2018年11月7日水曜日

厦門と泉州の麻雀

牌の並べ方と配牌のしかたが独特です.点数が倍々計算でなく掛け算なのも特徴的です.非常にシンプルなのに,符点相当の点があることで,上がり方が特定の有利なパターンに偏らないなど,バランスのとれたゲームだと思います.花牌は好みが分かれるところだと思いますが,底を変えることで,花牌の点数への影響を変えることもできます.

(2018.11.7)バリエーションと反則の節を追加しました.
(2018.9.20)泉州の点数計算の情報をほぼ完全な内容に差し替えました.金牌表示の決め方の別法を追記しました.底を引き上げるオプションの例示を増やしました.
(2018.9.19)死んだリンクを差し替えました.また,配牌と補花の手順を詳細化しました.
(2015.12.17)次の3点を修正しました.
  • 金牌表示に花牌が出たときは元に戻して振り直す
  • 白は金牌表示の額面の代わりになれるのではなく,常に代わりになる.字牌の捨て牌のルールから白への言及を外す
  • 游金の周に他の3人に振込み上がりを認める人もいる

道具

春夏秋冬,梅蘭菊竹を足した144枚.サイコロ2つ.日本の麻雀牌を使うなら,赤5筒などの赤牌4枚を梅蘭菊竹の代わりにする.

最初の親は,仮親がサイコロ2つを振って決めます.後は,親が上がるか流局したら連荘,子が上がったら親の下家(右隣)が親です.

配牌

4人で8枚2段の山4つからなる内側の山と,20枚1段の山4つからなる外側の山を組み上げます.各人が,テーブルの自分の縁に沿ってうつ伏せの牌横8枚の列4列作ります.ついで,両手に2枚ずつの牌をうつ伏せにして持ち,縁から2列めの両脇につけます.この12枚になった列を中央よりの2列とともに押出したら,前から2列めの8枚を最前列の8枚の上にのせます.最後に,縁に残った8枚を左右両手で4枚ずつハの字型になるように持ち,12枚の列の両端に付けます.曲げた両端と中の12枚に役割の違いはありません.横20枚の山をテーブルに収めるように両端を曲げていると考えてください.
見たことがないものを言葉で説明してもわかりづらいので,下手な図を書いてみました.

配牌は,内側の山を使います.親がサイコロ2つを振り,親ではなく出目の位置の人が,上下2枚の牌をひと組として,4つの山それぞれの右端から数えて最初の1〜2組目4枚,その下家が3〜4組目,対面が5〜6組目,上家が最後の2組を取り,各人が16枚の牌を手にします.次いで1〜2組目を取った人がサイコロ2つを振り,出目の位置の人がハの字の右端を1として時計周りに数えた位置で牌の山を分けます.このとき切れ目は作りづらいので,末尾の牌をもう1つ手前の牌の上に載せます.切れ目から時計周りにツモ牌を取り,反時計回りにカンと花牌の補充牌を取ります.親は,最初のツモ牌を手牌に加えて手牌を17枚にします.
参考に配牌と進行中のゲームの写真があるリンクをいくつかあげます.

補花

全員が手牌の花牌をすべてさらしたら,親から順に,さらしたのと同じ枚数の牌を山の末尾から補充します.補充した牌に花牌があるときは,すぐにさらし,他の全員の番を待ってから,補充します.これを,全員の手から花牌がなくなるまで続けます.

開金

補花が終わったら,山の切れ目の席の人がサイコロ2つを振り,牌の山の末尾を1として出目だけ数えた位置の牌を表向きにします.この牌が金牌表示です.金牌表示は,ゲームに使いません.カンと花牌の補充では,金牌表示を飛ばします.金牌表示と同じ牌3枚が金牌です.金牌は,花牌以外の何の代わりにもなる万能牌です.また白は金牌の額面の牌になります.例えば,金牌表示が2萬なら,他の3枚の2萬が金牌,白は2萬になります.金牌表示に花牌が出たら,裏返しに戻し,山を分けた人は,もう一度サイコロを振ります.
補花が終わったときの山の末尾を親がめくって金牌表示を決める人もいます.このとき花牌が出たら親のものとしてさらし,次の牌をめくります.

進行

字牌が捨てられたとき,同じ牌が対子や暗刻になっていない人は,できる限りすぐにその牌を捨てなければなりません(跟打).そのような牌が複数手にあるときは,捨て牌をその中から選びます.捨て損ねた牌が残っているときは,先に捨てます.
捨て牌は,誰が何を捨てたか覚えておかないとわからないように,中央に乱雑に置きます.
山から花牌を引いたら,さらして山の末尾から補充します.
上家からチー,他の3人からポン・カンできます.生牌に関連した包や同じ人から3回チー・ポンした場合の包はないので,誰からどの牌をもらったかは示しません.
金牌が捨てられたら,あとで説明する双游,三游であるかないかに関わらず,4人全員とも,金牌を捨てた人の順番が来るまで,チー・ポン(明槓も)・振り込み上がりができません.
捨てられた金牌は,チー・ポン・カンできません.捨てられた金牌では上がれません.
金牌入りのチー・ポン・カンはできません.上がるときは,金牌入りの面子(頭は不可)を捨て牌で完成できます.
山の残りが金牌表示を含めて16枚になって誰も上がらなければ,臭荘(流局)です.

