します.

道具


  • [*]0-0から6-6のドミノ28枚
  • [H]0-0から9-9のドミノ55枚
  • [3b]0-0から6-6のドミノから0-0をのぞいた27枚
  • [3c]0-0から6-6のドミノからゾロ目7枚をのぞいた21枚.

人数


  • [*]2人のチーム2組.同じチームどうしは向かい合って座ります.ほとんどの地域で,これ以外の遊び方はまれです.
  • [2]2人の個人戦
  • [3]3人の個人戦
  • 4人の個人戦

牌の配り方


全員で牌を裏返しにし,1人が裏向きのままかき混ぜます.牌を混ぜ終わったら,全員が自分の牌をつかんで手元に並べます.このとき,牌を混ぜた人は,他の人より先にとらないようにします.全員が自分の牌を取ったら,自分だけに見えるようにします.専用の台か,卓の縁に立てかけることが多いです.なければ牌を立てたり,手で支えて持っても構いません.1人あたりの牌の枚数は,

  • [*]7枚
  • [H]10枚.残り15枚は,伏せたまま場の端に寄せ使わない
  • [2b]10枚.残り8枚は,伏せたままにして使わない.
  • [3b]9枚

手に5枚以上ゾロ目があるとき,公開すれば,牌を配り直しにできるとする人がいます.

手の始め方


手を始める(スペイン語でサリダ(salida),マノ(mano),ジャマイカではpose)人は,ゲームの最初の手は,
  • [*]目の合計が一番大きなゾロ目の牌を持つ人が,そのゾロ目の牌を場に出します.
  • [F]牌を配る前に1人1枚ずつ牌を引き,目の合計が一番大きい牌を引いた人が好きな牌を1枚出します.合計が同点の場合,2つの目のうち大きい方を比べます.
  • [Hの別法,3c]牌を配った後に,あまった牌を1人1枚ずつ引き,目の合計が一番大きい牌を引いた人が好きな牌を1枚出します.同点の場合,同点の人だけが牌を引き直します.引いた牌は,伏せて戻し,ゲームには使いません.
2手目以降は,
  • [*,Sc]前の手に勝ったチームの2人で相談して決め,好きな牌を1枚出します.手の内容を話してはいけません.
  • [F,Mの別法,Sd,V]前の手を始めた人の右隣りの人が好きな牌を1枚出します.
  • [Pの別法,個人戦]前の手に勝った人が好きな牌を1枚出します.

なお,最初の牌がゾロ目のときは,出す人から見て横向きに,そうでないときは,大きい方の目が自分側になるように縦向きに置く習慣があります.

手の進め方


最初の人が牌を場に出したら,反時計回りに,順番に,場に出せる牌が手にあれば,1枚出します.場に出せる牌がなければ,何も出さないでパスします.場に出ている牌の列の両端と同じ目のある牌が,場に出せます.同じ目どうしが隣り合って接するように置きます.列が長くなりすぎたら,反時計回りに曲げて,S字の裏返しのような形にします.牌の列は枝分かれせず,牌をつなげる場所は,常に列の両端2個所しかありませんが,習慣的に,ゾロ目の牌は,他の牌とT字に交わるようにおきます.

[2a,3a]手に出せる牌がなく,配られていない牌が残っているときは,パスでなく,出せる牌を引き当てるまで,配られていない牌を1枚ずつ手に加えます.牌が残っていないときは,パスします.

手の終わり


誰かが手の牌を全部出し切って上がるか,全員が牌を場に出せない手詰まり(スペイン語でシエレ(cierre)またはトランカ(tranca)またはトランケ(tranque),ジャマイカではblock)になったら,その手は終わりです.上がりは上がった人の勝ちです.手詰まりのとき誰/どのチームを勝ちとするかは,場所や人により次のように違います.
  • [*,D25の別法,Pの別法]手の目の合計が一番小さい人(が属するチーム)
  • [Dg,F,M,P,V]チームの目の合計が小さいチーム
  • [Dp25,Pの別法]最後に牌を出した人とその右隣の相手のうち手の目の合計の小さい方が属するチーム
  • [Cの別法]最後に牌を出した人が,相手チーム2人のどちらよりも手の目の合計が少なければ,最後に牌を出した人のチーム,相手のどちらかのほうが少なければ,相手チーム.なお.これは,バホ・カウサ,サラゴサ,アンティオキア県でよく行われるルールです.


