ドゥラークは珍しいタイプのゲームで,筆者自身,記事は書いたものの,どう戦ってよいのか分からないので,参考にしたサイト www.durbetsel.ru にあった作戦を抄訳してみました.
(2013.10.2) 抄訳しすぎたので,もう少し内容を細かくしました.
(2013.10.20) a への対策で,“切札を出すこと”を“切札を出させること”に修正しました.
どんなタイプのゲームでも
一番大事なのは,出されたカードを覚えておくことです.場から除かれたカードと,カードが出された順番を覚えておきます.なくなったカードが分かれば,相手にどのカードがあるかが分かります.カードが出された順番から,カードがどこにあるかを推測できます.例えば,相手が攻め札としてハートの10を出したら,ハートの9は,まだ山のなかにある可能性があります.ただし,相手が上級者の場合は,手に9が何枚かあって,10は1枚しかないなら,10を出すこともあります.
最初から守りに切札を使ってはいけません.手の最初に切札を捨てる理由はありません.最初は切札を出すのを控え,次から守るのが定跡です.
守りはじめるときは,ペアになっているカードを使って守ると,カードを掴まされる確率が低くなります.手に弱いカードや,3枚以上切札でない同じ印のカードがあると,カードを掴まされるリスクがあります.
相手に,守りで切札か最上位のカードを使わせるには,自分が最初の攻め札を出す手番で,切札でない同じ印のカードが数枚あるなら,その中の弱いカードで攻めると,序盤か中盤なら,相手は拾うでしょうが,終盤だと,切札で守らざるを得なくなります.
時にはハッタリ(ブラフ)をかますことも必要です.例を挙げます.終盤に数人残っているとき,自分の手に切札が3枚,例えば,クラブのK,10,6があって,守り手になる手番だったとします.最初の攻め札がダイヤのAだったら,クラブの10で守らなければなりません.ついでスペードのAが出されたら,クラブのKで守ります.なぜなら,こうすることで,他のプレーヤーは,まだ上位の切札をもっていると考えて,切札のAでは攻めず,例えばダイヤのAで攻めるかもしれないからです.ブラフは,使いすぎてはいけません.
2人のゲーム
1. 相手のスタイルを把握する.
2. そのスタイルに対抗する.
相手のスタイルを把握するには,同じ相手と試しに数回勝負します.相手が勝とうと考えてプレーしている限り,多くの場合,次の4つの基本形のいずれかに該当するはずです.他のスタイルは,4つの基本形の組み合わせです.
a. 切札をため込む.このスタイルの人は,決して切札で飛び入りせず,最初の攻め札と飛び入りは,相手を困らせるカードでなく,不要なカードを捨てて,山札から切札を得ようとします.
b. 上位のカード(A,K,Q)をため込む.A,AがなくなったらK,KがなくなったらQを4枚と切札2枚を集めようとします.このスタイルの人は,普通は,山札がなくなった後に分かります.
c. 相手に弱いカードを押し付ける.このスタイルの人は,攻め札をすべて取らせようとします.この利点は,山札から切札を引く確率を高めることと,相手にゲームの主導権をとらせないことです.
d. ペアをため込む.さまざまな大きさのカードのペアを集めます.ペアを持っていると,守りでも,攻めでも,有利です.このスタイルの人は,いつでもペアを持っています.
それぞれのスタイルへの対抗策は,次のとおりです.
a. 切札をため込む相手への対抗策は,相手の弱い印を探し当てることと,弱い印に対して切札を出させることの2段階に分かれます.中盤までは,相手の弱い印の把握に費やします.なるべく異なる印のカードを出すようにし,相手の弱い印が分かったら,一貫して,相手が切札で守らざるを得ないようにするよう努めます.
b. 上位のカードをため込む相手は,切札を貯め込まず,終局は上位のカード4枚の優位性を利用することがわかっているので,対抗策も易しいです.終局の2または3回前の攻防,山札が6枚かもう少しあるときに,上位のカードで守らざるを得なくさせます.
c. 弱いカードを押し付ける相手への対抗策は,まず,序盤には上位のカード,つまりA,K,Qだけで守ります.序盤で上位のカードを貯め,1回か2回は守ってもかまいません.中盤までに上位のカードをすべて集め,中盤以降の各攻防で,弱いカードで攻めを始め,上位のカードはパスします.中盤で切札は相手に与えなくないので,取らざるを得なくなります.
d. ペアを集める相手に対抗するのは難しく,こちらもペアで攻めペアで守るしかありません.
情報源の著者が作ったプログラムの弱点を突いた攻撃方法も,紹介されています.人間相手には,何度も同じ手は使えないが,知らない相手には有効だとしています.はじめから上位(下位でもよい)の切札が2~3枚あるとき,相手の攻撃を守らず,山札が残り8~10枚になるまで取り続けてから,一番弱いカードで攻撃を始めます.攻撃用の弱いカードは,同じ大きさのカードが3~4枚そろっていなければなりません.相手が取らずに守っても,山札から切札を得る可能性は低く,相手の攻撃を容易に守れます.ただし,相手が,ここでカードを取って,同じ戦術を採用する可能性もあります.
3人のゲーム
ペアと切札を集めます.そのためには,守る必要があります.
3人ゲームで一番大事なのは,自分の左隣にカードを押し付けないことです.そうしていいのは,山札がなくなり,左隣が最初に手札をなくしそうなときだけです.なぜなら,左隣にカードを押し付けると,攻撃の手番を失うので,次は,自分が攻撃されることになり,カードを捨てることも,自分を攻めるプレーヤーの手をくずすこともできません.
自分に出されたカードを故意に守らずに取り,左隣に自分を攻めるプレーヤーを攻撃させることもあります.後の機会にこのプレーヤーを攻めます.
4人のチーム戦
序盤では,弱いペアのカードを左隣に出すとよいです.弱いペアがなければ,長い印の一番下のカードを出します.それもなければ,6のような弱いカードのペアを作ります.
左隣にカードを押し付けて,自分が攻め手になったら,左右両隣が持っていないカードを出すのが望ましいです.1周経てば,ないカードは推測できます.例えば,8,10,Jで守り,もう1人が7とQを出していたら,6,7または9を出すとよいです.これらのカードは,パートナーの手にある可能性が高いです.
相手が上位のカード(K,Q)を取ったときは,そのカードを使わせるようにします.これらのカードを出されると守れない(すぐにペアのもう一方のカードをだされる)し,山札から切札かペアを得るチャンスがあるからです.
右隣が守れずにカードを取り,左隣にカードを掴ませる自身があるなら,上位のカードで飛び入らなくてもよいです.なぜなら,自分のパートナーが攻めるとき,右隣が反撃するので,そのとき飛び入らなくてはならないからです.
4人以上の個人戦
チーム戦でない場合,弱いカードを出されたら取って,多くの弱いカードを掴まされるのを避けます.例えば,6を8で守ると,6と8をすべて取らされる可能性がありますが,すぐに取れば6だけで済みます.
上位の攻め札出されて,守りきれないことが分かっているときは,より高いカードで守って,上位のカードが飛び入りで集まるようにします.