上がり

チー・ポン・カンも含めた手牌と山から引いた牌か捨て牌で2枚の同じ牌(頭,現地では雀)と5組の面子ができれば上がりです.
2人以上同時の上がりは認めません.上がり牌を捨てた人から一番順番が近い人の上がりです(頭ハネ).
振り聴はありません.

点数

どんな上がり方でも,上がった人以外の3人が,それぞれ上がった人に点を払います.点数は(底+水)×倍数です.
底は,親の上がりと子の上がりへの親の支払いには親の底2,子の上がりへの子の支払いには子の底1を使います.親の底は,流局を含む連荘のたびに2倍し,親が変わったら2に戻します.子の底は変わりません.
水は,符点のようなものです.数牌は19牌も含みます.
    数牌  字牌 
明刻0水1水
暗刻1水2水
明槓2水3水
暗槓3水4水

  • 花牌,金牌1枚1水
  • 春夏秋冬1組花牌4枚4水の代わりに8水
  • 梅蘭菊竹1組花牌4枚4水の代わりに8水
  • 花牌8枚16水.春夏秋冬の8水と梅蘭菊竹の8水で16水で,ボーナスはつかない.

倍数は上がり方で決まります.
  • 平胡(×1).捨て牌で上がる.
  • 自摸(×2).山から引いた牌か,カン・花牌の補充で上がる.搶槓も点数は自摸扱い.
  • 游金(×4).金牌の単騎待ち自摸上がり.この形は何でも上がれるが,振り込みでは上がれない.
  • 双游(×8).金牌を捨てて,次のツモ順に游金で上がる.次のツモ順にカンできるときはカンしてから游金で上がってよい.捨てた金牌には水はつかない.
  • 三游(×12).双游で金牌をツモるか,金牌で代用させていた牌をツモることで浮いた金牌を捨てて,次のツモ順に游金で上がる.捨てた金牌には水はつかない.
  • 三金倒(×3).配牌(補花を含む)が済んだ後,または流局直前に手牌に3枚金牌があれば,他の牌が上がれる形でなくても上がれる.配牌後の補花が済んだときの三金倒は,点数は游金扱い(×4).
  • 搶金(×4).開金のとき,親は1枚不要牌を捨てた手,子は手牌そのままに金牌表示を加えれば上がれる場合.この金牌表示は万能牌で金牌の水も付く.
  • 天胡(×4).親の補花完了,開金後の手牌が上がりだった場合.三金倒では天胡にならない.三金倒,搶金に勝つ.

泉州では,厦門と点数計算が少し異なります.
  • 親の連荘時の底は,連荘ごとに1増やす.1でなく「1×上がり方の倍」増やす人もいる.
  • 加槓の水は明槓でなく暗刻と同じ.また,明刻の水を暗刻と同じにする人がいる.
  • 花牌を4枚(8枚)揃えたときの水のボーナスはなく,それぞれ4水,8水となる.
  • 上がり方の倍は,平胡1倍,自摸2倍,游金3倍,双游6倍,三游9倍,三金倒3倍.搶金,天胡はない.また,花牌を8枚集めたら,手牌の形に関係なく直ちに3倍の上がり.

反則

  • 大相公(多牌),小相公(少牌)は上がり放棄です.
  • ツモ,チー,ポン,カンを間違えたら上がり放棄です.
  • チョンボ(間違った上がり)は,3人それぞれから正しい上がりならもらえた点を逆向きに払い,その手を終わらせます.このとき親は交代しませんが,連荘数は増えません.双游,三游中にチョンボした場合,チョンボした人は,チョンボの支払いのほかに,双游,三游した人がもらえたはずの点を1人で払います.

バリエーション

  • 手に金牌があるときは,振り込みあがりできないとする人が多いです.
  • 金牌を捨てた周に,それ以外の3人に振込み上がりを認める人も多いです.
  • 上がりやポンを見逃したとき,順番が来るか飛ばされるまで,同じ牌での上がりやポンはできないとする人がいます.
  • 底全体を5倍(親10,子5),8倍(親16,子8)など,一定倍する人がいます.こうすると,点数が水の影響を受けにくくなります.
  • 金牌が手に3枚ある人は,三金倒あるいは游金・双游・三游でなければ上がれないとする人がいます.
  • 双游,三游以外で金牌を捨てたら,上がり放棄とする人がいます.

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