手詰まりの目数比べで同点の場合,
  • [*,Mの別法,P]誰も/どのチームも得点しない.次の手を始める人はゲームの最初と同じように決める.
  • [C,P]最後に牌を出した人のチームの勝ち.
  • [D,Mの別法,P,S]手を始めた人に近い人/手を始めたチームの勝ち.
  • [F,V]どちらのチームも得点しない.
  • [M]最後に牌を出した人のチームの負け.
  • [Vm]個人で手の目の合計を比較して,一番小さな人がいるチームの勝ち.

ゲームの勝敗


(1) 勝ち数による方式


  • [J,Pch]勝った人/チームは勝ち点1を得ます.0勝の人/チームがいる状態で[J]6勝/[Pch]4勝した人/チームの勝ちです.全員が1勝以上したら,ゲームを最初からやり直します.
  • [Jの別法]0勝の人/チームがなくても,6勝した人/チームの勝ちとします.

(2) 合計得点による方式


負けた人の手の目の合計を得点するルールと,全員の手の目の合計を得点するルールがあります.
  • [C,Dg2,H,V]勝った人/チームは,自分(たち)以外の人の手の目の合計を得点します.
  • [Dp5,F,Vm]勝ったチームは,自分たちを含む全員の手の目の合計を得点します.
  • [M]負けたチームは,自分たちの手の目の合計を得点します.
  • [Pp]勝った人/チームは,自分(たち)を含む全員の手の目の合計を1の桁を切り捨てて/四捨五入して得点します.
  • [S]勝ったチームは,自分たちを含む全員の手の目の合計の1の位を切り上げ10で割った点を得点します.ただし1点は2点にします.したがって目の合計が3~20点なら,すべて2点です.

次の目標点に先に達した人/チームの勝ちです.
  • [C,V]100点
  • [Dgp]100点または200点
  • [D2]200点または250点
  • [D5]500点
  • [F]200点または300点
  • [H]150点または100点または200点
  • [M]100点(に達したチームの負け)
  • [Pp]200点または500点
  • [S]20点

特別な点数


ジャマイカ


  • [J]全員/両チームが1勝のときは,ゲームをやりなおしにしないで,次の手を始める人をゲームの始めと同じように決め,勝った人/チームを2勝,他の人/チームを0勝にする人がいます.
  • [J]手詰まりの目数比べで同点だったとき,次の手に勝った人/チームは2勝にする人がいます.

キューバ東部


  • [S]ゲーム(手ではなく)で最初に相手をパスさせたチームに2点.この2点は0点のチームは得られず,パスさせたチームは,その手が終わるまでに,手に勝ったことによる点を得なければなりません.
  • [Sc]では,上がり牌が,牌の列のどちらの端にもつなげられる(カピクーア(capicúa))なら,そのとき得られる点を倍にします.ただし,ゾロ目では認められません.

ドミニカ


次の場合にボーナス点が得られます.
  • [D2]手の最初に出した牌で相手がパスしたら10点.ただし,味方もパスしたら取り消し.
  • [D5]手の最初に出した牌で相手がパスしたら25点.ただし,味方もパスしたら取り消し.
  • [Dp]手の最初に出した牌で相手がパスしたら25/30点.
  • [D25]3人を連続でパスさせたら25点.
  • [Dp]3人を連続でパスさせたら25/30点.
  • [D25]上がり牌が,牌の列のどちらの端にもつなげられるなら25点.ただし,ゾロ目と0のある牌では認められない.
  • [Dp]上がり牌が,牌の列のどちらの端にもつなげられるなら25/30点.ただし,ゾロ目では認められない.

プエルトリコ


200点勝負で次のボーナス点を認める人がいます.
  • [Pp]相手をパスさせたとき,手で最初のパスなら20点,それ以後は1回10点.


500点勝負のボーナス点は次のとおりです.
  • [Pp]最初の手に勝ったら100点,2つ目の手に勝ったら75点,3つめの手に勝ったら50点,4つ目の手に勝ったら25点のボーナス点.5つ目以後の手にはボーナスはつかない.
  • [Pp]上がり牌が,牌の列のどちらの端にもつなげられるなら100点.ただし,ゾロ目では認められない.
  • [Pp]上がり牌が,0-0なら100点.
  • [Pp]上がったときに,牌の列の両端が1なら100点を与える人がいます.
  • [Pp]ゲームで最初に手詰まりで勝ったとき100点を与える人がいます.

2015年2月18日水曜日

Hana-awase, or Flower pairings, a basic game of hanafuda (flower cards)



Preliminaries


Number of players: 3
Equipment: a pack of 48 hanafuda (flower cards)
Eldest hand is chosen by lot. A player who makes a combination or captures highest points becomes eldest in next hand (one closer to the eldest in case of a tie).

Deal


Youngest hand, who is at left of the eldest, shuffles the cards and hands them to the eldest, who passes them to second hand, who is at his right. The second hand either acknowledges the shuffling by just touching the pack with his/her finger, or cut them in half. The eldest completes the cut and deals seven cards to each player face down and six to the table face up. An often mentioned way is to deal them in packets of four and three cards. Remaining cards are placed face down near the cards on the table. If there are four cards of same flower/plant on the table, the cards are shuffled, cut and dealt again without changing the eldest hand. Some disadvantageous hands like four cards of a flower can be treated similarly. If there are three cards of same flower/plant on the table, they are grouped together. They can be captured all at once by playing the remaining card of the flower.

Play of cards


The eldest hand plays first and turn moves counter-clockwise. A player plays a card from his/her hand by placing it face up on the table. If there is a card of same flower on the table, it must be placed on it -- the pair of cards is captured by the player; it is left alone on the table otherwise to become a new table card. Then he/she flips a top card of the stock and play it just like a card from his/her hand. Captured cards are placed face up in from of the player arranged in bright, animal, ribbon and junk.

Scoring


A hand ends when players finish playing all cards in their hands and the stock.
Each player calculates points in his/her capture, 20 points for a bright card, 10 for an animal, 5 for a ribbon and 0 for a junk card, and subtract 80 from total. Or, one can count 1 point for each junk card and subtract 88 from total.

Games with combinations


The game can be played with some scoring combinations. When a player has captured all cards that form a combination, current hand ends immediately and each of the other two players pay its score, ignoring points in captured cards. Combinations and their scores vary from a player to another. Old (late 19th century) descriptions tend to have just a few of them, like:

  • Red ribbons, 40 points. Three cards with red ribbons with letters, of pine, plum and cherry.
  • Blue ribbons, 40 points. Three cards with blue ribbons of peony, chrysanthemum and maple.
  • Four bright, 60 points. Pine with a crane, cherry with a curtain, grass with the moon and paulownia with a phoenix.

Some combination can be added for worst situations:

  • Fourteen junk, 60 points. Fourteen junk cards. Rain cards count as junk for the purpose of this combination.
  • Misery, 40 points. When a player manages to take 15 points or less in his/her capture. This is not exactly a combination, but is scored just like three ribbons.


Some play with more combinations, like:

  • seven ribbons, 60 points. seven ribbon card, without counting rain with a ribbon.
  • five bright, 100 points. four bright plus rain with an umbrella man.

Inclusion of these kind of combinations calls for additional rules to keep a game going when one completes a combination, because four bright is a subset of five bright, and seven ribbons highly likely to contain one or two three ribbons combo.

The Korean game of Minhwatu is very similar, but always played until all cards in hands and the stock are exhausted. After each player receive points for combinations he/she has from each of the other two players in captured cards, he/she calculates points in cards, counting no points for junk cards. The combinations and their scores are:

  • Quartet of iris: 20 points
  • Quartet of maple: 20 points
  • Quartet of rain: 20 points
  • Red ribbons: 30 points
  • Blue ribbons: 30 points
  • Plain ribbons: 30 points (the three ribbon cards of wisteria, iris and clover)

2015年2月7日土曜日

Rules of hachi-hachi, or eighty eight, another game of hanafuda (flower cards)

This game is well-known as the representative of hanafuda games in books on the cards, but it is only played by small number of enthusiasts these days partly because of complex rules and partly because it is a game for six players.

(16 May, 2015) Fixed some typos.
(13 February, 2015) Rain cards always count as junk in sixteen junk cards.
(10 February, 2015) Added rules for exchanging hand with the eldest, cancellation of kept combinations, and further clarification of special combinations.
(9 February, 2015) Added descriptions on common arrangements for double/quad carry over, corrected rules on special combinations, added optional rules for extended hands, and optional use of hand counter.

Equipment


One pack of 48 flower cards (or two of them used alternately between hands), poker chips or go stones, and loan tokens. Scores are kept in shillings and pence. There are twelve pence in a shilling -- that's why I used shilling as translation of kan --- there has never been duodecimal currency in Japan and this game is said to originate late 19th century in Yokohama, the place for foreign trade with Western powers. Go stones or poker chips are used for them: a white one is a shilling and a black one penny, and each player starts four shillings and twelve pennies. A player can receive additional chips in unit of five shillings, along with corresponding number of crown tokens to keep record of current debt.

Please see somewhere else or my article on mushi for description and classification of the cards.

Number of players


5 to 7, best for 6. 3 or 4 player games are possible, but not recommended.

Seating


Eldest hand is chosen by drawing. Who draws earliest month becomes first eldest and chooses his/her seat. Who has next earliest month sits at his/her right, and so on. Cards are redrawn in case of a tie. Winner of previous hand becomes the eldest in following deals.

Deal


Youngest player, who is at the left of the eldest, shuffles a pack of cards and give them to the eldest, who, in turn, lets the second hand, who is at his/her right, cuts them or acknowledge the shuffling. The eldest, then, deal 7 cards face down to each player and 6 face up to the table, in packets of four to players and three on the table, followed by three to players and the table. Remaining cards are placed face down near the table cards as a stock. When there are seven players, a blank card is added to the pack and 6 cards on the table are not dealt. Who has the blank card does not play in the deal and places the other six cards on the table. When there are four cards of same flower, cards are dealt again by the same eldest hand. If there are three cards of same flower on the table, they are grouped together. They can be captured all at once by the remaining card of the plant. Before players look at cards dealt, anyone can exchange his/her hand with that of the eldest. Furthermore, anyone who has not exchanged cands can do so with who has the hand originally dealt to the eldest.

Double and quad deals


If there is the crane, the curtain, or the moon on the table, everything is doubled in that hand. If there are more than one of these cards, the scores of the next hand are doubled too.
If there is the rain man or the phoenix on the table, everything is quadrupled in that hand. If there are both of them, the scores of the next hand are quadrupled too.
A prior agreement has to be made with regard to what happens if there are three double cards on the table, if there are both double and quad cards, or if there are double card(s) on the table in a carried-over double or quad deal. Common arrangements include:
  • (as few as possible) to treat three double cards just like two of them and to ignore double and quad cards on the table in carried-over double/quad hands, or
  • (as many as possible) to play as many double and quad hands as number of double and quad cards dealt on the table, with quad hands taking precedence over double ones.


Auction


Each player, after looking at his/her hand, starting from the eldest and counter-clockwise, says if he/she plays the hand or passes. A passing player deposits passing fee to the common pool, that is 1/- (one shilling) for the first player to pass, 1/6 (one and six) for the second, and 2/- for the third. It is taken by winner of the hand. Passing players put his/her cards on the stock. Some play that each passing player shuffle the stack after placing their hand on it, and some do not. Passing players do nothing until the next deal. If the eldest hand passes, a player at his/her right becomes the eldest. Some do not allow players to pass if it would make number of players less than three, and some allow one and two player games where passing fee is divided equally between joining players.

Blind play by the eldest


The eldest hand can say play without looking at his/her hand if kind of double is not known, i.e. when there are no carried over double/quad and before dealing cards.

Forced passes


When three players says play, remaining players are forced to pass. Forced out players do not pay passing fee. A forced out player can receive these points from each of playing players:
  • a half of points for melds,
  • a half of points for scoring combination in hand,
  • threepence for each card that is part of red ribbons, blue ribbons, four bright cards or five bright cards, unless it is part of a meld or a combo in hand.


Melds


Starting from the eldest, each player shows any melds he/she has and wishes to score and receive their points from each of the other two players. Shown cards are left face up on the table. A rain card counts as a junk card for the purpose of melds, and one card can be used in more than one melds. Some allow a rain card to be either a junk card or a regular rain card, but not both at the same time, for the purpose of melding.
  • red, 2/-. two ribbon and five junk cards. The junk cards must be shown. Some score it 3/-.
  • lone ribbon, 3/-. a ribbon and six junk cards. The junk cards must be shown.
  • lone ten, 3/-. an animal and six junk cards. The junk cards must be shown.
  • lone bright, 4/-. a bright and six junk cards. The junk cards must be shown.
  • all junk, 4/-. seven junk cards. The junk cards must be shown.
  • three cards, 2/-. three cards of same flower. The three cards must be shown.
  • greater three cards, 3/-. three cards of same flower, where the plant is wisteria, iris, clover or paulownia. paulownia must not be the phoenix, in which case it becomes simple three cards. The three cards must be shown.
  • three pairs, 4/-. Six cards forming the pairs must be shown.
  • four cards, 6/-. Four cards of same flower. The four cards must be shown.
  • three cards and two pairs, 7/-. All cards must be shown.
  • one-two-four, 8/-. Four cards and a pair. All cards must be shown.
  • four-three, 20/-. Four cards and three cards. All cards must be shown.
Some (most?) play that a four-three immediately ends a game. Some play that it ends a deal but not a game.
Many/some recognise these points for two sets of three cards:
  • double three cards, 6/-. Two sets of three cards.
  • three cards and greater three cards, 7/-.
  • double greater three cards, 8/-. Two sets of greater three cards.


Play of cards


The eldest hand plays first and turn moves counter-clockwise. A player plays a card from his/her hand by placing it face up on the table. It is placed on a card with same flower to capture them together if there is one, or left alone to become a new table card otherwise. Then he/she flips the top card of the stock and play it just like a card from hand. Captured cards are placed face up in front of the player, arranged into bright, animal, ribbon and junk for everyone to see clearly.

Scoring combinations, going out and keeping


When and only when a player has captured all cards of a scoring combination, he/she can either go out to end the hand or keep playing. Regardless of going out or continuing, he/she receives points of the combination he/she has just made from each of the other two players. A keeping player has to return a half of the points received for kept combination(s) when he/she fails to go out by making another, and has to pay for the other player as well as him/herself when an opponent goes out by completing another combination. Some do not allow keeping when a player has made five bright cards or seven ribbons. Some do not allow keeping four bright cards for the purpose of aiming for five bright cards. Some allow kept combinations to be cancelled at end of anyone's turn by returning a half of points received for them. A player no longer has to pay alone for the other player after he/she cancels keeping. The scoring combinations are:
  • red ribbons, 7/-. Three red ribbon cards with letters, of pine, plum and cherry.
  • blue ribbons, 7/-. Three blue ribbon cards of peony, chrysanthemum and maple.
  • seven ribbons, 10/-. Seven ribbon cards. The ribbon of rain does not count. Some scores one shilling for each additional ribbon.
  • four bright cards, 10/-. The crane, the curtain, the moon and the phoenix.
  • five bright cards, 12/-. four bright cards and the rain man.

Event points


Scored immediately when they happen.
  • 1/- from each of the other two players, when one captures all cards of  own melded three cards (normal and greater).
  • 1/- from everyone but one who draws blank card, when the blind eldest takes more than 88 points by captured cards.
  • 1/- from each of the other two players, when a player who melded red, lone ribbon, lone animal or all junk takes more than 88 points by captured cards.

Scoring


When no one goes out by the end of a hand, each player counts total points in captured cards, 20 points for each bright card, 10 for each animal, 5 or each ribbon, and 1 for each junk cards, and compare the result with 88 points. Points below and above 88 are paid and received respectively, one penny for each point.

Special combinations


If any of these  occurs when a hand ends, it is regarded as a scoring combination.
  • sixteen junk cards, 12/-, two shillings for each additional junk card up until 20 shillings. It counts not only when all cards are played but also when any player goes out. Rain cards count as junk. Some do not set upper limit at 20 schillings. Some allow going out by this with further variations of allowing or disallowing keeping it to aim at seventeen or more.
  • dead heat, 10/-. When no one goes out and every player takes 88 points. The eldest player wins and received 10/- from each of the other two players.
  • double 80, 10/-. When no one goes out and there are more than or equal to 168 points in one's capture. one shilling for each additional card point.

These cancel any melds, normal scoring combinations including player's own and event points. Any payments made for them have to be paid back. Some play that they do not cancel the event points for blind play.

Responsible discard


When a player has captured all but one card to complete a combination, another player is deemed responsible if he/she discards a card to complete it, be it the missing card or another card of the same flower, provided that he/she has other choice(s). A player is not responsible when he/she cannot do anything else, for example, when there is only one card left in his/her hand, or when all cards in his/her hand can complete waiting combinations and playing a card that could cost him/her less. Responsible player pays for the other player as well as his/herself. Some do not apply these rules for five bright cards and/or seven ribbons.
Similarly, a player discarding the remaining card of a three card meld is responsible for capture of the meld and has to pay for its event score all by him/herself.

Half-game


After sixth hand is played, each player receives a crown debt token. This amount, number of players times five shillings, is given to winner of twelve hands as winner bonus.

Determining winner


A game is twelve hands. After twelfth hand is played, each player rounds his/her score to a nearest shilling (1 to 5 pence are rounded down and 6 to 11 pence are rounded up) and subtracts 10 shillings from the result. Who has highest score is winner of the game and receives the winner bonus. Some plays additional hands so long as there remain carried-over double or quad hands.
A board with twelve holes can optionally be used to record number of hands played. Winner of each hand places a penny in a hole and last place player receives the total of a shilling after the end of the game.